みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和7年8月24日)まで、残り184日(26週と2日)です。
あなたが本試験までに勉強につぎ込められる最大時間は何時間ですか?
1日1日を大切に過ごしましょうね。
ただし、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
このブログでは、来年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、マインドセットやスキルセットに関する過去記事は、以下のまとめ記事からご覧ください。
これまでのマインドセット/スキルセット記事のまとめ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「療養の給付」を整理しました。
被保険者資格の確認方法には、電子資格確認以外にどんなものがあるんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「法第63条第3項の厚生労働省令で定める方法は、次の各号に掲げる方法とする。
一 個人番号カードに記録された利用者証明用電子証明書を送信する方法
二 資格確認書を提出し、又は提示する方法
三 処方せんを提出する方法(保険薬局等から療養を受けようとする場合に限る。)
四 保険医療機関等、保険薬局等又は指定訪問看護事業者が、過去に取得した療養又は 指定訪問看護(法第88条第1項に規定する指定訪問看護をいう。以下同じ。)を受けようとする者の被保険者の資格に係る情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。次項において同じ。)を用いて、保険者に対し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、あらかじめ照会を行い、保険者から回答を受けて取得した直近の当該情報を確認する方法(当該者が当該保険医療機関等若しくは保険薬局等から療養(居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護又は居宅における薬学的管理及び指導に限る。)を受けようとする場合又は当該指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けようとする場合であって、当該保険医療機関等、保険薬局等又は指定訪問看護事業者から電子資格確認による確認を受けてから継続的な療養又は指定訪問看護を受けている場合に限る。)
五 その他厚生労働大臣が定める方法」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「保険給付」のうち、「療養に関する保険給付」から、
「一部負担金」(健保法74~75条の2)を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「一部負担金」は8肢(類題含めて12肢。それと選択式が2問。)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「一部負担金」は「8個」の知識でパーフェクトだとまとめました。少し細かい論点も混じっている感じですね。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「70歳以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、療養の給付に係る一部負担金は申請により2割負担となる。」
(平成24年度問1E改)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
このブログでは、5W1Hの疑問形になるように考えることを推奨しています。
………、
「一部負担金割合はどうなっているか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①法第63条第3項の規定により保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該給付につき第76条第2項又は第3項の規定により算定した額に当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。
一 70歳に達する日の属する月以前である場合 100分の30
二 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。) 100分の20
三 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき 100分の30
②①の政令で定めるところにより算定した報酬の額は療養の給付を受ける月の標準報酬月額とし、同号の政令で定める額は28万円とする。
③②の規定は、次の各号のいずれかに該当する者については、適用しない。
一 被保険者及びその被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)について厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円(当該被扶養者がいない者にあっては、383万円)に満たない者
二 被保険者(その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)がいない者であってその被扶養者であった者(法第3条第7項ただし書に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、同項ただし書に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して同項ただし書に該当するものをいう。以下この号において同じ。)がいるものに限る。)及びその被扶養者であった者について前号の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円に満たない者」
ですね。
整理の視点
今日のはおなじみの内容ではあるんですが、例外以後の場面の分岐が面倒くさいのと、被扶養者に対する給付割合との絡みがあって、苦戦している方は多いですね。
過去のドS勉強会では詳細に解説しましたから、参加された方は「お茶の子さいさい」状態になってますよね?
まず①。これは区分に応じた自己負担割合を示したもので、私たちの良く知る内容です。
「当該給付につき第76条第2項又は第3項の規定により算定した額」というのは、療養の給付の額として算定された額のことです。
で、自己負担割合は、
「被保険者が70歳到達月以前であれば3割負担、70歳到達月翌月以後(「後」ではない。)であれば、原則2割負担、例外に該当すれば3割負担。」というのは寝ててもスラスラ言えるようになっていますよね?
次に②。①の70歳到達月の翌月以後の例外に該当するのは、標準報酬月額が28万円以上の場合だよっていう、これも九九レベルで思い出せられる内容です。
問題が③。場合分けが面倒です。
というのも、70歳到達月翌月以後で標準報酬月額が28万円以上の被保険者であったとしても、一定の場合には3割負担ではなく、原則の2割負担になるんですが、被扶養者が絡んでくるとゴチャ~~っとなるんです。
そこんとこ、寝ててもスラスラ言えるようになっていますか?
まず第一号。カッコ書きが邪魔くさいので取っ払うと、こうなります。
「被保険者及びその被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)について厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円(当該被扶養者がいない者にあっては、383万円)に満たない者」
これだけだと分かり易いですね。
要するに、被保険者と被扶養者の収入額の合算額が年収520万円に満たなければ、被保険者がいわゆる現役並み所得者であったとしても、被保険者の自己負担割合は2割になるってことです。
これだけなら、受験生であれば「常識」レベルです。
厄介のはカッコ書きの中身。被扶養者の直後のカッコ書きはこうです。
「その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)」
このカッコ書きは、直前の語の限定の役割を果たすものですから、ここでいう「被扶養者」とは、被扶養者に該当する者の全てを指すのではなく「70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。」ということになります。
つまり、被扶養者がいたとしても、その者が70歳到達月翌月以後のものであるときでなければ、さっきの「被保険者の収入と併せて520万円未満であれば2割負担。」にはならないということになります。
じゃあ、被扶養者はいるんだけど、70歳到達月以前のものだったらどうなるかです。
それがもう1つのカッコ書きの中身です。こうなっています。
「当該被扶養者がいない者にあっては、383万円」
ここでの「当該被扶養者」というのは、前に出てきた「その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)」のことです。
ってことは「当該被扶養者がいない者」っていうのは、そもそも被扶養者がいない者であるだけでなく、被扶養者はいるんだけど、その者が70歳到達月以前である場合も含むことになります。ここ勘違いしている方、多いです。
文字面だけで理解しようとすると混乱しますから、自分で図を描くことをおススメします。
なので、収入が383万円未満であれば2割負担となるのは、単身者か被扶養者はいるんだけど、70歳到達月以前の場合の2通りになります。
次に第二号。こっちもカッコ書きがあることによって難易度が高いですね。それを取っ払うとこうなります。
「被保険者(その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)がいない者であってその被扶養者であった者(法第3条第7項ただし書に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、同項ただし書に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して同項ただし書に該当するものをいう。以下この号において同じ。)がいるものに限る。)及びその被扶養者であった者について前号の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円に満たない者」
こっちは「被保険者」+「被扶養者であった者」の収入の合計が520万円未満であれば2割負担だよってことなんですが「被扶養者であった者」ってのが意味不明ですね。曲者感モリモリですが、カッコ書きの中でしっかりと説明書きがあります。それがこれ。
「その被扶養者であった者(法第3条第7項ただし書に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、同項ただし書に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して同項ただし書に該当するものをいう。以下この号において同じ。)」
一見すると意味不明ですが、ここで思考停止するのが受験生100人中93~94人の方々。
合格者レベルの方は、カッコ書きの役割を確定するところから始めます。ここではカッコ書きの末尾が「~をいう。」となっていますから、カッコ書きの直前の語の説明だと分かります。
なので、ここでいう「被保険者であった者」とは「法第3条第7項ただし書に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、同項ただし書に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して同項ただし書に該当するもの」のことなんだなと分かります。
「法第3条第7項ただし書き」ってのはこれで、
「ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。」
あー、「法第3条第7項ただし書に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者」ってのは、後期高齢者医療制度の被保険者に該当して健保法の適用除外者となったことで被扶養者でなくなった方ってことですね。
続く「同項ただし書に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間」ってのは、75歳到達日の属する月以後5年間を経過する月までの間ってことですね。
最後の「同日以後継続して同項ただし書に該当するもの」ってのは、75歳到達日以後も継続して後期高齢者医療制度の被保険者である場合ってことです。
ってことは、ここでいう「被扶養者であった者」とは、高齢者医療制度の被保険者になったことで被扶養者ではなくなったんだけど、引き続き後期高齢者医療制度の被保険者になって5年を経過する月までの方ってことですね。
要するに、高齢者医療制度の被保険者になって扶養からは外れたんだけど、最初の5年間は「元被扶養者」ってことで、世帯収入の合算対象にするってことですね。
残る「(その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)がいない者であってその被扶養者であった者」の部分が最後の壁でしょうか。
ここは「その被扶養者」に「70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。」という限定語句がついていますから、「70歳到達月の翌月以後に該当する被扶養者がいないんだけれども、かつて被扶養者であった場合には」くらいの意味合いです。
どういうことかというと、被保険者は70歳以上75歳未満で現役並み所得者だとして、配偶者が75歳以上80歳未満で、かつては被扶養者だったっていうケースです。
で、この時には第一号と同じように被保険者と元被扶養者の収入を合算して520万円未満であれば2割負担にしますよってことを言っているわけです。
第一号の場合分けは出題歴がありますが、第二号の方は未出題です。しかも第二号は、テキストを一読しても意味が分かりませんから、じっくりと論理構造を分析的に読み出す必要があります。
けど、いったん「そういうことなのね。」という境地に辿り着けば、後で復元することは簡単です。
そうではなく、なんとな~くにしか意味が取れていない方は、いつまでたっても自己言語化はできないでしょうし、仮に本試験で出題されたときに詰みます。
面倒な論理構造の条文が自力で解読できるようになると、自己効力感が増しますし、初見の長い問題文や最高裁判例が出されても「読めば何とかなるし、自分は読み解くことができる。」という根拠のある自信につながります。
このブログを活用しているあなたも、テキストを読むことはただの眼球運動ではなく、解読(=論理構造が分析できていて、意味内容を自己言語化できること。)だという前提の下、脳みそに汗をかきながら、また手も動かしながら「使える知識」を増やしていますよね(^_-)-☆。
今日のまとめ
今日は、「一部負担金」を整理しました。
また、意味が取りにくい条文は、大抵の場合カッコ書きの役割を解読することでどうにかなるということについてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言、感想や実践して効果があったことなどをいただけると嬉しいです。
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実際に参加した受験さんからは、
「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」
「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
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