みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和3年8月22日)まで、残り159日(22週と5日)です。
1週間当たりの勉強時間(脳みそに汗をかいている時間のこと。講義を聴いているなどの受け身な時間は含まない。)が20時間だとすると、残り時間は約450時間です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
今は地力をつけるときです。
テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
日々の勉強は「習慣」です。
習慣はモチベーションとは全く関係ありません。
あなたが習慣にしていることって、わざわざモチベーション上げてやってますか?
朝、目を覚まして顔を洗ったり、歯を磨いたりするのに「おーし、今日はめっちゃモチベーション高いから、歯ぁ磨くぞ!」なんてことやってますか?
モチベーションなどというものを持ち出すときってのは、勉強しない言い訳のときだけです。
物事を習慣化するのは技術です。やる気だの意志の強さだのに頼っている限りは、いつまでたっても身に付きません。
まずはやってみることです。
さあ、1日5分でも10分でもいいから勉強し始めましょう。
不安を取り除く特効薬は、1歩を踏み出すことです。
勉強の悩みや不安は、勉強することでしか取り除けません。
最初から完璧な勉強法をとれる人なんていません。
とりあえずやってみて、軌道修正をするんです。
なので、何もせずにその場に立ち尽くしているだけでは何も変わりませんよ。
さあ、1問でもいいから問題を解きましょうか!
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
来年度向けの勉強を始める前に必ずやるべきこと - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
マインドセットをする - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
毎日のゴールを決める - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
スケジュールを立てる - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
やってはいけない勉強法(前編) - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
やってはいけない勉強法(後編) - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
効率の良い勉強法とは何か? - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「不服申立て」を整理しました。
処分が確定した後の流れはどうなるんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
そして、何度かコメントを寄せてくださった受験生さんから、スマホアプリの「分散学習帳」というのがより便利だと情報提供がありました。
実際に使ってみると、自分でカードを作成して覚えていくアプリですが、ベストな復習タイミングで、カードを毎日表示してくれます。
また、単語を入れて検索もできるので、不確かな記憶があっても、すぐに確認できます。
さらに音声読み上げもしてくれますから、紙のカードとICレコーダーのいいとこどりに加えて、間違えやすい論点をこれでもかというくらい復習できるので、最強の学習アプリなんじゃないかなって思います。
これまでICレコーダーに録音されていた方は、移管作業が伴いますが、今後、論点を探す手間を考えたらこっちの方がトータルで時間短縮につながるんではないでしょうか?
使用説明みたいなところに、勉強上達の3つのコツが載っているのも◎。
教えてくださったシミズさん、ありがとうございます!
記憶のコツは、出来合いの情報を鵜呑みにするのではなく、あなたの言葉で端的な情報に加工することと、それを適切なタイミング(忘れそうなタイミング)で、繰り返すことです。
あなた自身は、どれくらい脳みそに汗をかき、反復演習をしていますか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「不服申立て及び雑則、罰則」のうち、「雑則」から「時効」(健保法193条)と「印紙税の非課税」(195条)を整理します。
僕が持っている過去問集(2021年度向け。)では、
「時効」は10肢(類題含めて15肢。それと選択式が1問。)、
「印紙税の非課税」は1肢、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「時効」は「時効のいつものポイント」プラス「1個」の知識でOK。
「印紙税の非課税」は「1個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「事業主が保険者に対して保険料を過納した場合の保険料還付請求権の消滅時効は、2年であるが、被保険者が事業主に対して過納した場合の保険料返還請求権の消滅時効は、これを行使することができることを知った時から5年又はこれを行使することができる時から10年である。」
(平成15年度10E改)
この問題、問われている知識は何でしょう?
論点2つありますよ。
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「健康保険上の時効は何年か?」と、
「時効の起算点はどこか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識①
健保法上の時効は、
「保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、(中略)2年を経過したときは、時効によって消滅する。」
ですね。
整理の視点①
はい、毎度おなじみの時効の論点です。
受験経験があり、かつ、僕のブログを読んで活用されている方なら、目をつぶっていてもどんな論点があり、その内容がどんなもんだったかはスラスラ思い出せられますね?
今日の論点知識の①は、時効の論点の初っ端に思い出すべき内容です。
社労士試験対策上、これまでは「時効は2年と5年しかない。」と覚えておいて、あとは2年ものと5年ものがそれぞれどんなものだったかを振り分ければ済むんでしたが、労基法の法改正により「退職手当を除いた賃金も5年。ただし当分の間3年。」を足して覚える必要がありましたね。
で、健保法上は年金スタイルの長期給付や額が大きいものがありませんから、どの保険給付も2年の時効にかかります。
ただ、条文をよく見てみましょう。
何について2年の時効にかかるかといえば「保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、」なっており、限定的ですね。
つまり、健保法上、2年の時効にかかるのは次の3つです。
・保険料等を徴収する権利
・保険料等の還付を受ける権利
・保険給付を受ける権利
ここでいう「保険料等」とは「保険料その他この法律の規定による徴収金」のことを指しますから、保険料のみならず延滞金や日雇特例被保険者に係る追徴金がこれに該当します。
で、本問で問われている「事業主が保険者に対して保険料を過納した場合の保険料還付請求権」や「被保険者が事業主に対して過納した場合の保険料返還請求権」がそれぞれ健康保険法上の時効にかかる対象なのかは検討が必要です。
まず「事業主が保険者に対して保険料を過納した場合の保険料還付請求権」については、健保法上「事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。」ことから、過納した場合の還付請求を保険者に対してすることができます。
なので、保険料還付請求権は、2つめの「保険料等の還付を受ける権利」に該当します。
一方、適用事業所に使用される被保険者には、健保法上、保険料納付の義務が明示されているわけではなく、事業主の納付義務に附随して賃金や賞与から保険料を控除されているにすぎません。
なので、この場合の保険料還付請求権は、見かけは保険料ですが、健保法上の直接の納付義務があるものではありませんので「保険料」とは言えず、一般債権として民法のルールに従って処理されるべきものということになるんですね。
ちょっと細かいですし、民法は社労士試験の範囲外ですから悩ましいですね。
今日の内容は、本問に続いて平成16年度にも同じ内容で1肢出題されているので、時効の論点がパーフェクトになった後のプラスアルファ知識として押さえておけば十分でしょう。
それよりも、地味ですが、選択式対策として、何について法律条文では時効が定められているかは各科目を一気読みしておいた方がいいでしょうね。
本試験に持っていく論点知識②
時効の起算点は、
「保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。」
ですね。
整理の視点②
こっちも時効ではおなじみの論点ですね。さらに法改正事項です。
これまでは、法律に明記が無く、民法の原則に沿ったものでしたが、条文上「これらを行使することができる時から」と明記されるようになりました。
ですが、保険料徴収の条文でいつから権利が行使できるかや、保険給付ごとにいつから権利が行使できるかなんてことは一言も記載がありません。
なので、私たちが問題を解くときは「これって、いつから『保険料払ってね。』とか『保険給付受けさせてね。』とかって言えるんだろう?」って考えてみないことには正確な正誤判断ができません。
なお、お手持ちのテキストや資料には一覧形式で保険料の時効の起算点、還付請求権の時効の起算点、個々の保険給付の時効の起算点あたりがズラ~っと列挙されていますが、こんなもん全部覚えようとしちゃダメですよ!
いつも書いているように、一覧の内容を意味も分からず覚えるのは丸暗記です。
やっつけ仕事の一夜漬けの勉強なら、そのやり方でもいいでしょう。
ですが、159日後の本試験までビシーッときれいに覚えていることなんて無理ですし、他にも覚えることがあるのですから、どんどん脳みその隅っこに追いやられて思い出すことができなくなります。
なので、表の丸暗記は時間とエネルギーの無駄ですから、とっとと止めましょう。
代わりに「保健料っていつから『払ってね。』って言えるんだろう?」って考えてみましょう。
保険料の納期限は「翌月末日」でした。
納期限まででしたら、納めても納めなくてもどっちでもOKです(もちろん期限前に納めるのが望ましいですが。法律上の義務としては期限までに納めれば時期は問われないので。)。
ですが、納期限を渡過すると督促が始まるんでしたね。
督促とはまさに「保険料、納期限過ぎてますよ~。早く払ってね~。」ってもんですから、はっきりと「払ってね。」ということができます。
このことから、保険料の時効は「保険料の納期限」が境目であり、民法の翌日起算の原則から「保険料納期限の翌日」が時効の起算点になるわけです。
これが保険給付だったらどうなるかは、各自であてはめをしてみましょう。
これをしておくと、起算点の言い回しでめんどくさい「労災の二次健康診断等給付」「労災の介護(補償)等給付&健保の高額療養費」の言っていることが腹落ちできます。
さあ、底なし沼のような丸暗記と脳みそに汗をかいて腹落ちさせた記憶とでは、どっちの方が本試験で頼りになる情報でしょう?
どのみち頭を使うんですから、歩留まりのいい方を選んだ方がいいですよ。
今日のまとめ
今日は、「時効」を整理しました。
また、丸暗記するくらいだったら、脳みそに汗をかいて腹落ちさせた方が効率が良いということもお伝えしました。
健保法の過去問検討は明日でおしまいです。明後日に振り返りをしてから、次は国民年金法に入ります。
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できればですが、全論点につき、僕だったらどう記憶するかみたいな解説動画を作ろうと思っています(YouTubeにあげたやつの全論点版みたいなイメージです。)。
こちらも乞うご期待。
令和2年度本試験向けに「You Tube動画」アップしてます。
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