みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
さて、今日も今年の本試験問題を実際に解いてみて、「合格者レベルならば、どのような思考を辿るか?」という内容です。
【もくじ】
社会保険科目選択式①
今日は選択式の社会保険科目から2つ。
社一
こっちも予想通りの法令からの出題。
過去問での出題歴があるものはCで、令和2年度問7E、平成23年度問6Dと28年問7E。
これらは直接「被扶養者」の正誤判断をさせた問題ではありませんが、問題を解いた後、テキストを見返しながら、論点知識のポイントとして押さえておいた方がよかろうという思考をする際に「あれっ?」と気付くべきフレーズです。
船員保険法も医療の法律であるから、健康保険法と似通ったところがたくさんあります。
けど、健保法にはない特徴もあったります。
その1つがこれです。
健保法の保険給付は、被扶養者に対する医療サービス等の提供であったとしても、保険給付の対象となるのは被保険者のみでした。
ところが、行方不明手当金は、そうではなく「被扶養者」に対してなされる保険給付ということで特徴的なんでした。
どうです? 過去問で直接は聞かれてはいないけれども、根拠となる法律条文を一通りチェックして、周辺知識まで「味わって解く」ことで、論点を少しずらした問題にも対応できることがお分かりいただけたかと思います。
まずここで1点をゲット。
ドS勉強会では、最終回の最終問で扱いましたね。
しかも、「健保法と違って、被扶養者に対する保険給付ってことで特徴的なところもポイントですよ。」とコメントしています。
参加された方は、最後の最後だったんでヘロヘロだったかもしれませんが、ラッキー問題になりましね。
これが予備校だったら、「的中しました!」なんて宣伝するんでしょうね(^_-)-☆
次に得点しやすいのはE。
これも直接の過去問はありませんが、DCの脱退一時金では平成29年度問9Dと、平成22年度選択式Dで、法改正前の脱退一時金の通算拠出期間(1月以上3年以下)が問われており、これを足掛かりにすれば、3年は選べます。
次に得点しやすいのはD。
これは、直接の過去問もかすった問題もありません。
しかし、候補となるフレーズからは「④15日」以外は違和感を感じます。
私たちが学習してきた他の科目でも、「やむを得ない理由がやんだ後○○日以内」というフレーズに25日だの35日だの45日というのはお目にかかった覚えがありません。
一番厄介なのはAとB。
この2つもズバリの過去問はありません。
しかし、平成27年度問6や16年度問9Dあたりを解いたときに、「なんちゃら納付金」だの「かんちゃら支援金」っていう謎の項目が出てきますよね?
これって、健保法、高医法、介護保険法でも出てくる保険者間の財政支援の用語ですよね。
「じゃあ、訳の分からん用語はこの際やっつけておこう」ってんで、どんなお金回しをするのかを整理してしまえば、ABは楽勝です。
ドS勉強会では「なんちゃら納付金、かんちゃら支援金とは何ぞや?」っていう整理をみっちり受験生さんたちとやりましたから、参加された方は瞬殺できましたね?
仮に、事前準備ができていなかったとしても、Aの候補として⑪⑫⑬⑭、Bの候補として⑩⑮⑯⑳に分け(Aの直後に「に要する費用」とありますから、Aの末尾に「費用」というフレーズは絶対に来ないため、お金に関するグルーピングはこのようにしなければなりません。)、どれが適当かは、文章中のヒントを拾えば正解できます。
簡単なのはBの方。
なぜかというとBの直前には「その他の」というフレーズがありますから、「その他の」の前にあるのは、Bに入る用語の例示です。
じゃあ、どんなものが例示されているかというと、
「当該市町村の国民健康保険に関する特別会計において負担する『 A 』に要する費用」と、
「財政安定化基金拠出金の納付に要する費用」です。
これらをひっくるめて表現できるものが何かというと、「⑩国民健康保険事業に要する費用」しか入りようがありません。
他の3つは、どれも具体的な用途を示した費用の話ですから、包括的な表現とは言えません。したがって解答にはなりえません。
Aは直後の「(当該市町村が属する都道府県の国民健康保険に関する特別会計において負担する前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)」の部分がヒント。
これって、何を言っているフレーズでしょう?
これもドS勉強会ではやりましたが、援助するお金の「納付に要する費用」の話ですから、要は人件費や振込手数料あたりの話ですよ。
ってことは、カッコ書きの外は、これらのお金の本体の方の話をしているんだってことが分かります。
だとしたら、「⑪国民健康保険事業納付金」を選ぶのが妥当ということになります。
ABは知っているに越したことはありませんが、知識ではどうにもならない問題を解くときにテクニックを使えば、正解できる問題です。
知らないからといって思考停止になってしまうことほど、むなしいことはありません。
こうした問題に出くわしたときにどのように対処するかの準備ができていたかどうかが問われているといってもいいでしょう。
健保
これまでのしんどさは何だったんだろう?と思えるくらい易しい問題でしたね。
まず、DEはサービス問題。過去問も多数。
ドS勉強会でも扱いましたね。寝てても解ける問題っていうのは、こういうことですよ。
Aは直接の過去問はありませんが、160条の過去問、特に平成29年度問4アを解いたときに出てくる「介護納付金」という用語の意味を調べつつ、周辺知識も整理してやると、この用語にぶち当たります。
ここでも「なんちゃら納付金、かんちゃら支援金」というのが出てくるので、結局どういうことなんだと調べてみると、テキストにはしっかり記載があります。
ドS勉強会でも、僕は「健康保険の保険料って、私たちの医療分として使われる基本保険料率と、他の保険者への財政支援のための特定保険料率ってのがあって、それらをひっくるめたものを一般保険料と呼ぶんですよ。保険料の全部が全部、私たちの医療のために使われているわけではないんですね。」ってなことをコメントしたはずです。
ちなみに候補をグルーピングすると、⑮⑯⑲⑳となります。
⑲⑳は聞いたことがないので除外。
⑮はどっかで見たことがあるとして、これを解答に選んだ方もいるかもしれませんが、その方は、過去問の検討不足です。
調整保険料というのは、健保組合間の財政調整のところで出くる話ですから、場面が違います。
そうしていくと、消去法で、⑯が解答ではないかということもいえそうです。
Bの候補は⑪~⑭。
Bの直後のカッコ書きに「これを控除した額。」とあるので、⑪か⑫が答えなんじゃないかとあたりがつきます。
⑫はよくわかんないので正誤保留。一方、⑪の納付金、支援金が財政援助のためのお金だと分かっていれば、「援助に加えて国庫補助ももらうのっておかしいから、その分をさっ引くことが合理的なのではないか?」という発想ができます。
だとしたら、相対的に⑪が解答になるのではないかということがいえます。
Cは、支援のための料率の話をしているのだから、支援に必要な額が、保険者のもとに入ってくる保険料全体うち、どれくらいの割合になるかってことを考えればいいんだという発想により、⑩以外には考えられなくなります。
この手の財政支援の話って、健保以外にも国年や社一でも出てきます。でもめんどくさい。
これを厭わずに過去問検討の際に「あ”~ぐそー、よくわかんねぇ( ;∀;)、でも絶対にモノにしてやる!」ってなって、脳みそに汗をかいた受験生さんは、さっきの社一の問題といい、この健保の問題といい、報われる出題になりましたね。
今日はここまで。
明日は、厚年と国年の解き筋を書きます。
お知らせ
今週末の土曜日(28日)に、オンライン打ち上げを開催します。
本試験のことや、勉強のこと、そのほかのこともしゃべくりあいましょう。
勉強会に参加したことない方のご参加も大歓迎です。
塚野とご縁のあるこれまでの合格者の方もお待ちしております。
時間は、19~21時の2時間を予定(場合によっては2次会もあり。)。
費用はもちろん無料。
各自で飲み物、食べ物をご用意ください。
なお、参加者全員の安心のため、顔出し、本名でのご参加をお願いします。
録画はしません。
通しの参加が無理で、顔出し程度のご参加もOKです。
奮ってご参加ください。
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締め切りは28日土曜日の正午とします。
zoomの招待URLは、当日の17時ころにメールします。
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