みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
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makeit87481078さん、読者登録ありがとうございます。しばらくはのんびり進めますので、ごゆるりとお付き合いください。
僕はこんな人です。
さて、今日も今年の本試験問題を実際に解いてみて、「合格者レベルならば、どのような思考を辿るか?」という内容です。
【もくじ】
社会保険科目選択式②
今日も選択式の社会保険科目から2つ。
厚年
健保法よりもさらに簡単でしたね。
Aはサービス問題。平成22年度問1Cでズバリ賞与の定義が問われているほか、健保法でも頻出ですね。
1秒で1点ゲット!
DEも過去問(平成17年度問2C、25年度問5CD)でズバリ問われているので、これも秒殺。
「こんなんで基準点満たしちゃっていいんですか?」っていうくらい、あっさりと3点確保できますね。
まさか、この3つのいずれかを失点したというのなら、あなたの勉強法は根本的に間違っていますよ。
BCは、ズバリの過去問もかすった過去問もありません。本試験では、労一にかける時間を捻出するため、ADEで3点確保できた時点で、敢えて捨てるということもあるでしょう。
ですが、これを過去問としてみた場合、知識を吸収するための素材としてだけでなく、文章の構造を正確に読み取り、かつ、正確な語群のグルーピングをする訓練の素材として捉えることもできます。
では、どんな構造の文章かというと、主語は「政府」。述語(結論)は「当該実施機関に対して『 C 』する。」です。
さらに目的語は「実施機関ごとに実施機関に係る『 B 』として算定された金額」です。
なので、「政府はBとして算定された金額を実施機関に対してCする。」っていう文章になります。
したがって、Bの候補は⑥⑫⑬⑲、Cの候補は④⑪⑰⑱です。
で、Bの方は、⑫と⑬は同じことを言っているので除外。⑲の予備費ってのは、予想外の出費のためのものですから、毎年度算定できるようなものとは言えません。
したがって、⑥が相対的に有力ということで解答にします(これが正解。)。
Cの方は、これもお金周りの話で、いったん政府がかき集めたお金を実施機関に振り分けるって話なのですから、⑪しかありえません。
またしても「納付金」だの「拠出金」だの「交付金」って話ですね。
いや~、ホンマに手前味噌ですが、ドS勉強会で扱ったテーマがズバズバ出題されとりますなぁ。参加後、自分の言葉で言えるまで復習された方は、問題解くのが楽しかったのでは?
国年
A~CもDEも過去問の焼き直し(A~Cは平成18年度選択式、DEは平成13年度問4D、17年度問6A、25年度問10Cで、ズバリの出題歴あり。)ですね。
ただし、A~Cは、調整期間の話で、ちょいとめんどくさいから苦手にしている受験生さんも多いのでは?
Aの候補は⑥⑪⑬⑭ですが、⑬⑭が入るとすると、
「財政均衡期間の終了時に『財政逼迫化をもたらさない/財政収支が保たれる』ようにするために必要な(中略)積立金を保有しつつ」、
「当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合は、」という文章になって、論理矛盾を起こします。
つまり、財政逼迫化にならないようにしつつ、均衡を保つことができないとか、財政収支が保たれるようにしつつ、均衡を保つことができないってことになります。
おかしいですよね。
じゃあ、⑥なのか⑪なのか。
⑥は、マイナスが出ちゃダメってことを言っているのに対し、⑪は、多少のマイナスがあっても少しなら目をつぶろうということを言っています。
将来の見通しって、完璧にマイナスを出さないようにすることは可能でしょうか? 否です。
なので、多少の不足が出たとしても許容できる範囲のものならOKにしましょうという⑪を選びます。
ちなみに18年度の選択式では「給付の支給」という語句を入れさせる問題になっていますね。
Bの候補は⑤⑫⑯⑱ですが、年金科目特有の言い回しとして、給付の目減りが生じるような、政府にとって都合の悪いものを表現するときって、直接的な言い回しではなく「調整」というもってまわった言い回しにします。
また、18年度の選択式でも、「調整」をズバリ選ばせるようになっています。
Cの候補は③④⑮⑰ですが、④と⑰は同じことを言っているので除外。
③か⑮なんですが、⑮は入らない。
なぜなら、仮に⑮が入るとすると、既に調整はされていて、そのお尻を決めますよって話になるからです。違いますよね。
収支が均衡しないから、これから調整し始めますよってことの方がしっくりきます。
よって③を解答にします。
Dは⑨か⑩かで悩ましいですね。
ただこれって、過去問検討の際に「へー『金銭を標準として』なんだ。自分なら『基準として』って間違えそうだから、ここもチェックポイントだな。」みたいに、選択式対策も兼ねた検討ができていたどうかなのではないかと思います。
つまり、準備の問題。テクニックどうのこうのではありません。
Eは事前準備では横断整理事項ですが、仮にやっていなかったとしても、遺族に関する給付は非課税くらいのことは常識として知っておくべき内容(したがって、①②⑲は論外。)です。
それすらもないというのであれば、普段の勉強が根本的に間違っているといってもいいでしょう。
国年は、過去問検討が十分でしたら易しい問題ということなんですが、A~Cのテーマを苦手にしている受験生さんも多いでしょうから、その意味では楽勝ではなく、事前準備がものをいったというところでしょうか。
選択式の総評
全体的に昨年並みの難易度ではなかったかなという印象です。
労一はやっぱり「びっくり問題」でしたし、過去問ズバリではなく少し論点をずらしてきて、その場で考えさせて解くような問題もそこそこありましたから。
その意味では、単に知っている/知らないだけで合格できるような問題作りはしていないんだということが言えそうです。
ってことは、私たちの準備も「知識、知識!」とするのではなく思考する訓練が必要になってくるのではないかと思います。
で、気になる救済の可能性ですが、各予備校がデータを集めている最中ですから、そちらの方をご覧いただくとして、僕の私見では労一は救済が入らないんじゃないかって思っています。
もちろん、労一選択が2点以外は合格基準を満たしているという方には酷なことを言っているというのは十分承知しています。
というのも、過去の労一選択式で「びっくり問題」が出たときに、毎年のように「救済の可能性あり」と各予備校が予想したにも関わらず、ふたを開けてみれば救済なしだったという例が多いからです。
これって、まじめに勉強して臨んだ受験生は2点以下しか取れなかったのに、いわゆる「無勉」層(ほとんどか全く勉強しないで試験に臨んだ層)が知識ではなく、現代文の問題を解くように解いたため、2点以上をとった結果、全体として2点以上の受験生割合が7割以上になってしまい、救済発動に至らなかったケースです。
選択式の救済がかかるのは、基準点を引き下げた場合の受験生割合が7割未満の場合です。
今年の場合なら、労一(もちろん他の科目も)で2点救済になるためには、1or0点の受験生が全体の3割以上でないといけないわけです。
各予備校は、必死になってデータを集めていますが、無勉の方は、自分が受かりっこないことは十分わかっていますから、自己採点結果を登録しようとはわざわざ思いません。
むしろ、しっかり勉強して臨んだ受験生ほど合否が気になりますから、自己採点結果を登録します。
となると、実際の受験生の得点状況と、予備校が把握する得点状況にずれが生じます。
まじめに勉強した受験生ほど、労一選択式では2点以下を取りやすいでしょうから、予備校としては「救済の可能性あり」と発表します。
けど、実際は………、ということが過去に何例もあるのが事実。
ただ、ふたを開けてみないと分からないことだけは確実です。
少なくとも、自力でどうにもならないことに思い悩むのだけは止しましょう。
選択式の解き筋をお伝えするのはこれでおしまい。
明日からは択一の解き筋をお伝えしていきます。
お知らせ
明日の土曜日(28日)に、オンライン打ち上げを開催します。
本試験のことや、勉強のこと、そのほかのこともしゃべくりあいましょう。
勉強会に参加したことない方のご参加も大歓迎です。
塚野とご縁のあるこれまでの合格者の方もお待ちしております。
時間は、19~21時の2時間を予定(場合によっては2次会もあり。)。
費用はもちろん無料。
各自で飲み物、食べ物をご用意ください。
なお、参加者全員の安心のため、顔出し、本名でのご参加をお願いします。
録画はしません。
通しの参加が無理で、顔出し程度のご参加もOKです。
奮ってご参加ください。
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