みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り103日(14週と5日)です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「高齢任意加入被保険者」を整理しました。
高齢任意加入被保険者に関する規定について、厚年被保険者の種別による扱いが異なるのはどんなときでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主については、法附則4条の3第3項及び第6項から第8項までの規定は、適用しない。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「被保険者」の「被保険者」から、
「適用除外」(厚年法12条)を整理します。
「第四種被保険者・船舶任意継続被保険者」は飛ばします。平成15年度以来出題がありませんし、該当者はいないでしょうから。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「適用除外」は16肢(類題含めて18肢)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「適用除外」は「9個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
ただし、2個は超細かい話で、再出題の可能性は極めて低いので、実質7個です。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならない。」
(令和2年度問7ウ)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者が被保険者となるのはどんなときか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①当分の間、特定適用事業所以外の適用事業所(厚生年金保険法第6条の適用事業所をいう。以下この条及び附則第17条の3において同じ。)(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。以下この条において同じ。)に使用される第1号又は第2号に掲げる者であって同法第12条各号のいずれにも該当しないもの(前条の規定により同法第12条(第5号に係る部分に限る。)の規定が適用されない者を除く。以下この条及び附則第17条の3において「特定4分の3未満短時間労働者」という。)については、同法第9条及び附則第4条の3第1項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。
一 その1週間の所定労働時間が同一の事業所又は事務所(以下単に「事業所」という。)に使用される通常の労働者(厚生年金保険法第12条第5号に規定する通常の労働者をいう。次号において同じ。)の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者(同条第5号に規定する短時間労働者をいう。次号において同じ。)
二 その1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者
②特定適用事業所(第2項本文の規定により第1項の規定が適用されない特定4分の3未満短時間労働者を使用する適用事業所を含む。)以外の適用事業所の事業主は、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める同意を得て、実施機関に当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者について同項の規定の適用を受けない旨の申出をすることができる。
一 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者、70歳以上の使用される者及び特定4分の3未満短時間労働者(次号及び附則第46条第5項において「2分の1以上同意対象者」という。)の過半数で組織する労働組合があるとき当該労働組合の同意
二 前号に規定する労働組合がないときイ又はロに掲げる同意
イ 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の過半数を代表する者の同意
ロ 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の2分の1以上の同意」
ですね。
整理の視点
久しぶりに骨のある論点知識が出てきましたね。
この論点のめんどくささの理由は3つあります。
1つ目は「特定」なんちゃらってのが2つもあること。
2つ目はカッコ書きが多いこと。
3つ目は「適用しない。」ってのが何のこっちゃ?となりやすいことです。
とはいえ、1つ目のめんどくささは用語の定義の話なので、読むとき、思い出す時に「この用語の意味はこうで。」と脳内変換をすれば済みますし、
2つ目の方は、いつものようにカッコ書き抜きの基本形を知った後に戻してやるということをすればなんてことはありません。
3つ目のは、結局どういうことになるんだという脳内変換をしてやれば済みます。
では、やっつけていきましょう。
まず①。カッコ書きを取っ払うと、
「当分の間、特定適用事業所以外の適用事業所(厚生年金保険法第6条の適用事業所をいう。以下この条及び附則第17条の3において同じ。)(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。以下この条において同じ。)に使用される第1号又は第2号に掲げる者であって同法第12条各号のいずれにも該当しないもの(前条の規定により同法第12条(第5号に係る部分に限る。)の規定が適用されない者を除く。以下この条及び附則第17条の3において「特定4分の3未満短時間労働者」という。)については、同法第9条及び附則第4条の3第1項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。(以下略)」となって、とってもスッキリしましたね。
初っ端の「特定適用事業所」ってのは、
「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所であって、当該1又は2以上の適用事業所に使用される特定労働者(70歳未満の者のうち、厚生年金保険法第12条各号のいずれにも該当しないものであって、特定4分の3未満短時間労働者以外のものをいう。附則第46条第12項において同じ。)の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所をいう。」のことで、
要は、事業主が同一の単独企業または複数の企業の正規雇用者が、常時500人超の個々の企業のことですね。
「特定4分の3未満短時間労働者」ってのが出てきますが、ここではざっくりと非正規雇用者と思っていてください。
次に出てくる「第12条各号」ってのは適用除外者の話。「第9条」ってのは当然被保険者の話。「附則第4条の3第1項」ってのは適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の話。
したがって、当分の間は、特定事業所以外の適用事業所に使用されるものであって、(次にみるもののいずれかに該当し、)適用除外者でないものは被保険者とならないってことですね。
で、省略した「第1号又は第2号に掲げる者」ってのはこれで、
「一 その1週間の所定労働時間が同一の事業所又は事務所(以下単に「事業所」という。)に使用される通常の労働者(厚生年金保険法第12条第5号に規定する通常の労働者をいう。次号において同じ。)の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者(同条第5号に規定する短時間労働者をいう。次号において同じ。)
二 その1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者」
第1号は、週の所定労働時間が通常の労働者(≒正規雇用者)の4分の3未満である短時間労働者、
第2号は、月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満である短時間労働者のことですね。
これらの者は「特定4分の3未満短時間労働者」と呼ばれます。
つまり、当分の間は、特定事業所以外の適用事業所に使用されるものであって、週の所定労働時間又は月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満であって、適用除外者でないものは被保険者とならないってことになりますね。
残っている取っ払ったカッコ書きを戻していくと、
「厚生年金保険法第6条の適用事業所をいう。」というのは、直前の「特定適用事業所以外の適用事業所」の説明ですね。「以下~同じ。」の部分は無視しても意味は変わりません。
「国又は地方公共団体の適用事業所を除く。」のは、適用事業所の中でもこれらのものは除かれるってことですから、公務員には当てはまらないよってことですね。
これらを意図的に無視したとしても、大雑把な意味としてはあまり変わらないので、①については、
「当分の間、特定事業所以外の適用事業所(=事業主が同一の単独企業または複数の企業の正規雇用者が、常時500人以下の個々の企業)に使用されるものであって、特定4分の3未満短時間労働者(=週の所定労働時間又は月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満であって、適用除外者でないもの。)は(適用除外者ではないんだけれど、)被保険者とならない。」ってところでしょうか。
骨組みの構造が理解できていて、枝葉についてくる言葉の意味が分かれば、料理しやすくなりますね。
なお、この知識に照らし合わせると、問題文の前半の「特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、」ってのは、被保険者にならない人たちねってことが分かります。
②もめんどくさいですね。まだ①よりはマシかな。
まずカッコ書きを取っ払うと、
「特定適用事業所(第2項本文の規定により第1項の規定が適用されない特定4分の3未満短時間労働者を使用する適用事業所を含む。)以外の適用事業所の事業主は、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める同意を得て、実施機関に当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者について同項の規定の適用を受けない旨の申出をすることができる。(以下略)」ですね。
文末の「同項の規定の適用を受けない旨の申出」が何のこっちゃ?ですが、
要は、特定適用事業所以外の適用事業所の事業主は、(とりあえず省略した)場合分けの条件を満たすことで、特定4分の3未満短時間労働者について、平成24年法附則第17条1項の規定の適用を受けない旨の申出ができるってことです。
何のこっちゃ?の部分はとりあえず無視するとして、ある条件を満たすことで、何らかの申出ができるってことですね。
で、そのある条件ってのがこれで(「次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める同意を得て、」でいうところの各号の内容。)、
「一 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者、70歳以上の使用される者及び特定4分の3未満短時間労働者(次号及び附則第46条第5項において「2分の1以上同意対象者」という。)の過半数で組織する労働組合があるとき 当該労働組合の同意
二 前号に規定する労働組合がないときイ又はロに掲げる同意
イ 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の過半数を代表する者の同意
ロ 当該事業主の1又は2以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の2分の1以上の同意」
要は、事業所で使用される労働者の2分の1以上の同意を得ればってことなんですが、場合分けがされていますね。
第1号では、過半数労働組合があれば、そこの同意でOKってことなんですが、厚年の被保険者のみならず、70歳以上の使用される者や特定4分の3未満短時間労働者も分母に含めた過半数労組でなくてはならないってのがミソですね。
カッコ書きの中は、同意を得ないといけない労働者の範囲の用語の定義ですから、そんなもんかで十分でしょう。
第2号では、第1号の過半数労組がない場合の話で、さらに場合分けがあって、イは、同意対象労働者の過半数代表の同意、ロは、同意対象労働者の実際の2分の1以上の同意のどちらかで代替するってことですね。
ほー、代表者は過半数代表で、労働者全体から同意を取り付けるときには2分の1以上ですか。細かいね。
で、これらいずれかの同意があった場合には、特定4分の3未満短時間労働者について、平成24年法附則第17条1項の規定の適用を受けない旨の申出ができるってことなんですが、じゃ、その規定っては、論点知識①の条文です。
ここで「論点知識①の条文の適用を受けない/受ける」ってのはどういうことでしょう?
一番最初にカッコ書きを取っ払った条文(=論点知識①の条文)はこうでしたね。
「当分の間、特定適用事業所以外の適用事業所(厚生年金保険法第6条の適用事業所をいう。以下この条及び附則第17条の3において同じ。)(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。以下この条において同じ。)に使用される第1号又は第2号に掲げる者であって同法第12条各号のいずれにも該当しないもの(前条の規定により同法第12条(第5号に係る部分に限る。)の規定が適用されない者を除く。以下この条及び附則第17条の3において「特定4分の3未満短時間労働者」という。)については、同法第9条及び附則第4条の3第1項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。(以下略)」
つまり、特定事業所以外の適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は被保険者としないってことでしたね。
じゃあ、これを「適用しない」だとどうなりますか?
はい、考えて! 頭の体操(^^♪
………、
「被保険者としない」を適用しないんだから「被保険者とする」ですね。
逆に「適用する」だと、「被保険者としない」を適用するんだから「被保険者としない」ですね。
ってことは、過半数労組等の同意があった場合には、特定適用事業所以外の適用事業所であったとしても、特定4分の3未満短時間労働者を被保険者にできるってことです。
したがって、問題文の後半は正しいということになりますね。
これってね、任意適用事業所が任意適用を受ける場合の考え方と一緒なんですよ。
あの場合って、認可を受けるときって、適用除外者を除いた労働者の2分の1以上の同意って要りましたよね。
特定適用事業所以外の適用事業所って、論点知識①でみたように、原則として特定4分の3未満短時間労働者って、被保険者にしませんでしたよね。けど、過半数労組等の同意があれば、これらの者を被保険者とする(「法附則第1項を適用しない。」)というロジックって、実は同じなんです。
同様に、任意適用の取り消し時には、被保険者の4分の3以上の同意が要りましたが、特定適用事業所が人数減少により特定適用事業所に該当しなくなったことで、特定4分の3未満短時間労働者を被保険者でなくするときや、特定適用事業所以外の事業所で特定4分の3未満短時間労働者を被保険者にしていた場合に、それを辞める場合では、やはり4分の3以上の同意が要るって造りになっています。
条文の表現や、テキストの書き方が「第1項の規定の適用を受ける/受けない」となっているので、「あ”~~('Д')」ってなりますが、本来被保険者にしなくてもいい者を被保険者にするんだったら「任意適用」とパラレル。被保険者となっている者の資格を失わせるんだったら「任意適用の取り消し」とパラレルという考えでいれば、概略はつかめます。
とはいえ、この部分だけを覚え込もうなんてことをすると、バックグラウンドのないただの暗記になってしまいますから、おススメしません。
条文の論理構造がどうなっているかを一度はご自身で取ってやり、その後「あ~、結局はこういうことか。」と自分自身に腹落ちさせた方ががぜん過去問が解けるようにもなりますし、記憶にも定着しますよ。
なので、長々と僕の思考過程を書いたんです。
くれぐれもこの記事を読んだだけで理解ができ、記憶に残ったなどと勘違いなさらないでくださいね。
今日のような脳みその汗のかき方ができる方は、残り100日余りの限られた時間の中で、どんどん悩ましいところや論理構造が難しくて「?」となりがちなとことでも自力でどんどん解決できて、合格が夢ではなくなっていきます。
このブログを活用されているあなたは、やっているし、できるようにもなってきていますね?
今日のまとめ
今日は、「適用除外」を整理しました。
また、ロジックがややこしいところこそ、脳みその鍛えがいがあり、それを制するものが合格に近づくということについてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言いただけると嬉しいです。
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