みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」をお伝えします。
今日は労基法第3条の「均等待遇」を題材にします。
僕が持っているクレアール過去問集(平成30年度向け)には、
この均等待遇の過去問が8肢載っています。
(類似出題としてくくったものも含めると10肢)
ですが、本試験に持っていく知識が8個あるのではなく、
僕の検討では「5つ」に集約できるという結論になりました。
具体的にどういうことか?例えば、
「労働基準法第3条は、すべての労働条件について差別待遇を禁止しているが、いかなる理由にもとづくものもすべてこれを禁止しているわけではなく、同条で限定的に列挙している国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみを禁じている。」
(平成25年度問5D)
この選択肢の論点(=何が問われているか?)は、何でしょう?
5W1Hの疑問形で、少し考えてみてください。
………、
「労基法第3条は、何を理由とした差別的取扱を禁じているか?」ですね。
それに対応する知識は、
「国籍、信条又は社会的身分を理由としたもので、限定列挙。」です。
では、次の選択肢の論点は何でしょう?
「労働基準法第3条は、使用者は、労働者の国籍、信条、性別又は社会的身分を理由として、労働条件について差別的取扱をすることを禁じている。」
(平成29年度問5ア)
これも少し考えてみてください。
………、
さっきと同じですね。
「労基法第3条は、何を理由とした差別的取扱を禁じているか?」です。
対応する知識は、
「国籍、信条又は社会的身分を理由としたもので、限定列挙」でしたから、
「性別」という余計なものを理由としたこの選択肢は誤りと判断できます。
「~を理由とした」と書かれているところの前の部分を注意して読んでいましたか?
ということは、
先に示した平成25年度と、この平成29年度の選択肢は、
同じ一つの論点知識で正誤判断ができるということを意味しています。
クレアールの場合、論点が重複していても出題頻度がわかるように、
おそらく敢えて掲載しているのだと思います。
こうやって、「論点は何か?」という観点で過去問を分析して同一論点としてまとめていくと、
データベースとして、知識がつくばかりではなく、
2巡目、3巡目以降に解かなくても済む
選択肢の選別ができるようになります。
だから、1巡目の過去問演習は、
本試験会場にどんな知識をどれだけ持っていくか?
を確定するためのものなので、極めて重要なんです。
後は問題を見ながら「論点は何か?」を見極めて、
次に問われている論点知識を思い出す手順を繰り返し反復練習することで、
知識を長期記憶化していけるようになります。
あなたの過去問検討の方法は、どのようになっていますか?
何を記憶するかが明確で、
後からはどうやってアウトプットしたらよいか?
までデザインされていますか?
ちなみに、「均等待遇」のほかの4つの論点は、
「労基法第3条は、何についての均等待遇を求めているか?」
→「賃金、労働時間その他の労働条件」
「労基法第3条の『その他の労働条件』とはどのような内容か?」
→「解雇、安全衛生も含んだ広い概念だが、雇入れは含まない」
「差別的扱いとはどういうことか?」
→「不利に扱うだけではなく有利に扱う場合も含まれる」
「『信条』の意味はなにか?」
→「政治的、思想的なものにとどまらず、宗教的世界観も含む」
です。
さて、どの過去問から拾ってきた知識でしょう?
下の方の「コメントする」から一言いただけると嬉しいです。
また、お知り合いの受験生さんにも、ぜひ、このブログをお勧めください。
今日も読んでいただいて、ありがとうございます。