みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
来年の本試験(令和2年8月23日)まで、残り298日(42週と4日)、
今年の合格発表まで残り10日です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
で、再始動された方は、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
まだの方は、いつリスタートするかを決めましょう。
そろそろエンジンスタートしませんか?
でだ、あなたは、1週間平均でどれだけ、
脳みそに汗をかく「正味の」勉強時間を費やしていますか?
(テキストをマーカーで塗り絵していたり、眺めているだけの時間はノーカウントですよ。)
焦りは禁物ですが、お仕事、睡眠、食事、家事、ご家族とのコミュニケーション以外の時間で、
ボーっとしてたり、無駄にイライラしてたりする時間を過ごしてはいませんか?
大事なのは、毎日1%ずつ成長することだけです。
本試験が終わったときのやりきった感をイメージしながら勉強していきましょう!
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討してきました。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は「産前産後」について整理しました。
妊娠中の女性の請求に基づく軽易業務への転換は、女性が管理監督者の場合どうするんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「管理監督者であっても、妊娠中の女性から請求があった場合は、他の軽易な業務に転換させなければならない。」
でしたね。
夜寝る前と、朝起きた時に繰り返しましたか?
記憶のコツは、
コンパクトな情報を常に繰り返すことです!
もちろん、そのまえに、テキストなどの
情報を自分の言葉でコンパクトに凝縮すること
も大事です。
それと、白書対策は法令の知識以上に情報に興味を持つことです。
ボーっと資料を眺めているだけだったり、暗記に走ろうとしても身にはつきませんよ。
分かりやすい講義を聴いたり、テキストを読むだけの
受け身な勉強では記憶は身につきません。
受験経験があって、択一合格点に届いたことのない方は、
今のやり方で、本試験会場でスラスラ問題を解き、
11月に合格している自分の姿をイメージできますか?
今一度、勉強方法を見直してみてはいかがですか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「妊産婦等」から「母性保護の措置」のうち「妊産婦の時間外労働の制限」(労基法66条)と「育児時間」(労基法67条)、「生理日の就業制限」(労基法68条)を整理します。
僕が持っているクレアール過去問集(2020年度向け。)には、
「妊産婦の時間外労働の制限」が5肢(類題含めて9肢)、
「育児時間」が5肢(類題含めて6肢。それと選択式が1問)、
「生理日の就業制限」が4肢、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「妊産婦の時間外労働の制限」は「3個」の知識、
「育児時間」は「5個」の知識、
「生理日の就業制限」は「3個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、この第66条第2項の規定は、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦にも適用される。」
(平成19年度問7D)
この問題、問われている知識は何でしょう?
論点2つあります。
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「どんなときに妊産婦につき、時間外労働・休日労働が制限されるか?」と
「妊産婦の請求に基づく時間外労働及び休日労働の制限は、妊産婦が管理監督者の場合どうするか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識①
「妊産婦が請求した場合。」
ですね。
整理の視点①
少し古めの問題ですので、お持ちの過去問集には載っていない方もいらっしゃるでしょう。
何を言っているのかが読み取りにくいですし、論点知識もロジック的に少しめんどくさいところです。
まず、「使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊産婦が請求した場合においては、」のうち、「労働基準法第66条第2項の規定により、」の部分って、何を言っているかすぐイメージできますか?
僕であれば、過去問検討のときには真っ先にテキストの条文を見ます。労基法第66条2項が何と書かれているかを知らないからです。
なんのこっちゃの見当がつかないと、宙ぶらりんな感覚で問題を解くことになりますし、どの知識の引き出しを開けたらよいかが分からないので、誤答する可能性が高くもなります。本試験で同じことをされたらパニック必至ですので、事前準備の段階でやれることはすべてやっておく必要があると判断したからです。
で、素の条文には「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。」と書いてあって、さらに3つの条文も参照する必要が出てきます。
めんどくさいですね~。けど、手抜きをしたら後々しんどくなるので、ここは踏ん張りどころです。
何回か受験をしているのであれば、33条第1項は「非常災害の場合の時間外・休日労働」の話であり、33条3項は「公務のための時間外・休日労働」の話、36条1項はおなじみ36協定でも出てくる「労使協定による時間外・休日労働」の話だと瞬時に分かります。
少なくとも労基法では主要な条文は何回も目にすることから、自然に「〇〇条にはこんなことが書いてある。」くらいの知識はつきますし(だからといって、素の条文を暗記するのは非効率です。)、
過去問の文章でも当然のように「労働基準法第△△条においては~、」なんて書かれていますから、そりゃぁ、「あなた、この条文に書かれていることくらい当然知っていますよね~~。」ってメッセージなんだなと読み取って過去問検討をしながら条文の番号と内容も知識化していきます。
で、結局「労働基準法第66条第2項の規定により、」の部分ってのは、
「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、『非常災害の場合の時間外・休日労働』及び『公務のための時間外・休日労働』並びに『労使協定による時間外・休日労働』の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。」ってことですね。
この後に続く「同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、」の部分は、既に見た66条第2項の内容ですから、ここまでは正しいと判断できます。
それと、本条での請求主体は「妊産婦」です。昨日整理した軽易作業への転換の請求主体と異なることも注意点ですね。
本試験に持っていく論点知識②
「妊産婦のうち、管理監督者については、労働時間に関する規定が適用されないため、法66条1項及び法66条2項の規定は適用の余地がない。」
ですね。
本試験に持っていく知識②
さっきと違って、妊産婦が管理監督者だったらどうすんの?って話なので、頭の切り替えが必要な論点ですね。
で、管理監督者というのは、昨日も見たように、休憩・休日も含めた労働時間の規制について適用外に置かれた立場の方々ですから、本問のように「非常災害の場合の時間外・休日労働」及び「公務のための時間外・休日労働」並びに「労使協定による時間外・休日労働」の規定については適用外になります。
ちなみに労基法第41条ではこのように書かれています。あなたも実際にテキストの条文を参照してみましょうね。
「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」
「この章」というのは、労基法第4章の「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」のことを指します。試験でも重要論点が目白押しの箇所ですね。具体的な条文(=論点の内容)はスラスラ思い出せますか?
「第六章及び第六章の二」というのは、年少者と妊産婦等の部分のことを指します。
つまり、この規定があることによって、管理監督者はこれに該当しない労働者とは別の扱いを受けるということになります。
ただ、文言を良く見ましょう。「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。」とありますね。
そうです。あくまで管理監督者に適用されないのは、「労働時間、休憩及び休日に関する規定」だけです。
なので、昨日整理した妊婦さんへの軽易作業転換については管理監督者も対象となるんでした。
だとすると、次の1問はどうなるでしょう?
おまけの1問
「使用者は、労働基準法第66条第2項及び第3項の規定により、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第1項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせてはならないが、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦については、時間外労働、休日労働及び深夜業をさせることができる。」
(平成17年度問5B)
おまけの整理
前半部分は、今日の1問とほぼ同じです。
違うところは「労働基準法第66条第2項及び第3項の規定により、」の部分ですね。
労基法第66条第3項にはこう書かれています。「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。」
深夜業の制限ですね。
だとすると、「使用者は、(中略)、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせてはならないが、」の部分は正しいと判断できます。
では、後半部分の「同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦については、時間外労働、休日労働及び深夜業をさせることができる。」はどうでしょう?
さっき見たように、管理監督者について適用されないのはあくまでも労働時間の規制についてです。
深夜業というのは、昼間働いている感覚からすると、残業してめっちゃ時間が遅くなっての仕事ですから、なんとなく時間外労働の1カテゴリーのような気がします。
ですが、深夜業について制限がかかるのは、経験則的に深夜業が心身に悪影響を及ぼすことが分かっているからです(安衛法の「自発的健康診断」の「有害業務」に深夜業が含まれていることからもお分かりいただけるかと思います。)。
だとすると、労基法第66条3項で深夜業が制限される趣旨は、労働時間の規制の一環ではなく、深夜業それ自体がもつ妊産婦への悪影響を考慮しての制限なわけですから、妊産婦が管理監督者であったとしても、深夜労働は制限されるわけです(個人的には長時間労働や休日なしの労働も母胎に悪影響を及ぼすので、今の法律はおかしいとは思います。けど、試験問題を解くための知識としては正しく理解する必要はありますよ。)。
で、妊産婦等の過去問検討は今日でおしまいですが、ぜひ、どんなときに、誰について、どんな制約や措置を講ずる必要があるかのまとめの表を自作してみてください。
これをすることで、過去問レベルの妊産婦等の論点知識はすっきり整理できます。
整理できることによって、苦手意識も知識のこんがらがりもなくなります。
塗り絵やにらめっこをするわけではないので、真の意味であなたに知識がつくようになります。
やる・やらないはあなたの自由ですが、楽して知識を身につける方法はありません。
ただ、やみくもに暗記をしても太刀打ちできません。
さあ、どうしますか?
やり方は、無料相談の場でもお話ししていますよ。
今日のまとめ
今日は、「妊産婦の時間外労働の制限」について整理しました。
また、素の条文を参照する意味についてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言いただけると嬉しいです。
もちろん、質問や要望もOKです。
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yy116355さん、読者登録ありがとうございます! 今後の記事もお楽しみに(*^。^*)
けっこうな人数になってきたので、読者登録されている方限定で、何か企画をしてみたいですね。
リクエストいただけると嬉しいです。
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ランキングにも参加しています。
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応援、ありがとうございます!!
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こちらも、続々とお申し込みをいただいています!
読んでくださって、ありがとうございます。
さらにおまけ
読者のiorin7130さんから無料相談の感想をいただきました。過去記事でコメントをオープンにしましたが、なまら嬉しかったので、こちらにも転記します。
「塚野先生こんばんは。私も無料相談の感想書きますね。相談したのは9月の終わり頃でした。自分の勉強方法が良いのかダメなのか不安で相談を申し込みました。通信で受講しているので周りに相談できる友人などもいません。まずは年内にどのように勉強を進めていったら良いかアドバイスしていただきました。今は余裕があるのでまずは苦手科目をとの事で、一般常識のカードを作り通勤の時に見ています。先生のブログもカードにしています。効果は過去問ランドの正解率がすごく上がりました!嬉しい。
大阪勉強会で初めて塚野先生の授業を受けた時、このままでは絶対に合格できないと気付き勉強方法を変えました。無料相談で大きくは間違ってないと分かり毎日楽しく勉強してます。
次回11月30日ですね。当てられも答えられるようしっかり勉強して行きたいと思います。
勉強のことを相談したのは初めてでしたが、すごく楽しくモチベーションが上がり、大笑いしてる間に終わった感じでした。塗り絵だらけの私のテキストやノートも見てもらいました。先生のご指摘通り私が受講している講座は過去問が少な目です。足りない分をどう埋めていくかも、頂いたアドバイスを実行しています。また機会がありましたら相談します。ありがとうございました。」
iorin7130さん、本当にありがとうございます。
一歩を踏み出したことで、来年の合格に向けて着実に勉強できている様子が分かります。
明日は、もうおひとりの感想を載せます。
さあ、無料相談どうしようかと悩まれているのなら、まずは行動しましょう。
悩む時間もったいないですよ。
おまけも読んでくださって、ありがとうございます。