みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
さて、今日も今年の本試験問題を実際に解いてみて、「合格者レベルならば、どのような思考を辿るか?」という内容です。
昨日の記事でも書きましたが、僕は、過去問でズバリ問われた内容と、根拠となった条文をベースにプチ応用論点が出題されてもいいように情報を加工することを旨としていますんで、記憶の内容としては「過去問でズバリ問われたことがあるか又はその周辺知識。」ってものになっています。
したがって、過去問でかすってもいないような中身については法改正事項や白書・統計以外については、原則として知識として持っていないことが前提です。
予備校の解説動画を観ていますと「テキストのどこどこに記載がある。」といった、過去問ではかすってもいないけど、しれっと記載のある項目(しかも普通の書体や文字色で書いてあるにすぎない。)についても受験生は当然知っているであろうことや、実務に就いてから知り得たこと知っていることを前提に「当然知っていますよね。」的なことを仰る方がいますが、僕は「それって、後出しじゃんけんじゃないか(-_-メ)」って思います。
あくまで、社労士事務所に勤めたことはなく、過去問をベースにその正答率を95%程度にガチガチに仕上げた受験生であれば、どのようなアウトプットをするのかという視点で記事を書いています。
【もくじ】
社会保険科目選択式②
今日は選択式の社会保険科目から2つ。
厚年
見た目の感じでは楽勝そうっぽいのばかりです。
Aは、直接の過去問はありませんが、健保法で同趣旨の条文があり(こっちは出題歴あり。)、国年法と違って、〇分の△といった国庫負担はないことに気付けば⑰以外に選びようはなし。
合格者レベルの方なら得点できる問題。
Bは、令和3年度問7C、平成29年度問4C&24年度問9Dの焼き直し。秒殺。②以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
Cは、過去問多数(厚年法上の受給権保護の例外)。秒殺。一瞬「老齢厚生年金」がないのであれっと思うかもしれませんが、他にも受給権の保護の例外となる保険給付が何だったかを思い出せば済むので、やっぱり秒殺レベル。⑫以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
Dも、過去問多数(遺族厚年の支給要件のうち、元被保険者であった場合のケース)。秒殺。⑭以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。というか、これを失点しているようでは………、という問題。近年の選択式を象徴するような問題と言ってもよさそう。
Eも、過去問多数(当初から3級の障害厚年の受給権者における65歳以上の改定請求)。秒殺。⑨以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
ちなみに、本問の甲は、当初から障害等級3級で、65歳に達した後に障害の程度が増進しているから増額改定はできず、乙は、当初は障害等級2級で、65歳に達した日以後ではあるものの障害の程度が増進したのだから増額改定は可能。受給している年金額は、増額改定の要件には何ら影響しない。
今年の厚年法の選択式は簡単でしたね。3点確保は容易です。
けど、それで甘んじているようでは、合格者レベルには届きません。
未達の場合は論外です。
救済はありません。
国年
小問1がちょっとめんどくさそうですが、どうにかなりそうです。
A~Cは、Cから埋めると、ABが例示だと分かるので、その順で答えを埋めていきましょう。
Cは、令和4年度問7Dの周辺知識。問題文には「納付事務」を行うことができる者を【 C 】というとなっているから、⑫以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
Aは、平成22年度問2Cの焼き直し。秒殺。➂以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
Bは、平成22年度問2Cの周辺知識。どんなところが納付受託者になれるか?の話で整理できていれば解答は容易なのだが、知らないなりに現場思考することで得点は可能。
解答候補は①完全かつ効率的に行う、⑦申請に基づき実施する、⑧適正かつ円滑に行う、⑨適正かつ確実に実施する、の4つ。
➀だと、根こそぎ保険料を無理矢理にでも完納させるような話になるので不適合。
⑦だと、大臣指定と矛盾するので不適合(申請ー受理/申出ー指定の組み合わせなら対応関係がしっくりする。)。
残った⑧⑨の違いは「円滑に」なのか「確実に」なのか。
保険料を納付するという納付事務の話なのだから、「円滑に」だと当たり前すぎて、「確実に」の方が、わざわざ大臣指定を受けてまで納付事務を行うという納付受託者の役割としては適当。なので、⑨を選択。
合格者レベルの方なら得点できる問題。
Dは、「遺族基礎年金の遺族の範囲」で過去問多数。秒殺。②以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
Eは、「死亡一時金の遺族の範囲」で過去問多数。秒殺。⑯以外に選びようはなし。必ず得点しなければならない問題。
国年法はBがやや難といったところですが、それ以外は過去問出題歴のある事柄ばかりでしたので、3点確保は容易です。
ですが、せめて4点取らんとなぁ~。
救済はありません。
選択式の小括
以上で、今年の選択式の検討はおしまいです。
全体的に基本事項が問われつつも、ちょっとひねった出題もありましたね。
令和4年度からの傾向が続いているといってもいいでしょう。
すなわち、誰も知らないような、知識でどうにもならない「びっくり問題」がなくなった代わりに、択一の勉強を入念に準備していれば解けるような基本問題が多くなったのと、事例問題、労基以外の科目での最高裁判例の出題が増えた点です。
しかも、基本を問うているのだから、基準点未達科目を1つでも出せば、例え択一で高得点を出そうとも「さよーならー」となってしまいますし、そもそも箸にも棒にも引っ掛からない受験生の戦意を削ぐという役割もあるのでしょう。
1点の重みが、これまでのギャンブル的要素から、過去問論点知識の確実性と、現場思考力にシフトしてきたと考えていいでしょう。
合格点は、どの科目も救済なしで、総合点は上がるでしょうね。つまり、各科目全部3点どまりだと、総合点で不合格となるってことになるんじゃないでしょうか。
今日はここまで。
明日からは、択一の労基・安衛法の解き筋を書きます。
お知らせ
今週末の土曜日(8月31日)に、オンライン打ち上げを開催します。
本試験のことや、勉強のこと、そのほかのこともしゃべくりあいましょう。
勉強会に参加したことない方のご参加も大歓迎です。
塚野とご縁のあるこれまでの合格者の方もお待ちしております。
時間は、19~21時の2時間を予定(場合によっては2次会もあり。)。
費用はもちろん無料。
各自で飲み物、食べ物をご用意ください。
なお、参加者全員の安心のため、顔出し、本名でのご参加をお願いします。
録画はしません。
通しの参加が無理で、顔出し程度のご参加もOKです。
奮ってご参加ください。
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