みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
さて、今日も、来年度に向けて、今すべきことを書きます。
僕の記事を読んでグサグサッとくる方は、読んで終わりとか、グサグサを感じるだけで終わらせたりせずに、行動を変えてくださいね(意識は変えなくてもいいです。行動すれば考えは後から変わりますんで。)。
ハチさん、受験生日記、拝読しました。
今年の躍進は、あなた自身が努力してつかみ取ったものです。
個別特訓やドS勉強会で「これをやってみてはいかがですか?」と僕が言った時には、必ず実践してご自身に合うかどうかを試されていましたよね。
そうした行動の変化の賜物なんじゃないでしょうか。
合格できる地力は十分につきました。
選択式の得点に微妙なところがありますが、フタを開けてみないと分からないところなので、今の時期はメンテナンス程度の脳作業で十分でしょうね。
【もくじ】
やるべき勉強法④
今日は、どこまで勉強の範囲を広げるかを書きます。
最近の本試験は、選択式・択一式ともに過去問ズバリの出題割合が減り、出題歴のある条文であっても別のポイントを問うてくる「プチ応用」問題や、出題歴のある情報を元に、その場で考えさせて語句を選んだり、正誤判断をさせる問題の割合が増えてきました。
そりゃそうでしょう。
過去問まんまだったら、まとまった量の過去問を検討することで得点できますから、差がつかなくなります。
社労士試験は競争試験ですから、受験生をふるいにかけなくてはいけません。
難問奇問だらけだと批判の対象になりますから、苦心しながら作問しているんだろうなとは思います。
で、近年の傾向を踏まえると、どこまで範囲を広げて勉強したらいいんだろうという不安が頭をよぎりますよね。
僕の私見では「過去問の範囲の検討だけで十分、合格基準は満たせる。」です。
ただね「過去問の範囲」ってのがミソで、過去問の正誤判断(選択式なら正解の語句を覚える。)さえできればいいってもんじゃないってのが僕の考えです。
僕は「ついで学習法」と名付けて、過去問でズバリ問われた内容だけでなく、同じ条文の他の情報もおまけ程度に考察するということをやっていました。
このブログの過去問検討の際にも結構やっています(「このポイントは過去問未出題ですが。」といった断り書きはしていませんでしたが。)。
実際に見てみましょう。
例えば、この択一の過去問。
「被保険者(疾病任意継続被保険者を除く。)が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給するが、その支給を受ける期間は被保険者が行方不明となった日から起算して6か月を限度とする。」(平成23年度社一問6D)
ドS勉強会最終回、最終問でも取り上げ、今年の選択式でも出題された内容です。
でね、この肢で正誤判断させるところは「6か月」の部分です。
なので、論点として抜き出すのであれば「行方不明手当金の支給期間はどれくらいか?」となりますね。
ところが、これだと前半部分の「被保険者(疾病任意継続被保険者を除く。)が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給するが、」の部分の正誤判断はできません。
ここ部分の論点は「行方不明手当金の支給要件は何か?」です。
本試験では、この2つの論点の正誤判断が根拠をもってできて初めて確定的に〇か×かを決めることになります。
ところが、これを過去問としてみた場合に、誤りの部分である後半部分の知識だけを本試験に持っていくだけだとすると、同じ条文知識で別のポイントが問われたときにバタつくことになります。
例えばこの択一問題。
「被保険者が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給する。ただし、行方不明の期間が1か月未満であるときは、この限りでない。」(令和2年度問7E)
この論点は「行方不明手当金の支給要件は何か?」ですね。
さっきの肢の前半部分がまんま出題された形です。
平成23年度の肢の検討の際に、支給要件まで整理済みなのであれば、この肢は瞬殺できます。
ですが、〇×だけで解いていたり、正誤判断を問われた箇所だけの知識しかインプットしていなかったのでは、本試験会場で「あれ~、見たことあったよな~。どうだったっけ?」と悶々と時間を浪費する羽目になります。
これが過去問論点を元にした「プチ応用問題」です。
受験経験のわりに択一の点数が伸びない方の特徴として、こうした肢の正答率が低いというのがあります。
確かに過去問でズバリ問われたことのない話なので知らなくても仕方がないのですが、過去問検討の仕方を変えた方がいいでしょうね。
で、どうしたらいいかというと「視点をずらす。」ことをすればいいのです。
このやり方は、僕が受験生時代にクレアールの斎藤先生から直伝していただいた「過去問を味わって解く」やり方にアレンジを加えたものです。
どういうことかというと、正誤判断を求められたフレーズの正確な知識を習得するのはもちろんのこと、他に語句を入れ替えられて誤りとされるような箇所はないかとほんの少し思考を回すというやり方です。
平成23年度の問題でいうと、
「Q:行方不明手当金の支給期間はどれくらいか?
A:被保険者が行方不明となった日の翌日から起算して3月を限度」
だけを知っていれば誤りと判断できますが、
前半部分の
「Q:行方不明手当金の支給要件は何か?
A:被保険者が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給する。ただし、行方不明の期間が1月未満であるときは、この限りでない。」
も要チェックです。
さらに、支給期間の方はポイントが2つあって、
1つ目は「被保険者が行方不明となった日の翌日から起算」であること。
もう1つは「3月を限度」であること。
支給要件の方はポイントが3つあって、
1つ目は「被保険者が職務上の事由により行方不明となったとき」であること。
2つ目は「その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給する。」こと。
3つ目は「行方不明の期間が1月未満であるときは、この限りでない。」ことです。
今年の選択式では2つ目のポイントが抜かれましたね。けど、こうやって、味わって解くことをする準備をしておけば楽勝です。
で、このやり方は、決して勉強範囲を広げるものではありません。
本試験でズバリ問われた内容のついでで周辺知識も押さえておく程度のものです。
しかも、自分の頭で「同じ条文で少し違うところを問うとしたらどこだろう?」と思考したりすることで、脳みそのフィルターを通すことになりますから、自ずと記憶には残ります。それが選択式対策にもなります。
どうです? ここでもアクティブラーニングをしていると思いませんか?
もちろん、予備校の講義では講師の方が周辺知識も解説していますし、テキストにも条文まんまだったりすることが多いですが、記載はあります。
ですが、問題関心なく漫然と話を聞いていたり、文字面を追っているだけでは決して本試験問題が解ける「使える知識」にはなりません。
「テキストの隅々を読み込みましょう。」というのは、テキスト読みのアクティブラーニング化ができている方には有効ですが、そうでなければ時間の無駄です。
で、どうやったらついで学習が身につくかですが、1つの論点知識内でも情報の個数管理をするという思考をするとよいでしょう。
さっきの例でも「ポイントは2つ」とか「ポイントは3つ」って書きましたよね。
じゃあ、いくつのポイントになるかは、テキストの項目をヒントにしたり、自分で意味内容を区切って考えることで身につきます。
いきなり完璧を目指すのではなく、まずはやってみて、精度を上げていけばいいんです。
合格者レベルの方だって、勉強法を改めるときは、誰でも最初はビギナーでしたよ。
それを毎日コツコツと続け、自分なりのアレンジを試行錯誤しながら加えていったからこそ地力がついたんです。
勉強法に、何でも瞬時に理解できるような魔法はありません。
まずはやってみて、自分のものにしていくしか道はありません。
合格できる方は、そこに気づくんですね。
明日は、選択式の「びっくり問題」対策を書きます。
読んでくださって、ありがとうございます。
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