みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り36日(5週と1日)です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は「社会保険労務士法」の「監督」を整理しました。
社労士に懲戒事由がある場合の行政手続きの内容は、どのようなものでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「社会保険労務士会又は連合会は、社会保険労務士会の会員について、法第25条の2及び第25条の3に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該会員の氏名及び事業所の所在地並びにその行為又は事実を通知しなければならない。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は「社会保険労務士法」の「社会保険労務士法人」「社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会」「雑則」を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「社会保険労務士法人」は15肢(類題含めて16肢)、
「社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会」は3肢、
「雑則」は4肢(類題含めて5肢)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「社会保険労務士法人」は「11個」の知識(細かい知識が多いですね。)、
「社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会」は「2個」の知識、
「雑則」は「4個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「社会保険労務士法は、『社会保険労務士法人は、総社員の同意によってのみ、定款の変更をすることができる。』と定めており、当該法人が定款にこれとは異なる定款の変更基準を定めた場合には、その定めは無効とされる。」
(平成30年度問5D)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「社労士法人の定款変更について、社労士法上にはどんな定めがあるか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「社会保険労務士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる。」
ですね。
整理の視点
ロジック的には難しくはないので、記憶するのみです。
その前に定款って何のことだかはいいですか?
「法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規約・基本規則そのもの(実質的意義の定款)、およびその内容を紙や電子媒体に記録したもの(形式的意義の定款)のこと。」と定義されますが、要は、法人が社会に向かって発信したルールくらいに思っていればいいでしょう。就業規則が労働者向けに発信している内向きのルールだとすれば、定款は外向きのルールです。
社労士法人も法人ですので、もちろんこの定款が必要になります。
で、今日の論点は、これを変えるときにはどういう規制があるのか?という話です。
結論としては「総社員の同意」によって「変更することができる。」ですから、原則形態は社員の全員一致です。
ですが「定款に別段の定めがある場合を除き、」と断り書きがありますから、例えば定款に「総社員の過半数の決議により変更する。」とかって書いてあれば、そちらを優先するということになります。
なので、問題文中にある「総社員の同意によってのみ、定款の変更をすることができる。』と定めており、」の部分は誤りということになりますし、
「当該法人が定款にこれとは異なる定款の変更基準を定めた場合には、その定めは無効とされる。」の部分も、「定款に別段の定めがある場合を除き、」に反することになりますから誤りとなります。
とはいえ、問題を初見で見たときは「何じゃこりゃ? 知らんがな(*´Д`)。」となりますね。それまでの過去問での出題歴はありませんから。
ただね、見たことも聞いたこともない肢の中には「それって、おかしくない(*´з`)?」っていうものが紛れている場合があります。本肢はまさにそれ。
だってね、定款っていう法人のルールを変えるのに全会一致以外の議決方法が認められず、それ以外のルールを作ったら定款自体が無効になるって話なわけですから、かなり乱暴なことを言っています。
法律という社会のルールを改変する場合には過半数の賛成でよいのだし、憲法という国の根幹をなすルールを変えるのでさえ、国会議員の3分の2以上の賛成&国民の過半数の賛成でよいにもかかわらず、法人にだけ全会一致を求める積極的な理由は見当たりません。
しかも、例えば過半数の賛成で変えられるなんて条項を盛り込もうものなら、無効、すなわち無かったものとされ、作り直しを命ぜられるに等しいわけですから、たまったもんじゃありません。
だとしたら「どうもこの肢は嘘くさい。」と考えるのが妥当でしょう。したがって×寄りの△をつけて、他の肢との相対評価で解答を決めるのが最適でしょう。
実際の平成30年度の択一一般常識問5は、こういうものでした。
「社会保険労務士法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 社会保険労務士法第14条の3に規定する社会保険労務士名簿は、都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会ごとに備えなければならず、その名簿の登録は、都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会ごとに行う。
B 社会保険労務士となる資格を有する者が、社会保険労務士となるために社会保険労務士法第14条の5の規定により登録の申請をした場合、申請を行った日から3月を経過してもなんらの処分がなされない場合には、当該登録を拒否されたものとして、厚生労働大臣に対して審査請求をすることができる。
C 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、重大な非行の事実を確認した時から3月以内に失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分)をしなければならない。
D 社会保険労務士法は、「社会保険労務士法人は、総社員の同意によってのみ、定款の変更をすることができる。」と定めており、当該法人が定款にこれとは異なる定款の変更基準を定めた場合には、その定めは無効とされる。
E 社会保険労務士法第2条の2第1項の規定により社会保険労務士が処理することができる事務について、社会保険労務士法人が、その社員である社会保険労務士に行わせる事務の委託を受ける場合、当該社会保険労務士法人がその社員のうちから補佐人を選任しなければならない。 」
Dが今日の問題で、ACEは過去問論点の焼き直しプラスアルファなんで、確実に誤りと判断しなければなりません(Eの誤りの作り方がいやらしくはあるんですが。)。これらのうちのどれかを解答にした方は過去問の検討が甘いです。他の過去問ベースの始点をちょっとずらした程度の問題でもポロポロと失点しているはずです。
したがって、BDが残ります。しかも両方とも初出。
Bは、〇寄りの△にも×寄りの△にもできません。判断の取っ掛かりが全くありませんから。誤りだとしたら数字のところでしょう。徴収法以外の労働法科目は3か月、社会保険科目は2か月シカトされていたら審査請求が棄却されたものとみなすってのはありますが、この肢は審査請求を無視されたという話ではないので、うかつには取り込めません。なので、中立の△。
Dはさっき見たように突っ込みが入っての×寄りの△ですから、これを解答とすることはできません。
したがって、残ったBを解答にします(これが正解肢)。
どうです? 地雷を巧みにかわしながら、過去問検討を通じて培った基礎&基本知識を元になんとか得点につなげているでしょ?
合格者レベルの方が合格基準に食い込んでいくときの点のもぎ取り方って、こんな感じです。
どれもこれも知識があって、ズバズバ切って行っているわけではないんですよ。
悩ましいところは悩み、思考して合理的な判断の元、解答を決めていくんです。もちろん、ラッキー問題(過去問のズバリ焼き直しで、ほとんどコピペみたいな問題。)はササっと得点はします。絶対に取りこぼしはしません。
これが点数の伸びない方の解き方だと、Bのところで、審査請求棄却の中身に飛びついちゃったりするんです。
Bは、登録を拒否されたものとみなすかの話であり、「異議あり!」と不服申立てをしている場面の話ではありません。それが同じ場面の話に思えるんでしょうね。
白黒はっきりさせたいという思いは分からなくはありませんが、なまじっか知っていることに引き付けて考えるのはいかがなものかと思います。
もちろん、引き合いに出すこと自体はいいのですが、議論の場面の違いに注意を向けないまま判断を下すのは早計だと言えます。
その意味では、最近の本試験問題は、良く練られて作られていると言えるでしょう。
中途半端な知識で臨んでくる受験生の得点機会を奪い、ギリギリのところまで思考して踏みとどまる受験生を合格させようとしているとすら思えます。
その意味では、合格者レベルに食い込むのって、知識の量の過多だけではないんですよ。受け身な学習態度では思考することを避けることになりますから、おススメしないんです。
ですが、このブログを活用されているあなたは、毎日、脳みそにこれでもかってくらい汗をかいて思考を回しているでしょうから、見たことも聞いたこともない問題に出くわしたとしても慌てずに合理的な判断を下すための自分マニュアルを用意していますよね(*^^)v。
今日のまとめ
今日は、「社会保険労務士法」の「社会保険労務士法人」を整理しました。
また、合格者レベルに食い込むのって、知識の量の過多だけではなく、思考することを厭わないことも含むということについてもお伝えしました。
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実際に参加した受験さんからは、
「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」
「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
といった感想をいただいております。
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