みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
nouvelle00さん、読者登録ありがとうございます。しばらくは今年の試験問題の振り返りをしています。ゆるっとお付き合いください。
僕はこんな人です。
昨日はオンライン打ち上げでした。
僕を含めて約20名。
受験生さん同士でお声がけをされて参加してくださったのもありがたいことです。
いや~。盛り上がりましたね( *´艸`)
どの方も、渾身の力を振り絞って受験された分、まぁ、語る語る。
結局、ほとんどの方が2次会にまで参加され、19時スタートの23時終わり。
よく眠れました。
参加された皆さん、本当にありがとうございました。
来年度向けのドS勉強会でもよろしくお願いします。
ということで、令和4年度向けのドS勉強会を9月から始動します。
毎月1回のペースで、労基から始めて、5月には一般常識を終わらせます。
詳しい日程は、9月になったらお知らせします。
今のところ、初回の労基法は、9月25日土曜日の13時スタートの予定です。
再スタートを決めた方は、奮ってご参加ください。
さて、今日も今年の本試験問題を実際に解いてみて、「合格者レベルならば、どのような思考を辿るか?」という内容です。
【もくじ】
労働科目択一式②
今日は労災・徴収法
労災
労災も問題文の柱書にテーマが書かれているんで、大体何を思い出せばいいのかの目安になりますね。
問1は、業務災害についてなんですが、Aを読んで目が点になりました。Bを読んで、「あ、これ後回しだわ。」と思いました。
要は、業務起因性の具体例を問うているっぽい問題で、具体的な労災認定事例からの出題です。
問1は難問です。得点できなくても構いません。
難しいのは、聞きなれない部位の用語が多いのと、かなり細かい事例という点です。
よく読めば誤りの点に気づくかもしれませんが、これはさすがに無理でしょう。
むしろ、第1問にこの手の問題を持ってくることで、受験生の戦意を削ぐための地雷だと思った方がいいでしょう。
僕なら捨てます。一応、残りの時間で解きますが、得点できなくてもいいやくらいのつもりでいます。
で、読み進めてみると、発想としては、通災の逸脱・中断的な感じかなという気がします。
その観点だと、Bの「会社施設の浴場に行く途中、弟の社宅に立ち寄り雑談した後に、」の部分が逸脱っぽいんです。
また、Eの「見舞いに来た友人のモーターバイクに乗って運転中に車体と共に転倒し、」の部分も逸脱っぽいんです。
だとしたら、両方とも業務外となるはずなのに、Bは業務上、Eは業務外となっていてつじつまが合いません。
どっちの結論が妥当かというと、業務外としたEの方がしっくりくるので、Bを解答にします。
問2は、通災がテーマですが、これも難問です。
要は「通勤のため」といえるかどうかの認定事例です。
Aは、たまたま大雨だったため、タクシーに乗ったにすぎず、またその経路も車であればよく利用される経路であることから、通常の経路といえそうなので、〇寄りの△。
Bは、「病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、」とあることから逸脱したといえそうなので、通災とは認められにくいだろうと考え、〇寄りの△。
Cは、「この従業員の勤める会社では、従業員が免許取得のため自動車教習所に通う場合、奨励金として費用の一部を負担している。」の部分が業務命令っぽいのかなと考えるも、よくわからないので、中立の△。
Dは、単身赴任先と本宅との往復だから業災と考え、〇寄りの△。
Eは、無免許状態が咎められるとしても、通勤途上のことであるから、それ自体に瑕疵はないと考え、〇寄りの△。
結局、どれも自信を持って正誤判断できないので、中立の△としたCを解答にします。
最初の2問で、労災は心折られますよ。こりゃぁ( ;∀;)
問3は、特別加入。今度は普通の難易度で来てくれ!
Aはズバリの過去問もかすった過去問もなし。
確かに中小事業主の特別加入は包括加入だから、特別加入者にしないといけないようにも思えますが、就業実態がないのであれば、何が何でも加入させなければならない者なのだろうか?
よく分かんないので中立の△。
テキストには記載ありましたね。こんなことまで知っている受験生って、どんだけいるんでしょう?
Bは、過去問多数。瞬殺レベル。
Cは、ズバリの過去問はありません。かすった過去問かといえば、平成20年度問2Bと26年度問6DE。
ただし、これらは特別加入者が保険料滞納しているときの支給制限の話。この周辺知識として、故意または重大な過失があった場合も同様というのは押さえているのですが、家族従事者が被災した場合は知りません。
特別加入は包括加入なんで、家族従事者も事業主と同視されるのかなとは考えましたが、よくわからないので、中立の△。
Dもズバリの過去問もかすった過去問もありません(; ・`д・´)
急な赴任だったとしても、要件を具備する限り特別加入させた方が対象者の保護に資すると考え、〇寄りの△。
Eもかすってすらいません"(-""-)"
介護者以外の家族の家事支援作業って、確かに直接的な介護業務ではありませんが、全く介護業務と無縁というわけでもないので、業災と認められることはないと言い切るのには抵抗を感じ、×寄りの△。
根拠を持った判断ができないので、唯一〇寄りの△としたDを解答にします。
合格者レベルでも厳しいんじゃないかな。得点できなくはないけれど、合格者正答率も低いと思われます。
問4は、心理的負荷による精神障害の認定基準の最新版。パワハラが加わったバージョンですね。
とはいえ、これも超ムズ問題。改正事項なので、もちろん過去問もなし。
よく分かりませんが、A~Cは、同じようなことを言っていて、心理的負荷の程度は「中」であるのに対し、Dだけは身体的攻撃ではあるものの、治療等を要さない程度の暴行で「強」になるのはバランスを欠いているし、治療等を要する程度の暴行だったら「最強」とかにしなくてはいけないから、どうやらおかしいなと考え、×寄りの△。
Eは、「等」なので、必ずしも上司とは限らず、力関係上、マウンティングする可能性のある者も含めてもよかろうと考えて、〇寄りの△。
A~Cは、パワハラ度としては同じことを言っているので、どれかを×にすると他のも×にしないといけなくなるため、どれも誤りにはならないと判断。
したがって、×寄りの△としたDを解答にします。
激ムズでしたが、その場で考えるという脳作業をすれば、何とか得点できたのではないでしょうか。
とはいえ、失点もやむなしの問題でしょう。
おっと、問4まで来て、確実に得点できそうな問題がまだないぞ。
だんだん焦りが出てきているでしょうね。
問5は、障害補償一時金の受給権者に障害補償年金が加重されたときの年金額を問う問題ですね。
ぱっと見、論点が何かが読み取りにくいですし、何をしたらよいかが分かりにくいんで、プチ「びっくり問題」ですね。
この問題が正解できるかどうかは、支給額について全等級を覚えている方は皆無だと思うので、問題文柱書きの「第8級の6」「第5級の2」の部分から、それぞれ一時金と年金だというのに気づけたかどうかです。
あとは、(年金額)-(一時金の25分の1)を計算するだけ。この知識は、平成21年度問6D、13年度問3Eの検討で知っていなければならない内容です。
計算式は、184ー503×25分の1=184ー20.12=163.88
よって答えはA。
合格者レベルなら得点できる問題。
ようやくここで1点確保の自信が持てました。
問6は、遺族補償一時金の遺族の順位。お、これは今までとは打って変わって、楽勝っぽいぞ。
過去問としては平成19年度問6Eで遺族の順位は検討済みですから、あとは1肢ごとに正誤判断をするだけです。
ドS勉強会でも「遺族の範囲」はしつこいくらいに繰り返し問いかけましたよね。
A、配偶者は生計維持の有無に関係なく第1順位なので誤り。以上!
おっと、5秒くらいでカタがついてしまったぞ。
これまでの難解さは何だったんでしょう。
失点してはいけない問題です。
問7は、上肢作業に基づく疾病の業務上外の認定基準とな。なんじゃそりゃ?
肢ごとに読んでもどれも中立の△。
B~Dは、論理的な傷がないため、×寄りの△にはできず、中立の△のまま。
数字の部分が臭いとにらみ、AEを比較。
Aは、過労死基準とかの場合も6か月間を見るから、×っぽさは感じられず。
Eは、特にケチはつけられないんだけど、他がもっとケチをつけられないので、相対的にこれを解答にします。
ちなみに元ネタを探すとEの文章は「一般に上肢障害は、業務から離れ、あるいは業務から離れないまでも適切な作業の指導・改善等を行い就業すれば、症状は軽快する。
また、適切な療養を行うことによって概ね3か月程度で症状が軽快すると考えられ、手術が施行された場合でも一般的におおむね6か月程度の療養が行われれば治ゆするものと考えられるので留意すること。」ですって。
やっぱり数字をいじって誤りとしていましたね。
知識ではどうにもならない問題で、現場で考えて解けという問題なのですが、難しいです。失点してもやむを得ない問題です。
ってことは、労災は問5、6で2点はマスト。合格者レベルなら問3を何とか得点して、4問の激ムズ問題で1点取れれば御の字でしょうか。
労災法は、条文の数が少ないため、従来のような条文ベースの問題は簡単すぎるってことなんでしょうか。
こんな問題、知識面での準備のしようがありませんね。やはり、文章読解力を鍛えるのが早道なんでしょうか。
徴収法
徴収法は、過去問論点の焼き直しが多いんで、何とかなるでしょう。
問8は、保険関係の成立および消滅について。
Aは、平成27年度災問8Eの焼き直し。
Bは、平成27年度災問8Cの焼き直し。
Cは、平成23年度災問9A・Bの焼き直し。
Dは、平成21年度災問9Dがヒント。
Eは、直接の過去問はありませんが、包括加入・包括脱退は当たり前のことなので、この肢は誤りと判断しなくてはなりません。
失点してはしけない問題です。
問9は、労働保険料の徴収等がテーマ。
Aは、直接の過去問はありませんが、「納付書」なのか「納入告知書」なのか問題で、他の過去問を解いたときに、どんな時に「納入告知書」になるかを整理してあると思いますので、そこから簡単に正誤判断できます。
Bは、有期事業の延納の話ですから、過去問多数。僕も過去記事でフローチャート化した覚え方を載せたことがあります。これも過去問論点知識から正誤判断できます。
Cは、ズバリの過去問もかすった過去問もありません。全く知らないことなので、中立の△。
Dは、平成19年度雇問10A、20年度災問8Bの焼き直し。
Eは、平成20年度災問8Bの焼き直し。
Cはまるっきり分かりませんが、他の肢がどれも過去問論点知識から正しいと判断できるので、残ったCを解答にします。
合格者レベルなら得点できる問題。
問10は有期事業の一括がテーマ。
Aは、平成21年度災問10CD、28年度災問8Bの焼き直し。
Bは、平成28年度災問8Aの焼き直し。
Cは、平成15年度災問9Bの焼き直し。
Dは、直接の過去問はありませんが、法人事業の場合、事業主は法人自体を指しますから、代取が同一人物であったとしても別法人であれば、「事業主が同一」とは言えません。したがって、有期事業の一括はされません。
Eも直接の過去問がありません。文章も何を言っているのかが読み取れなかった方もいるのではないでしょうか?
これって、有期事業の一括の対象にも請負事業の一括の対象にも該当した場合、どうすんのって話ですね。テキストにも記載はありません。
元請けさんで一括した方が下請けさんの手間が省けるでしょうから、請負一括が優先されるんじゃないかって思います。積極的に×にはできませんね。
むしろ、Cがバリバリの正解肢ですから、判断つかないものを解答にするのは、やってはいけません。
合格者レベルなら得点できる問題。
徴収法前半の3問は、過去問論点知識で得点できますね。3点取れます。
労災がきつかった分、徴収法で挽回できた方も多かったでしょうね。
労災・徴収は、合格レベルであれば、6点確保できます。
3点救済はないでしょうね。
今日はここまで。
明日は雇用の択一問題の解き筋を書きます。
読んでくださって、ありがとうございます。