みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り85日(12週と1日)です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「障害の程度が変わった場合の年金額の改定」を整理しました。
障害厚生年金の受給権者が更に障害厚生年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害厚生年金が同一の傷病について労働基準法第77条の規定による障害補償を受ける権利を取得したときの扱いはどうなるんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「障害厚生年金の受給権者が更に障害厚生年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害厚生年金が第54条第1項の規定によりその支給を停止すべきものであるときは、第48条条第2項の規定にかかわらず、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害厚生年金を支給する。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「遺族厚生年金」の「受給要件」から、
「受給要件」(厚年法58条)を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「受給要件」は、小見出しで「短期要件の遺族厚生年金」「長期要件の遺族厚生年金」「保険料納付要件」「保険料納付要件の特例」とに枝分かれしていて、
「短期要件の遺族厚生年金」が7肢(類題含めて12肢)、
「長期要件の遺族厚生年金」が4肢(類題含めて5肢)、
「保険料納付要件の特例」が2肢(類題含めて3肢)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「短期要件の遺族厚生年金」は「2個」の知識(なぜか年金の支給期間の論点が1つ混じってますが…。)、
「長期要件の遺族厚生年金」は「4個」の知識、
「保険料納付要件」は「1個」の知識、
「保険料納付要件の特例」 は「1個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「63歳の厚生年金保険の被保険者が令和4年4月に死亡した場合であって、死亡日の前日において、その者について国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2未満であり、保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年に満たないが、60歳から継続して厚生年金保険の被保険者であった場合、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。」
(平成28年度問3オ改)
この問題、問われている知識は何でしょう?
論点3つありますよ。
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「遺族厚生年金の支給要件(保険料納付要件以外)はどのようなものか?」と、
「遺族厚生年金における保険料納付済要件の内容はどのようなものか?」と、
「遺族厚生年金における保険料納付要件の特例の内容はどのようなものか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識①
遺族厚生年金の支給要件(保険料納付要件以外)は、
「遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。(略)
一 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
二 被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。
三 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
四 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。」
ですね。
整理の視点①
はい、もーね、このブログではおなじみ過ぎの論点ですね。
遺族基礎年金の支給要件と併せて、もう既にスラスラと言えるようになっていますよね。
また、本試験で出題されたとしたら、サービス問題ですよね。
本肢に即していえば「63歳の厚生年金保険の被保険者が令和4年4月に死亡した場合であって、」の部分から、第1号の被保険者の死亡に該当しますよね。
そもそも第1~4号のいずれにも該当しなければ、以下の保険料納付要件を検討するまでもなく、遺族厚年の支給要件を満たさないとなって検討が終わりますから、対象者に該当するかの検討が真っ先に行われなければなりません。
知識を思い出す順番が整理されていると、こうした事例問題なんて時間をかけずに解けますし、得点源にもなります。
2巡目以降の過去問解きは、データベースの再現スピードや正確性の確認のみならず、問題を解くときの思考過程などもチェックすることが必要です。
もちろん、やっていますよね?
本試験に持っていく論点知識②
遺族厚生年金における保険料納付済要件の内容は、
「ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 一 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
二 被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。」
ですね。
整理の視点②
これもおなじみですね。このブログでも、障害基礎&遺族基礎や、障害厚年のところでチラホラ出てきていましたね。
障害と遺族の違いは「初診日」のところが「死亡日」に置き換わっているだけで、ロジックはともに同じです。
だとすると、ここでのポイントはどこになるかはいいですね。
はい、思い出して!
………、
①死亡日の前日において、
②死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、
③かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。
ですね。
なぜ、このような言い回しになるのかはもう説明要らずでしょう。
なお、②のフレーズで「国民年金の」ってのは見落としがちですね。厚年の話なのに国年が出てくるというへんてこさです。
また、冒頭の「第1号又は第2号に該当する場合にあつては、」というのも地味に重要でした。
4つある支給要件のうち、短期要件と呼ばれるもののうちの2つだけで保険料納付要件が問われるんでした。
3つ目の短期要件である、1・2級の障害厚年の受給権者の死亡と、長期要件である老齢厚年の受給権者&受給資格者(ともに25年の受給資格期間を満たす必要アリ。ただし、短縮特例あり。)の死亡の場合には保険料納付要件が問われないってことですね。
この点も、事例問題を解くときに問題文から拾わなくてはならない情報なので、記憶の対象です。
本肢でも「63歳の厚生年金保険の被保険者が令和4年4月に死亡した場合であって、」「保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年に満たないが、」の部分から、保険料納付要件が問われるんだなということが分かります。
ちなみに、遺族基礎年金で保険料納付要件が問われるのって、どんなときでしたっけ?
はい、思い出して! テキストはすぐ見ない(ー_ー)!!
………
①被保険者が死亡したとき
②被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。
でしたね。
他の遺族基礎年金の支給要件と併せて、スラスラと思い出せられるようになっていますよね?
本試験に持っていく論点知識③
遺族厚生年金における保険料納付済要件の特例の内容は、
「令和8年4月1日前に死亡した者の死亡について②の規定を適用する場合においては、同項ただし書中「3分の2に満たないとき」とあるのは、「3分の2に満たないとき(当該死亡日の前日において当該死亡日の属する月の前々月までの1年間(当該死亡日において国民年金の被保険者でなかつた者については、当該死亡日の属する月の前々月以前における直近の国民年金の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間がないときを除く。)」とする。ただし、当該死亡に係る者が当該死亡日において65歳以上であるときは、この限りでない。」
ですね。
整理の視点③
これもおなじみの内容ですね。
読み替え後の条文としては、こんな感じでしょうか。
「ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあつては、令和8年4月1日前に死亡した者(当該死亡に係る者が当該死亡日において65歳以上である者は除く。)の死亡について、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないとき(当該死亡日の前日において当該死亡日の属する月の前々月までの1年間(当該死亡日において国民年金の被保険者でなかつた者については、当該死亡日の属する月の前々月以前における直近の国民年金の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間がないときを除く。)は、この限りでない。 一 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
二 被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。」
要は、みなさんご存じのように、死亡日が令和8年4月1日前であって、その時65歳未満の者であれば、特例の適用があり、この場合、死亡日の前々月から直近の1年間に未納期間がなければ、保険料納付要件を満たしますよって話です。
なお、カッコ書きの「当該死亡日において国民年金の被保険者でなかつた者」の場合については本試験未出題ですが、周辺知識として記憶しておきましょう。
要は、死亡日に国年の被保険者でなかった場合には、死亡日の前々月よりも前にあった直近の1年間で判断しますよってことです。
例えば、60歳で厚年の適用事業所を定年退職し、任意加入もせず、再雇用などもされていなければ、国年の被保険者にはなりませんね。
この方が、被保険者であつた59歳の時に初診日がある傷病により63歳で亡くなったとき、死亡日の属する月の前々月には国年の被保険者期間はありません。
この場合は、60歳の時まで遡って直近の1年間についてみるよってことです。すなわち、59~60歳までの第2号被保険者期間に着目するよってことです。
で、本問についての保険料納付要件のあてはめは、
「死亡日の前日において、その者について国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2未満であり、」の部分から、論点知識②の本来の保険料納付要件を満たしていません。
しかし、令和4年4月に63歳で死亡しいるため、特例の対象には該当し、「60歳から継続して厚生年金保険の被保険者であった場合、」とあるので、死亡日の直近の1年間の国年第2号被保険者としての保険料納付済期間があることになります。したがって、特例による保険料納付要件を満たしますね。
ゆえに、対象者の要件OK、保険料納付要件が問われ、それもOKなんで、遺族には遺族厚生年金の受給権が発生する。したがって正しいと結論付けられます。
ね、簡単でしょ?
事例問題が時間がかかるというのは、要件の記憶の正確さが怪しかったり、思い出すスピードが遅かったり、あてはめの訓練不足だったりが原因です。
あてはめという別の脳作業分、時間がかかるというのは分かりますが、残りの期間の課題として取り組んでみてはいかがでしょう。
問題を解く全体のスピードアップにもつながって、時間不足の恐怖から逃れることができるようになりますよ。
どっちみち、実務に就いたら、事例問題のオンパレードになるわけですから、受かった後の脳トレだと思ってやってみてもいいんじゃないでしょうか。
今日のまとめ
今日は、「(遺族厚生年金の)保険料納付要件の特例」を整理しました。
また、事例問題を解く訓練をすることで、時短につながるということについてもお伝えしました。
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知識ではどうにもならない問題の解き方に重心を置いた勉強会ですので、予備校の講義や市販本にあるような「予想問題を解いてびっくり問題が出たとしても対応する。」といったものではなく、テクニックを学びたい方にはお勧めです。
実際に参加した受験さんからは、
「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」
「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
といった感想をいただいております。
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