みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
tomineryomaさん、読者登録ありがとうございます。
中だるみしやすいこの時期ですが、残りちょうど7か月間、コツコツと地力をつけていきましょうね!
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り212日(30週と2日)です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は「確定保険料の額と申告・納付」を整理しました。
確定保険料とはどういうものでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「①毎保険年度の末日又は保険関係が消滅した日までに、使用した労働者に支払うことが確定した賃金総額(保険年度内に現実に支払われていないものも含まれる。)に、保険料率を乗じて算定する保険料。
②労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し翌年度の当初に確定申告の上精算することになっており、事業主は、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付する。 これを、「年度更新」という。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「保険料の申告と納付」のうち「確定保険料」から、
「確定保険料の納付先・還付・充当」(徴収法19条6項等)を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「確定保険料の納付先・還付・充当」は10肢(類題含めて12肢)載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「確定保険料の納付先・還付・充当」は「5個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「事業主による超過額の還付の請求がない場合であって、当該事業主から徴収すべき次の保険年度の概算保険料その他未納の労働保険料等があるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該超過額を当該概算保険料等に充当することができるが、この場合、当該事業主による充当についての承認及び当該事業主への充当後の通知は要しない。」
(平成29年度問4イ)
この問題、問われている知識は何でしょう?
論点2つありますよ。
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「どんなときに確定保険料の充当が行われるか?」と、
「充当がなされる場合の手続はどのようなものか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識①
どんなときに充当が行われるかは、
「①事業主が納付した労働保険料の額が、法第19条第1項又は第2項の労働保険料の額(第4項の規定により政府が労働保険料の額を決定した場合には、その決定した額。以下「確定保険料の額」という。)をこえる場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。
②則第36条第2項の請求がない場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、前条第1項の超過額又は法第20条第3項の差額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律第35条第1項の規定により労災保険適用事業主(同項の労災保険適用事業主をいう。)から徴収する一般拠出金をいう。以下同じ。)その他同法第38条第1項の規定により準用する法の規定による徴収金に充当するものとする。」
ですね。
整理の視点①
今日のは、論理的読解力と思考力の訓練にはもってこいです。
ゆっくり、一歩ずつ進む感じで読み進めてください。
おなじみの論点ですね。
①のポイントは2つ。
1つ目は「事業主が納付した労働保険料の額が、法第19条第1項又は第2項の労働保険料の額(第4項の規定により政府が労働保険料の額を決定した場合には、その決定した額。以下「確定保険料の額」という。)をこえる場合」であること。
これが還付の要件ですね。
まず、カッコ書きをすっ飛ばすと「事業主が納付した労働保険料の額が、法第19条第1項又は第2項の労働保険料の額をこえる場合」となりますから、
既に納付済みの労働保険料の額について、一括有期を含む継続事業の場合と有期事業の確定保険料の額を超えているってことです。
すっ飛ばしたカッコ書きの「第4項の規定により政府が労働保険料の額を決定した場合には、その決定した額。」ってのは、認定決定された確定保険料の額ってことです。
つまり、認定決定されたものも含めて(「以下『確定保険料の額』という。」と用語の意味を確定させていますね。)、(概算保険料の額)>(確定保険料の額)であるときには還付の要件を満たしますよってことです。
「こえる」ですから「≧」ではなく「>」ですね。数式化すると「以上・超える」「以下・未満」の区別がつきやすいですね。
2つ目は、要件ではありませんが、「政府は、厚生労働省令で定めるところにより、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。」です。(概算保険料の額)>(確定保険料の額)になったときにどうすんの?って話です。
「政府は、厚生労働省令で定めるところにより、」はテンプレフレーズなんでいいでしょう。省令に委任規定がありますよってことだけです。
大事なのはその続きで「そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。」の箇所です。
「若しくは」「又は」とありますから、論理関係を読み取ってやると、選択式の訓練にもなります。
過去記事でも何回か書きましたが、「若しくは」「又は」は、英語でいうところの「or」です。
ただし、使い方には決まりがあって、小さい選択には「若しくは」、大きい選択には「又は」を使うんでした。
つまり、「A若しくはB,又はC」となっている場合には、AとBが同じカテゴリーで、ABグループとCグループが選択的関係になるんでした。
「(A)or(B)、OR(C)」と書いてもいいかもしれません。
これを基に読んでいくと、
「その超える額を」
「次の年度の労働保険料」or「未納の労働保険料」や「その他この法律の規定による徴収金」
「に充当し」
OR
「還付する」
って論理関係になります。
つまり、(概算保険料額)>(確定保険料額)の超過分を充当するか還付するんだけれども、充当する場合には「次の年度の労働保険料」か「未納の労働保険料」や「その他この法律の規定による徴収金(=追徴金や延滞金のこと)」のいずれかに充てるよってことです。
ってことは、保険料の超過があったからといって、充当するのか還付するのかは法律本則では特に決まっていないんだということになりますね。
じゃあ、どっちになるのよ?ってのが、次の②の話です。
おー、スンナリつながった(*'▽')。
②もポイントは2つ。
1つ目は「則第36条第2項の請求がない場合」であること。
ここでの請求ってのは、事業主からの還付請求のことです。なので「事業主からの還付請求がない場合」と読み替えられますね。
ポイントの2つ目は「所轄都道府県労働局歳入徴収官は、前条第1項の超過額又は法第20条第3項の差額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律第35条第1項の規定により労災保険適用事業主(同項の労災保険適用事業主をいう。)から徴収する一般拠出金をいう。以下同じ。)その他同法第38条第1項の規定により準用する法の規定による徴収金に充当するものとする。」こと。
あ”~、長いは、条文の引用はあるは、カッコ書きがあるわでめんどっちいですね( ;∀;)。
まず、カッコ書きは「一般拠出金」の用語説明のためのカッコ書き(「~という。」と書いてあるから。)ですから無視しましょう。
そうすると、
「所轄都道府県労働局歳入徴収官は、前条第1項の超過額又は法第20条第3項の差額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金その他同法第38条第1項の規定により準用する法の規定による徴収金に充当するものとする。」となって、少しは見やすくなりました。
またもや「若しくは」「又は」が出てきたんで、さっきと同じように論理関係をとっていくと、
「所轄都道府県労働局歳入徴収官は、」(主語ですね。)
「前条第1項の超過額(「概算保険料額」>「確定保険料額」のこと)or「法第20条第3項の差額(有期メリット制による保険料額の引き下げ分のこと)」(ここでは「又は」のみ使われているので小文字で書きました。)を
「次の保険年度の概算保険料」or「未納の労働保険料」や「その他法の規定による徴収金」
OR
「未納の一般拠出金」や「その他同法第38条第1項の規定により準用する法の規定による徴収金」に
「充当する」
という論理関係になりますね。
ふぅ~(*´з`)。こうしたロジックを読み取ることができれば、選択式で、語群をグルーピングした後に文章の論理関係から解答を得ることができる場合があります。頭の体操(論理パズル)にはもってこいですね。
で、結局②で言いたいことは、事業主からの還付請求がなかったら自動的に充当しますよってことです。
保険料の超過分を宙ぶらりんにせず、機械的に処理していこうという、徴収法の合理性がここでも発揮されていますね。
本試験に持っていく論点知識②
充当がなされる場合の手続は、
「所轄都道府県労働局歳入徴収官は、論点知識①の②の規定により、次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金その他石綿による健康被害の救済に関する法律第38条第1項の規定により準用する法の規定による徴収金に充当したときは、その旨を事業主に通知しなければならない。」
ですね。
整理の視点②
何やら「若しくは」「又は」「その他」がぞろぞろ出てきてめんどくさそうですが、論点知識①の焼き直しのような条文ですね。
まず、骨格としては、
「所轄都道府県労働局歳入徴収官は、~に充当したときは、その旨を事業主に通知しなければならない。」ってことです。
「~に充当したときは、」のところの「~」がめんどっちいだけです。
要は、事業主からの還付請求がなくて、機械的に充当したときは、その旨を事業主さんにお知らせしてねってことです。
そりゃそうだ。
事業主のお金をいずれ納めなくてはならないものに対してではあるけれど、お伺いを立てることなく充当しちゃってるわけですから、何の音沙汰もないってのはおかしな話です。
で、以上のことをまとめると、
・「概算保険料額」>「確定保険料額」の時には充当か還付を行う。
・事業主からの還付請求があれば還付するが、そうでなければ充当する。
・充当したときには事業主にお知らせをする。
といったところでしょうか。
かなり素の条文をこねくり回しましたが、頭の体操になりましたよね?
こうした条文の読み方ができるようになると、社会保険科目の保険料の論点知識や年金科目の改定率あたりの「クッソ意味が分からなくて、自棄の丸暗記事項」が面白いほど抵抗少なく理解でき、苦しい丸暗記から解放されます。
もちろん、読む技術ですから、今までやっていなかったことやできなかったことに挑むことになります。
それを厭わずにするのか、やらずに苦しい割には記憶に残らない自棄の丸暗記をするかは、あなた次第です。
けどね、合格して実務に就いたときにこうした文章が読めないと苦労しますよ。よそ様にも説明できないし。
実際のやり方は、ドS勉強会や個別特訓でお伝えしています。
塚野的にはこうした技術は一生もんだから、身に付けておいた方がいいと思いますよ。
今日のまとめ
今日は、「確定保険料の納付先・還付・充当」を整理しました。
また、論理関係を読み取れる技術を身に付けた方が記憶が定着しやすいし、未知の問題にも対応できるようになるということもお伝えしました。
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実際に参加した受験さんからは、
「用語の大切さを改めて感じました。択一で、しっかりと用語を確認して、学んでいれば、選択問題にも応用ができることもわかりました。」
「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
といった感想をいただいております。
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