みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
本試験(8月25日)まで、あと「44日」。
試験日まで6週間と2日です。
あなたは、1週間平均で何時間、
正味の勉強時間を費やしていますか?
それに6を掛けると……、
あと何時間かけて合格レベルに持って行ったらよいかが分かりますね!
(テキストをマーカーで塗り絵していたり、眺めているだけの時間はノーカウントですよ。)
焦りは禁物ですが、お仕事、睡眠、食事、家事、ご家族とのコミュニケーション以外の時間で、
ボーっとしてたり、無駄にイライラしてたりする時間を過ごしてはいませんか?
なにも、「今日からフルスロットルで走れ!」なんてことは言いません。
ただ、毎日1%ずつ成長することだけでいいんです。
とはいえ、そうのんびりとしていられる時期ではないので、
ちょっとずつギアを上げていきましょうか!
さあ、今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう!
【もくじ】
昨日のふりかえり
昨日は、事業主・被保険者・受給権者の届出等を整理しました。
厚生年金の被保険者の届出は、何についていつまでにどこへ提出しなければならないんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「①日本年金機構宛
原則:10日以内
例外:
・適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者のマイナンバー変更:速やかに
・選択基金等の届出:直ちに
・年金手帳の再交付の申請(氏名変更によるときを含む):期限なし
②事業主宛
・かつて被保険者であった者が被保険者の資格を取得or初めて被保険者資格を取得した者が年金手帳を所持しているとき:直ちに
・氏名変更、住所変更、マイナンバーの申出(適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者及び第4種被保険者を除く):速やかに」
でしたね。
夜寝る前と、朝起きた時に繰り返しましたか?
記憶のコツは、
コンパクトな情報を常に繰り返すことです!
もちろん、そのまえに、テキストなどの
情報を自分の言葉でコンパクトに凝縮すること
も大事です。
分かりやすい講義を聴いたり、テキストを読むだけの
受け身な勉強では記憶は身につきません。
受験経験があって、択一合格点に届いたことのない方は、
今のやり方で、本試験会場でスラスラ問題を解き、
11月に合格している自分の姿をイメージできますか?
今一度、勉強方法を見直してみてはいかがですか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は厚年の最終回、「権限の委任等」(厚年法100条の4~100条の14)を整理します。
「厚生年金基金」は省略します。まず出題されることはないでしょう。
さて、僕が持っているクレアール過去問集(2019年度向け)には、
「権限の委任等」は7肢(それとまるっと2問)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「権限の委任等」は「4個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
みなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「厚生労働大臣は、滞納処分等に係る納付義務者が、処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることなど、保険料等の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、財務大臣に、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。」
(平成24年度問6D)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「厚生年金保険法上、どんなときに財務大臣に対してどのような権限の委任ができるか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①処分等に係る納付義務者が、処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため保険料等の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときに
②当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。」
ですね。
整理の視点
少し細かいところですが、過去3回、1問丸ごと使っての出題がある箇所ですので、侮れなさそうです。
厚生労働大臣の権限の委任は4パターンあって、そのうちの1つが、今日の問題で取り上げた財務大臣への権限委任です。
しかも滞納処分に関する権限委任は年金機構に対して行う場合もあるので、こんがらがりやすい個所です。
その違いはというと、財務大臣に委任する場合は、論点知識の①にあるような悪質な場合です。
財務大臣が権限委任を受けた後は、国税庁長官→国税局長→税務署長と権限委任されて滞納処分を行います。
なので、ざっくりしたイメージで言うと、映画「マルサの女」に出てくるような所得隠しをしているような滞納者に対しては、「その道のプロ(=マルサ)」を充てた方が得策ということなんでしょうね。
ちなみに、過去問では論点知識の①にある「その他の政令で定める事情」の部分が、財務大臣に権限を委任する場合の要件として問われたことがあります。
それはどんな要件だったでしょう? はい、思い出して!
………、
「①納付義務者が24か月以上の保険料等を滞納していること。
②厚生年金保険法等に規定する保険料、拠出金及びその他この法律の規定による延滞金(滞納保険料等)の合計額が5,000万円以上あること。
③納付義務者が、滞納処分その他の処分の執行を免れる目的で、所有する財産について隠ぺいしているおそれがあること。
④日本年金機構により滞納処分その他の処分を受けたにもかかわらず滞納保険料等の納付について誠実な意思を有すると認められないこと。」
でしたね。
かなり悪質な滞納といえますね。
では、国民年金にも同じように悪質な滞納者に対する権限委任の場面がありますが、その時の要件はどのようなものだったでしょう? はい、思い出して!
………、
「①納付義務者が13か月以上の保険料等を滞納していること。
②納付義務者の前年(1月から6月までは前々年)の所得金額が1千万円以上であること。
③納付義務者が、滞納処分その他の処分の執行を免れる目的で、所有する財産について隠ぺいしているおそれがあること。
④日本年金機構により滞納処分その他の処分を受けたにもかかわらず滞納保険料等の納付について誠実な意思を有すると認められないこと。」
でしたね。
①と②が違うんですね。
国民年金の方は、平成28年度の選択式での出題があり、しかも数字を答えさせる問題でしたので、比較して記憶しておくと安心ということで、取り上げました。
択一で出題歴のある論点が選択式で出題されるケースは、よくあります。
みなさんは、そんな時の対策は十分にできていますか?
今日のまとめ
今日は、権限の委任等について整理しました。
また、択一で出題歴のある論点が選択式で出題されるケースの準備の仕方についてもお伝えしました。
あなたは、今日の記事から何を学び、何を実践しますか?
今日で、厚生年金保険法の整理はおしまいです。
明日は振り返りをして、明後日から、いよいよ一般常識です。
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