みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り56日(8週)です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
昨日は、ドS勉強会があって、社会保険科目の横断を行いました。
みっちり、こってり8時間! 社会保険科目の「ここ本試験で出されたら嫌だな~('Д')。けど、見ないふりはできないよね( ;∀;)。」っていう論点つぶしをしました。
過去問から20肢のセレクトで解くんですが、周辺知識や類似事項の確認も併せてやるんで、実質、倍くらいのボリュームがあります(だから延々やってる。)。
受験生の皆さんの「何が何でも!」という思いが伝わってくるので、僕も力が入ります。
終わった後のビールがうまいこと( `ー´)ノ
いつものように、終了後に自分と参加者の健闘を称える1枚です。
次回は、いよいよ最終回。全科目を一気に解きます。
それまでにスラスラ解けるようになる問題をジャンジャン増やしておいてくださいね。
山アテ的なことはしませんが、結構、勉強会で整理したことが本試験にでるんですよね~。
まだの方は、力試しにご参加ください。
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は「労働契約法」の「総則」を整理しました。
労働契約法における使用者とはどういうものでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「労働契約法」から「労働契約の成立及び変更」(労契法第6条~第13条)を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「労働契約法」の「労働契約の成立及び変更」は16肢、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「労働契約法」の「労働契約の成立及び変更」は「10個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「使用者は、労働者との合意がなければ労働者の不利益に労働条件を変更することはできないが、事業場の労働者の過半数を代表する労働組合の意見を聴いて就業規則を変更する場合には、労働条件を労働者の不利益に変更することができる。」
(平成22年度問5B)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「どんなときに労働条件の不利益変更ができるか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、②の場合は、この限りでない。
②使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、法第12条に該当する場合を除き、この限りでない。」
ですね。
整理の視点
昨日とは打って変わって、ロジックが少し面倒ですね。
まず①。これは本文とただし書きによる「原則・例外パターン」ですね。
原則は「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」こと。
書いてある通りです。
①の条文の前にある労契法第8条にはこう定めがあって、
「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」
労働条件の変更をするには労使の合意が必要という考えがあります。これがあることで、①の原則が活きてきますね。就業規則っていう使用者がほぼ一方的に定めることができるルールの改変によって、個別の労働契約の不利益変更をしたらあきませんよってことです。
ところが、これには重大な例外があって、
「ただし、②の場合は、この限りでない。」訳ですから、②の場合であるならば、就業規則の変更によって、労使の合意がなくても就業規則の変更により、個別の労働条件の不利益変更ができるってことです。
この辺のロジックって、労基法の就業規則の法的性質のところで出てきた「秋北バス事件」の最高裁判例のロジックを踏襲したものなのはいいですね。
で、どんな場合に就業規則の変更により、個別の労働条件の不利益変更ができるのかっていうと、
「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、」
「変更後の就業規則を労働者に周知させ、」
かつ
「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、」
「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」
ってことなんですが、
まず、ここでいう「就業規則の変更」ってのは、既存の条項の改廃にとどまらずに新設も含むんでした。
次の「変更後の就業規則を労働者に周知させ、」ってのは、労基法で出てくる「周知」と同じですね。
で「かつ」で結ばれていますから、この周知をするだけでなく次の条件も併せていないといけないってことですね。それが
「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、」
「その他の」というのが出てきますから「労働者の受ける不利益の程度」「労働条件の変更の必要性」「変更後の就業規則の内容の相当性」「労働組合等との交渉の状況」ってのはいずれも「就業規則の変更に係る事情」の例示ですね。要件ではありませんよ。とはいえ、実際の合理性判断における重要な要素であることには変わりありませんね。
ここで言わんとしているのは、就業規則の変更が合理的なものであったらOKだよってことです。
なお、その合理性の立証責任(=合理的であるということを証明しなければならない立場。)は使用者側が負うんでした。
立証責任って用語は社労士の試験範囲を超えるような気もしますが、紛争当事者のどっちが負うんだということが問われた場合には、それを証明することによって利益を得る側なんだということは、知っておいてもいいかもしれません(労基法で役に立つかも。)。
結論の「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」はいいですね。上記の条件を満たしたのであれば、就業規則の変更によって、個別の労働条件の不利益変更ができるよってことです。
なお、ここでも
「ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、法第12条に該当する場合を除き、この限りでない。」とあって、事前の労働契約で就業規則の変更によっても変えられないとしたものがあるならば、法第12条による場合以外は就業規則の変更によっても変えられないよってことです。
ちなみに法第12条ってのはこれ。
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」
たとえ労使で合意してたといっても、労働契約の方が就業規則よりも下回る条件であるときは、その合意よりも就業規則を優先するよってことですね。
これらのことに基づいて、今日の1問を検討すると、
前半の「使用者は、労働者との合意がなければ労働者の不利益に労働条件を変更することはできないが、」の部分は、①の原則パターンそのものなので、ここまでは正しい。
ところが後半の「事業場の労働者の過半数を代表する労働組合の意見を聴いて就業規則を変更する場合には、労働条件を労働者の不利益に変更することができる。」の部分では、何の縛りもない状態での就業規則の変更をした場合であったとしても、就業規則の変更によって、労働者の個別の同意がなくても労働条件の不利益変更ができるとなっていますね。
これって「変更後の就業規則を労働者に周知させ、」てもいないし「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、」という条件も満たしていません。
したがって、①の例外パターンには当てはまらないですから、この場合の不利益変更は抱きないということになり、誤りとなりますね。
「原則・例外パターン」の思考の枠組みなんで、簡単そうではあるんですが、例外の話が外付けになっているんで、そこがちょっと面倒なんでした。
あとは、ご自身で「原則・例外パターン」の思考の枠組みに沿って、情報をコンパクトにしておきましょう。
もうこの時期ですから、とっくに済んでいるとは思いますが。
今日のまとめ
今日は、「労働契約法」の「労働契約の成立及び変更」を整理しました。
また、思考の枠組みに沿って情報を加工すると思い出しやすく使えるものになるということについてもお伝えしました。
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「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
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