みなさん、こんにちは。
「日本で２番目にドＳな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験（令和７年８月24日）まで、残り２２６日（３２週と２日）です。
あなたが本試験までに勉強につぎ込められる最大時間は何時間ですか？
１日１日を大切に過ごしましょうね。
ただし、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
業務連絡です。
明日のドＳ勉強会に参加される方に、問題用紙を送付しました。
「申し込んだけど、届いてないよ。」という方は、メールか、この記事のコメント欄にメッセージをください。
このブログでは、来年の本試験向けに択一で５０点を取るための準備として、毎日、過去問を１題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、マインドセットやスキルセットに関する過去記事は、以下のまとめ記事からご覧ください。
これまでのマインドセット／スキルセット記事のまとめ - 日本で２番目にドＳな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「一元適用事業と二元適用事業」を整理しました。
徴収法上、都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業についての保険関係は、どのように扱われているんでしたっけ？
はい、思い出して！
………、
「①都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてこの法律を適用する。
②①の厚生労働省令で定める事業は、次のとおりとする。
一 都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業
二 港湾労働法第２条第二号の港湾運送の行為を行う事業
三 雇用保険法附則第２条第１項各号に掲げる事業
四 建設の事業」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ＩＣレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を１回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、
「保険関係の成立と消滅」のうち「強制適用事業所の保険関係の成立と消滅」から、
「保険関係の成立」（徴収法３条等）と、
「保険関係の消滅」（徴収法５条）を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「保険関係の成立」は小見出しなしと、小見出し「成立・変更に係る届出等」に枝分かれしていて、
小見出しなしは５肢（類題含めて６肢）、
「成立・変更に係る届出等」は９肢（類題含めて１３肢）、
「保険関係の消滅」は２肢（類題含めて５肢）、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「保険関係の成立」の小見出しなしは「２個」の知識、
「成立・変更に係る届出等」は「４個」の知識、
「保険関係の消滅」は「２個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか？
では、そのうちの１つを見てみましょう。
今日の１問
「労働保険の保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、法令で定める事項を政府に届け出ることとなっているが、有期事業にあっては、事業の予定される期間も届出の事項に含まれる。」
（令和元年度問３オ）
この問題、問われている知識は何でしょう？
論点２つありますね。
では、シンキングタイム、スタート！
このブログでは、５Ｗ１Ｈの疑問形になるように考えることを推奨しています。
………、
「労働保険の保険関係が成立した場合の届出期限はいつか？」と、
「その際の届出事項は何か？」
ですね。
では、答えは？
………、
本試験に持っていく論点知識①
保険関係成立届の届出期限は？
「法第３条及び第４条の規定により保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、その成立した日、事業主の氏名又は名称及び住所、事業の種類、事業の行われる場所その他厚生労働省令で定める事項を政府に届け出なければならない。」
ですね。
整理の視点①
前半は、超が３つくらい付くほどの基本事項です。
さすがにこの内容が「あれ～、どうだったっけ(@_@)？」という方はいないでしょう（もしそうだったら、勉強方法が根本から間違っています。）。
ちなみに論点知識冒頭の「法第３条及び第４条の規定」ってのは、それぞれ、労災法の保険関係と雇用保険法の保険関係のことを指しています。
で、届出期限は「その成立した日から10日以内に、」とはなっていますが、初日不算入の原則により、翌日起算の10日以内ってのは、もはや反復想起するまでもなく、脳みそに刻み込まれていますよね？
なので、問題文の前半は、秒で正しいと判断しなけばなりません。
問題なのは、後半部分です。いかにも最近の問われ方って感じですね。
本試験に持っていく論点知識②
保険関係成立届の届出事項は？
「法第４条の２第１項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 事業の名称
二 事業の概要
三 事業主の所在地
四 事業に係る労働者数
五 事業の期間が予定される事業（以下『有期事業』という。）にあつては、事＠＠業の予定される期間
六 土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは＠＠解体又はその準備の事業（以下『建設の事業』という。）にあつては、当該事＠＠業に係る請負金額（消費税及び地方消費税に相当する額（以下『消費税等相当＠＠額』という。）を除く。以下同じ。）（則第13条第２項各号に該当する場合＠＠には、当該各号に定めるところにより計算した額をいう。第６条第１項第二＠＠＠号、第８条第二号、第34条第四号及び第35条第１項第二号において同じ。）＠＠並びに発注者の氏名又は名称及び住所又は所在地
七 立木の伐採の事業にあつては、素材の見込生産量
八 事業主が法人番号（行政手続における特定の個人を識別するための番号の利＠＠用等に関する法律第２条第15項に規定する法人番号をいう。以下同じ。）を＠＠有する場合には、当該事業主の法人番号」
ですね。
整理の視点②
数が多いですが、こういう時こそ、メタ認知能力を活用して、情報量を圧縮していきましょう。
なお、論点知識②の内容は、論点知識①の「その他厚生労働省令で定める事項」ですので、保険関係成立届での届出事項は、②の他に➀の
・その（＝保険関係の）成立した日
・事業主の氏名又は名称及び住所
・事業の種類
・事業の行われる場所
についても含まれます。
これらの事項って、保険関係が始まるにあたって、いつから、どこの誰が、どんな商売をしている者なのかっていう、行政に対するお知らせ事項としては当たり前ですよね？
なので、わざわざ覚える必要はないです。問題文に出てきたときに「当たり前のお知らせ事項か否か？」のチェックを入れる程度で十分です。
で、論点知識②の施行規則の方ですが、第一・三号は論点知識➀とほぼ重複なので「当たり前事項」です。
第二号の「事業の概要」は、事業の種類にもつながって、保険料率にもかんすることでしょうから、特に違和感はありません。
第四号の「事業に係る労働者数」は、暫定任意適用事業じゃないってことの裏付けなんでしょうね。だとしたら、特に違和感を覚えるような事柄ではありませんから、わざわざ覚えなくてもいいでしょう。
第五号は、本問の直接の根拠となりますね。覚えておかないとイカンのだろうか？
この規定があるってことは、有期事業において事業の期間を行政にお知らせする意味があるってことです。どんな意味があるんでしょうね～？ はい、考えた！ こうやって、合格者レベルの方は現場対応力を鍛えるのですゾ(=ﾟωﾟ)ﾉ
………、
「（単独）有期事業の場合、事業の期間の満了とともに保険関係は消滅し、それに伴って、確定保険料の申告・納付が必要となるのだが、それがいつなのかを行政庁が把握していないと、確定保険料の認定決定等がなしえないから。」
でしょうね。
だとしたら、僕だったら、現場思考でどうにかなる事柄なので、これも反復想起の対象からは外します。仮に再出題されたとしても、同様の思考の筋をたどればいいだけだよねって、自分に確認を取ります。
第六号は長いですが、要するに、建設の事業の場合は、消費税抜きの請負金額（「則第13条第２項各号に該当する場合」ってのは、注文者等から工事用物の支給、機械器具等を貸与された場合には、請負代金に工事用物の価額（材料費・人件費など）や機械器具等の損料相当額（減価償却費など）を加算し、機械装置の組み立て又は据え付けの事業の場合には、請負代金から機械装置の本体価格を控除するっていうアレのことです。）と、発注者の氏名or名称＋住所or所在地が届出事項だってことです。
これって、賃金総額の特例のところで出てきた中身ですね。これを届出させることによって、通常の賃金総額の算定が困難だってのを明らかにしようとしているんでしょう。
発注者の名称＆所在地ってのまで含まれるのは、請負による建設の事業であることであることを裏付けて、賃金総額の特例が使えるんだよってのよ明らかにするためでしょうね。これも特にとってつけたような話ではないので、頑張って覚えるほどではないでしょう。ただ、分量が多めなので、僕だったら豆知識的に頭の隅っこには置いておきます。
第七号も第六号と同じく、賃金総額の特例に該当しうることを見越してのことでしょう。
第八号は、マイナンバーの法人版です。これも手続きの各所で出てきますから、仮に問われたとしてもビビらずに済みそうです。
さあ、どうでしょう？
今日の問題の後半部分である論点知識②は、これが初出題の内容でしたが、「こんな事項を届けさせるとしたらどんな意味があるんだろう？」という問いを自らに発することで、既存の論点知識を頼りに現場思考を通じて筋道をつけられることが分かりました。
最近の問題って、こういった「過去問論点知識の焼き直し＋未出題事項を現場で考えさせる」パターンのプチ応用問題が多いです。
なので、かつてのように過去問の答えを丸暗記するような勉強では太刀打ちできないことになります。
ということは、過去問検討の際、プチ応用部分がある問題に出くわした時に、「このプチ応用部分、全くの初見だとしたら、現場でどう思考するだろうか？」というシミュレーションをする必要があります。
テキストの隅から隅までを目を皿のように読み込むことをしたって、ただの眼球運動にしかなりません。
時間つぶしにはなるんで勉強した気にはなるでしょうが、あとで項目を見返した時にその内容がスラスラ言えるようになっていなければ「読み込みをした」うちには入りません。
あなたが目指しているのは「努力（しているつもり）への自己陶酔」ですか？
それとも「結果（＝今年の必達目標としての合格）への努力」ですか？
このブログを活用しているあなたであれば、後者ですよね？
今日のまとめ
今日は、「（保険関係の）成立・変更に係る届出等」を整理しました。
また、本番の思考シミュレーションも過去問検討時にはすべしということについてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言、感想や実践して効果があったことなどをいただけると嬉しいです。
もちろん、記事そのものに関する質問及び要望もＯＫですが、その場合は、記載の訂正や読者さん全体の利益に適うと判断したものだけに限って対応します。
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「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」
「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き３点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
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