みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
来年の本試験(令和4年8月28日)まで、残り304日(43週と3日)と、
今年の合格発表まで残り1日です。
いよいよ明日が「運命の日」ですね。僕もドキドキそわそわしてきました。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
再始動された方は、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
まだの方は、いつリスタートするかを決めましょう。
このブログでは、来年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
合格者になるためのマインドセット - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのマインドセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット① - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット② - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット③ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット④ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑤ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑥ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
合格者になるためのスキルセット⑦ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「用語の定義」から「事業者・労働者」を整理しました。
安衛法上の「事業者」とはどういうものでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 略
二 略
三 事業者 事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。
以下略」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「総則」から「事業者等の責務及び労働者の責務」を整理します。
「労働災害防止計画」は参考問題なので飛ばします。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「事業者等の責務及び労働者の責務」は中見出しとして「事業者等の責務(安衛法3、102条)」があって、それが8肢(類題含めると10肢。それと選択式が1問)、
「事業者に関する規定の適用」が1肢、載っています(令和2年度問9Eは、根拠条文からすると「事業主が講ずべき措置等」か「罰則」のカテゴリーの問題だと思うんだけどなぁ。)。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「事業者等の責務」は「5個」の知識(ただし2個は別の論点だと思うのですが。)、
「事業者に関する規定の適用」は「1個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「労働安全衛生法第3条第1項の規定においては、『事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて【 A 】なければならない。』と規定されている。」
(平成18年度選択式)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
このブログでは、5W1Hの疑問形になるように考えることを推奨しています。
………、
「安衛法上、事業者に課された一般的な責務はどういうものか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。」
整理の視点
いわゆる事業者の一般的責務についての条文です。
少し長めですが、言っていること自体は易しいものなので、ポイントを整理して覚えてやれば十分です。
ポイントは3つ。
1つ目は「単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、」であること。
あれ、どっかで見たことのあるような言い回しですね。
「最低基準を守るだけでなく、」なんてフレーズは労基法に出てきそうですね。
ちなみにどこで出てくるようなものでしたでしょう?
はい、思い出して!
………、
「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」
第1条2項ですね。
もう1月以上前ですから忘れてしまってはいませんか?
この間に何回思い出すことをしましたか?
話を戻しましょう。
「単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、」というのは、安衛法が労基法から分離独立してできた法律からすると極々当たり前の内容です。
また、安衛法が労災発生を防止するための法律という目的条文にもある役割からしても、このフレーズは当たり前のものとなりますね。
つまり、ここでは、労基法から受け継いだ特徴と安衛法の目的を事業者の一般的責務として述べているんだということになります。
ポイントの2つ目は「快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。」点です。
「と」でつながっていますから、実施すべき事は「快適な職場環境の実現」と「労働条件の改善」です。
この2つって、労一の労務管理用語で出てくるハーズバーグの「衛生要因」と言い換えられるでしょう。
ちなみに「衛生要因」ってどんなものでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「企業において衛生というのは、従業員が置かれている状況に対する満足や不満足となる要因の一つであるということである。従業員による企業への不満が存在するならば、衛生要因に欠けているということである。」でしたね。ちょっと細かいかな。
要は、これがマイナスになっちゃうと、従業員のモチベーションが下がってしまう原因になりますよってもののことです。ただし、いくらプラスにしてもモチベーションアップにはつながらないというものでもあります(モチベーションアップのためには「動機づけ要因」を高める必要があるというのが、ハーズバーグ氏の理論。)。
で、これらを通じて「職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。」ってことなんですが、ここでも安衛法の目的である労災発生防止の観点が出てきますね。
似たような表現が目的条文にあることからも、それが覗えます。こんなフレーズでした。
「この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のため(中略)職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。」
ね。順序は入れ替わっていますが「労働者の安全と健康を確保」「快適な職場環境の形成」って被っているんです。
ポイントの3つ目は「事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。」こと。
これも目的条文の「労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより」に呼応していますね。
国は安衛法をはじめとする法律により労働安全衛生のための施策をとりまっせと目的条文で謳っています。
ですが、事業者がなんにもしないとなると労災発生の防止なんで出来っこありません。したがって、事業者にそうした施策への協力を義務として定め、実効化を図ったものととらえることができます。
まとめると、事業者の一般的責務ってのは、安全衛生の最低基準を守るだけでなく、積極的に衛生要因を整え、国の施策にも協力するんだということですね。
長ったらしい条文の内容がすっきりしました。
でです。
この条文のあたりには事業者以外の者についても一般的責務が定められています。
義務なのか配慮なのか努力なのかといった見極めは過去記事で書きましたが、責務の内容自体には触れては来ませんでした。
選択式対策も兼ねて、残りはご自身でどんな責務なのかは並べて整理してみましょう。
今日のまとめ
今日は、「事業者等の責務」を整理しました。
また、一般的な内容って、目的条文とリンク付けしやすいので、関連性を可視化すると理解と記憶につながるということについてもお伝えしました。
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