みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
ya1985さん、読者登録ありがとうございます。そろそろ本格始動していきますんで、よろしくお付き合いください。
僕はこんな人です。
さて、今日は、来年度に向けて、今すべきことを書きます。
【もくじ】
解答再現の落とし穴
本試験から早2週間が過ぎました。
8月に入ってからは毎日があっという間に過ぎていったかと思えば、試験後は時間の流れがゆっくりに感じているのではないでしょうか?
そうしている間にも記憶はどんどん消えていきます。
もう既に忘却との戦いを始めている方もいるかもしれませんね。
で、本試験直後の記事では、リスタートする前には必ず自己採点をして、振り返りをしたうえで、来年度の戦略を練りましょうということを書きました。
個別特訓を受けられた方からも、ドS勉強会に来られた方からも自己採点結果のお知らせがどんどん届いています。
こうした方々は大丈夫なんですが、これまで受験指導をしてきた中で、一定割合で、受験年数のわりに択一の合格基準に遠く届かない方々がいらっしゃいます。
こうした方々って、自己採点はしますし、敗因分析もします。
ですが、分析が浅いんで、次年度への教訓が浮き彫りにならず、またゼロベースからのリスタートを始め、今年度と代り映えのしないことをやった結果、また来年も残念賞ということになりやすいんです。
この記事を読んで活用しようとか、パクれるものはどんどんパクるといった能動的なあなたであれば、そんなことはないでしょうが、来年の合格を絵に描いた餅にするのではなく、勝利の美酒を浴びるために解答再現の際に気を付けた方がよいことを3つ書きます。
ポイント①自己採点はするが、やりっ放しで終わる。
このパターンって、要は、教訓の活かし方を知らない方がやってしまいがちなパターンです。
自己採点する→合格基準にどう考えても届かない→実力不足を痛感→来年度向けの予備校講座を申し込む
といった流れになります。
突っ込みどころとしては、実力不足の原因の分析がないことと、予備校利用を短絡的と思えるほど選んでいることです。
以前の記事にも書いたことがありますが、僕が好きな言葉の一つに、今年お亡くなりになった野村克也さんの
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」というのがあります。
元々は、心形刀流・松浦静山の『常静子剣談』の一文のようですが、野村監督が引用したことで有名なフレーズとなりました。
言わんとしていることは、
「勝負に勝つときには、どういうわけか理由は分からないけれども勝ってしまう時があるが、負けるときにはそれ相応の原因があるものだ。」というものです。
これって、社労士試験にも当てはまりますよね。
選択式で1科目基準点割れをやらかしてしまったけれども、ふたを開けてみたら救済がかかって合格できた!ってパターンです(僕もこれに当てはまる。)。
けれど、何年も勉強しているにもかかわらず、択一の点が合格点に及ばないのであれば、勉強方法に根本的な問題があることは間違いありません。
具体的にどこが問題なのかは、人ごとに違いはありますが、受からない理由は必ずあります。
ところが、自己採点をしただけで、その後の考察がないか浅い場合には、課題が浮き彫りになりませんから、戦略も表面的なものになってしまいます。
自己採点しただけでは、その後につながらないことがお分かりいただけたかと思います。
ポイント②敗因分析が甘い
ポイント①の続きではありますが、これもありがちなパターンです。
自己採点をして、失点した問題があるとします。
このとき「なぜ失点してしまったんだろう?」と思考を伸ばすことは、たいへん結構です。
ですが、着地点として「知識が足らなかったから。」で済ませてしまうと、その後の戦略が表面的なものになってしまいます。
どういうことかというと、社労士試験は確かに理解を試すのではなく、知識の有無を問う作りの試験です(なので、論述試験ではなく、マークシート方式。)。
ですが、何でもかんでも知っていなければ合格点が取れない試験ではありませんし、満点を取る必要もない試験です。
択一であれば、7割49点を取れば、選択式のあやはありますが、受かる試験です。
また、今年の問題の僕の解き筋をお見せしたように、合格者レベルの方であっても、何でもかんでも知っていて正誤判断をしているのではなく、基本論点は知識で瞬殺し、悩ましい肢は基本事項を元に思考して正誤判断をしています。
もちろん、知識がなかったからというのは、ざっくりとした分析としてはアリなのですが、何年間か勉強していて、そんなに知らないことだらけなんでしょうか?
例えば、今年の問題でいえば、国年問10Cでは事後重症による障害基礎年金の支給要件が問われましたが、事後重症って初めて見聞きするものでしたか? その支給要件って初めて見聞きするものでしたか?
僕は違うと思います。
知識がないのではなく、使える知識にできていなかったんだという方が正確でしょう。
じゃあ、なぜそうなったというと、過去問検討の仕方がマズかったか、記憶の仕方がマズかったか、演習の仕方がマズかったかもしくは他の要因のいずれか又はその複合形です。
けど、こうした発想がないと「知識がなかった。」とか「足りなかった。」という総括になりやすいですし、それ以上思考しなくてもいいですから、楽なんです。
楽して受かるほど社労士試験は甘くはありません。
自分を責める必要は全くといっていいほどありませんが、自分の弱点や課題に正面から向き合って、受け入れ、それを乗り越えていく姿勢がなければ、受かることはありません。
僕は、かつて旧司法試験を受けていました。
結果が中々でなかったときに、受からない理由を知識不足に求め、テンションが上がらない自分を責め続けていました。そりゃぁ受かりませんわ。
そん時にタイムスリップできるのなら、自分自身に勉強の仕方を伝授してやりたいくらいです。
話を戻しましょう。
あなたが、本来の力で得点できたはずの問題を失点してしまった理由は何ですか?
また、合格者レベルであれば得点できる問題を得点できなかった理由は何ですか?
これを深堀して対策を練ることが、あなたの来年の合格可能性を高めます。
ポイント③予備校利用か独学か
今年の分析が十分に行われて、あなたの課題も明確になったとして、予備校を利用するのか、独学で臨むのかという選択が必要です。
予備校を利用するメリットとしては、カリキュラムが練られているので、理解の手助けとなる。スケジュールを組むときにペースを作りやすい。質問制度を利用できることがある。法改正情報といった最新情報を入手しやすいといったところでしょうか。
独学のメリットは、費用を抑えられる。教材を自分でセレクトできるから、組み合わせのアレンジが可能。順番通りの学習をしなくても済む。スケジュールをカスタマイズしやすいといったところでしょうか。
それぞれのデメリットは、もう片方のメリットの裏返しです。
なので、どっちがいいかは一概には言えません。
ただ言えることは、予備校はあなたの理解を助けてはくれますが、自動的に合格に導いてくれるわけではありません。
SNSの投稿などで「どこの予備校がいいですか」といった類の質問をされる方がいらっしゃいますが「残念な思考だな~。」といつもスルーしています。
どういうことかというと、予備校の講義というのは、過去問で出題された項目をベースに解説をするのがメインで、どのように工夫して記憶したらよいのかや、忘却対策はどうしたらいいのかや、「びっくり問題対策」はどうしたらいいのかまでは突っ込んで教えてはくれません(クレアールの北村先生は、この点、勉強方法自体の発信が多いので、おススメ。)。
どちらかというと、「理解しましょう。」とか「覚えましょう。」とかはコメントされますが、どうやったら理解できるのかや、どうやったら覚えられるのかや、忘れにくくするのはどうしたらいいのかといったところまでの言及はほとんどありません。あっても一般的過ぎて使えるレベルのものは少ないです(講師一人と多数の受験生という構図で、講師からのみの情報提供というものである以上、やむをえないことではありますが。)。
つまり、勉強の中身は教えてくれるけれども、勉強の仕方自体はほとんど教えてくれないんです。
そこを承知のうえで、予備校を利用するのであればいいのですが、どうやら、多くの受験生は、予備校を利用したら勝手に受かるもんだと勘違いされているようです。
そうではありません。
予備校利用であろうが、独学であろうが、過去問やテキストの学習から本試験に持っていく情報を取捨選択し、問題が解けるという使えるレベルに加工するのはあなた自身が脳みそに汗をかいてやらなければならないことです。
これは、決して予備校を利用していたとしても予備校があなたに代わってやってくれることではありません。理解や整理のヒントをくれるにすぎないんです。
ちなみに、このブログは、こうした僕自身が受験生時代にもやもやしていたことをどのようにしてクリアにしたかを書いています。
また、覚え方の工夫や、記憶の定着の仕方も具体的に書いています。
僕のやり方が唯一の方法とは思っていませんので、記事を読まれた方が、自分流にカスタマイズしてくださいねというスタンスです。
話を元に戻しましょう。
本試験問題の再現後にどのようなルートをたどって来年度向けの準備をするかは、正解があるわけではありません。
しかし、自身の課題がふわっとしたまま、盲目的に予備校講座を利用するのは、時間とお金の無駄です。
「予備校を利用したら受からせてくれる。」的な受け身に発想だけは止した方がいいでしょう。
今日はここまで。
明日は、マインドセットの話をします。
読んでくださって、ありがとうございます。