日本で2番目にドSな社労士試験対策

このブログは、社労士試験に本気で合格する方を応援するために、主自身が取った効果的な学習法をお伝えするブログです。主に受験経験のある方向けの内容ですが、初学者の方でも1発合格するエッセンスが詰まっています。毎日アップしますので、ご愛読ください。

過去問はこうやって本試験への知識に変える~労働基準法㉘~

みなさん、こんにちは。

 

「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。

 

毎日、ありがとうございます。

 

はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。

僕はこんな人です。

にょういずみにょうさんのプロフィール - はてな

 

来年の本試験(令和5年8月27日)まで、残り316日(45週と1日)となりました。

1日1日を大切に過ごしましょうね。

 

再始動された方は、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。

まだの方は、いつリスタートするかを決めましょう。

 

お待たせいたしました!

ついに「ドS勉強会」の様子が分かるプロモーション動画ができました。

毎回、こんな感じでやってます。

「めっちゃ厳しそう( ;∀;)。」とか、

「興味はあるけど、ついていけるかどうか(/ω\)。」とかってお感じの方、

ぜひ一度ご覧ください。

こちらのリンクから。

youtu.be

 

このブログでは、来年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。

必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。

ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。

 

また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。

合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのマインドセットー2023年度向け① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのマインドセットー2023年度向け② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのマインドセットー2023年度向け③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセットー2023年度向け① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセットー2023年度向け② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセットー2023年度向け③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセットー2023年度向け④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

合格者になるためのスキルセットー2023年度向け⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策

 

今日もメインシリーズ

「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。

 

【もくじ】 

昨日の振り返り

昨日は、「(賃金の)直接払いの原則」を整理しました。

賃金の直接払いの例外は何でしたっけ?

はい、思い出して!

 

 

………、

 

 

「①賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 ②給料、賃金、俸給、歳費、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権(以下「給料等」という。)については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない。(以下略)」

でしたね。

 

これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。

スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。

情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。

分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。

筋トレと一緒です。

脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。

 

今日の過去問検討

今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数

では、過去問検討に移りましょう。

 

今日は、「賃金」から、「賃金の支払・休業手当」のうち、

「全額払いの原則」(労基法24条)を整理します。


僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、

「全額払いの原則」は20肢(類題含めて24肢、それと選択式が1問。)、載っています。


ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、

「全額払いの原則」は「7個」の知識でパーフェクトだとまとめました。

 

その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、

本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?

 

では、そのうちの1つを見てみましょう。

 

今日の1問

労働基準法第24条第1項の定めるいわゆる賃金全額払の原則は、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであり、使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇無効期間中に他の職に就いて得た利益を、使用者が支払うべき解雇無効期間中の賃金額から控除して支払うことはおよそ許されないとするのが最高裁判所判例である。」

(平成21年度問4D)


この問題、問われている知識は何でしょう?

久しぶりに論点2つありますよ。

では、シンキングタイム、スタート!

このブログでは、5W1Hの疑問形になるように考えることを推奨しています。

 

 

………、 

 

 

「賃金の全額払いの趣旨は何か?」と、

「使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇無効期間中に他の職に就いて得た利益の扱いはどうするか?」

ですね。

では、答えは?

 

………、

 

本試験に持っていく論点知識①

賃金の全額払いの趣旨は、

労働基準法24条1項本文の定めるいわゆる賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるから、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものである。」

ですね。

 

整理の視点①

本肢は、2つの最高裁判例から作成されたものです。

その前半の趣旨についての言及が論点知識①で、これは「日新製鋼事件(最判平成2年11月26日)」からの引用です。

趣旨の話ですから、超がつくほどの基礎事項です。

で、趣旨とは何ぞや?なんですが、その法律又は条文がどういう目的で作られたのかや、どんなことを目指しているのかといった内容なんだなくらいの理解をしておきましょう。

じゃあ、賃金の全額払いっちゅうーのを労基法が定めたのは何のためかってーと、論点知識①にあるように、使用者からの一方的な控除を禁止し、それにより労働者に賃金を丸ごと受け取らせ、生活に困らないようにするもんだって言っていますね。

ってことは、使用者からの一方的な相殺ってのも、労働者が賃金を丸ごと受け取れないっていうことには変わりがないから、控除したものと同じと考えて禁ぜられているんだよってことですね。

相殺ってのは、反対債権がある場合に意思表示のみで効力が発生するものです。控除とは別モノですが、結果として賃金を丸ごと労働者の手元に残らせないという点では同じですね。

つまり、趣旨に立ち戻って考えるときって、表面上の事象には違いがあるのだけれど、根っこのところは同じという場合によく使われる分析的思考です。

この分析的思考が身につくと、本試験問題で未見の問題が出たときにパニックにならず、既存知識を総動員して推理を働かせられることができ、なんとなく解答を選んだり「えいやっ!」の運頼みの解答をすることがなくなり、得点可能性がupします。

ただし、この能力は、普段の自学自習のときに自分の脳みそに汗をかいて、あーでもない、こーでもないと考えることをして初めて身につく能力です。

分かりやすい講義を聴くだけだったり、見栄えの良いテキストや資料を眺めていたって、決して考える力は身につきません。

もっとも、どの論点についても考えなきゃいけないというわけではなく、こうした過去問で出てきた判例や通達、ロジックのややこしい条文の理解をするときに訓練すれば十分です。

単純に記憶だけすればよいような簡単な論点知識にまで思考せよということではありません。

それと、判例・通達学習のコツは、そこで述べられている内容が、条文のどの文言についての話なのかと、一言で言ったら結局どういうことなのか?というのを自分の言葉に置き換えて考えることです。

解釈の学説上の対立といった純法律的な知識までは要りません。社労士試験ではそこまで求められてはいません。

 

本試験に持っていく論点知識②

使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇無効期間中に他の職に就いて得た利益の扱いは、

「使用者の責に帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について利益を得た場合、使用者が、労働者に解雇期間中の賃金を支払うにあたり、右利得金額を賃金額から控除することはできるが、その限度は、平均賃金の4割の範囲内にとどめるべきである。」

ですね。

 

整理の視点②

こっちは「米軍山田部隊事件(最判昭和37年7月20日)」からの最高裁判例の引用です。

ここでは、前提として、何が問題になっているのか?という思考を回しておくと、結論で何を言っているかがスッキリ頭に染み込んできます。

事案としては、使用者(国)が労働者を解雇したものの、その後、裁判により、解雇は無効と判断されました。したがって、使用者(国)は解雇期間中の賃金を支払わねばなりません。

ところが、解雇を言い渡されてから、解雇無効の判断が行われるまでの間、その労働者は他で再就職をして収入を得ていました。

じゃあ、再就職をして得た収入分を賃金から控除してもいいんじゃないの?ってのが問題の所在です。

例えば、解雇期間中の賃金総額が1,000万円だったとしましょう。この間、労働者がバイトなどをして500万円の収入があった場合に、本来支払われるべき賃金の1,000万円を支払うとしたら、この労働者は合計1,500万円の収入を得ることになり、本来得べかりし利益を上回りますよね。それってどうなん?ってことです。

私たちの感覚からすれば、元々500万円の収入があり、本来得べかりしであった賃金は1,000万円なんだから、差し引きした500万円を労働者に支払えばいいんじゃないの?って思いますよね。

ところがどっこい、労基法には休業手当というのがあり、使用者の責に帰すべき休業の場合には、平均賃金の6割以上の休業手当を支払わねばならないんでした。

しかも、ここでいう「使用者の責に帰すべき休業」ってのには、解雇無効期間も含まれると解されているんです。

そう。だとしたら、この場合には600万円以上の金額を休業手当として支払わなくてはならないんじゃないか? だとしたら、中間利益があったとしても控除できるのは本来の賃金から休業手当分を差し引いた分になるのではないか?という疑問が湧くわけです。

それについて判示したのが論点知識②。言っていることは極めてシンプルです。

前半部分は、解雇期間中の賃金を支払う場合には、中間利益の控除はOKですよっていうのはいいですね。さすがにそうしないと、労働者が不当に多くの利益を得てしまうことになってしまいますよね。納得もしやすいです。

後半部分は、中間利益の控除はOKだとしても、その上限は、平均賃金の4割だよってことで、結局のところ、休業手当に相当する部分については、必ず使用者は支払わなくてはならないってことです。

ということから、本肢の後半部分は誤りということになりますね。

ちなみに、この判例の考えによると、さっき上げた例の場合、賃金総額1,000万円のうち、控除できるのは400万円までとなります。

そうすると、労働者の手元には、中間利益の500万円と休業手当として支払われた600万円が残り、差し引き100万円のプラスが出ることになります。まだ不公平感が残ります。

こうした場合に最高裁が示したものとして「あけぼのタクシー事件(最判昭和62年4月2日)」ってのがあって、こう判示しています。

「使用者の責めに帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは、使用者は、右労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり右利益(以下「中間利益」という。)の額を賃金額から控除することができるが、右賃金額のうち労働基準法12条1項所定の平均賃金の6割に達するまでの部分については利益控除の対象とすることが禁止されているものと解するのが相当である(略)。したがつて、使用者が労働者に対して有する解雇期間中の賃金支払債務のうち平均賃金額の6割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許されるものと解すべきであり、右利益の額が平均賃金額の4割を超える場合には、更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(労働基準法12条4項所定の賃金)の全額を対象として利益額を控除することが許されるものと解せられる。

下線部分が、米軍山田部隊事件より踏み込んだ内容ですね。

さっきの100万円の扱いをどうするかについては「更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(労働基準法12条4項所定の賃金)の全額を対象として利益額を控除することが許される」というのですから「臨時に3通」を対象として控除できるわけです。

したがって、ボーナスがあったのであれば、そのボーナスから100万円を控除してもいいよってことを言っているわけです。

なお、赤文字の部分は令和元年度の選択式で出題された箇所です。

ここの答えを覚え込もうとするのではなく、問題の所在がどこにあって、どういうロジックで結論に至ったか? のみならず、他に学ぶべき内容はないか?と思考するための材料としてはもってこいですね。

だって、今日みたいな例の場合、100万円の処理は、ボーナス分から控除してもいいよってのは過去問出題歴はありませんが、問題文中にはバッチリ示されています。ってことは、過去問論点のプチ応用問題として出題される可能性はあります。過去問で問うたことのある素材を別角度から切って見せるような場合です。

ここでも「過去問を味わって解く」ことができるわけです。

過去問は解いたときに〇×の答えがあっているとか、選択式で抜かれたところのフレーズさえ入ればいいってもんじゃありません。それだけだと「答えを覚えただけ」に過ぎず、一字一句同じ文章で問われることが皆無な本試験では太刀打ちできませんよね。

論点が何か? それを過不足なく正誤判断できるようになるにはどのような情報が必要か? だけでなく、周辺情報まで注意を配れるかどうかが合格者レベルに達する条件です。

とはいえ、基礎・基本を疎かにしてもいいという話ではありません。

あなたが複数回受験であるにもかかわらず、択一の総合点が40点にも満たないのであれば、基礎・基本がかなり怪しいです。

まずは骨格作りが先。筋肉増強は後です。

 

今日のまとめ

今日は、「(賃金の)全額払いの原則」を整理しました。

また、過去問は解いたときに〇×の答えがあっているとか、選択式で抜かれたところのフレーズさえ入ればいいってもんじゃないということについてもお伝えしました。

  

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「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」

「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」

「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」

といった感想をいただいております。

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