みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和3年8月22日)まで、残り124日(17週と5日)です。
1週間当たりの勉強時間(脳みそに汗をかいている時間のこと。講義を聴いているなどの受け身な時間は含まない。)が20時間だとすると、残り時間は約350時間です。
1日1日を大切に過ごしましょうね。
ここで告知です。長いです。
今週末の24日土曜日
13時~18時(終了予定)に「ドS勉強会」の8回目「厚生年金保険法」のオンライン勉強会を実施します。
「中高齢の寡婦加算と経過的寡婦加算がいつも何だったか忘れる。」「2以上の種別の被保険者であった期間の特例の整理の仕方が分からん!」といったモヤッと感を抱えている、そこのあなた!
力任せの暗記に走らずとも論点知識が記憶でき、問題をスラスラ解けるようになるコツをお伝えします。
また、僕が一方的に解説するのではなく、
ワークや振り返りタイムを盛り込んだアクティブラーニングによって、受験生さんが自ら学びを得られる場
であるのも特徴です。
主に再チャレンジ組の方を対象としますが、初受験の方もOKです。
日程は以下の通り。全て土曜日の13~18時の5時間です(゜o゜)!
労基 | 09月26日 | 国年 | 03月27日 |
安衛 | 10月24日 | 厚年 | 04月24日 |
労災 | 11月28日 | 一般常識 | 05月22日 |
雇用 | 12月19日 | 労働横断 | 06月26日 |
徴収 | 01月23日 | 社会横断 | 07月17日 |
健保 | 02月27日 | 全体横断 | 08月07日 |
内容は、過去問の問題演習を通じて、みなさん自身がそれまでに勉強してきたことの確認とあやふやな箇所の洗い出しを行います。
当てて答えてもらいますんで、たっぷり5時間、脳みそに汗をかいていただきます。
また、併せて論点質問会も実施しますので、普段の学習で自力では理解できない箇所をクリアにすることができます。
この勉強会に参加すると、
「問題文のどのキーワードを読んだ時点で、あの論点かとすぐに見つけるという思考回路が身に付いてきた。」
「条文の読み取り方についてです。二重否定がとても苦手なので、その解きほぐし方が理解できました。理解できたあとに、もう一度その部分の過去問を解いたら、涙が出るほど理解できたことが実感できました。」
「基本的なことをまずしっかり押さえてから細かい論点を覚えていくほうがよいことに気付いた。」etc.
といったことが実感できます。
また、同じ志を持った受験生同士のつながりが持て、仲間としての連帯感や情報共有、ライバルとしての緊張感を保つことができます。
また、今回は勉強会後に有志でオンライン懇親会も実施します(19:00~21:00の予定)。
受験生さん同士で普段の勉強の悩みや乗り越え方を語ったり、メンタルの保ち方なんかも交流してもらえればなと思います。
独りで粛々と勉強するのもいいですが、外部刺激を受けて(僕からのは激辛デスが…。)、脳みそフル回転で汗をかく機会があってもいいんじゃないでしょうか?
また、オンライン開催ですので移動時間は0分。
参加者は時間と費用をかけてまで参加される方ですから意欲的で優しい方ばかりです。
講師はもちろん、「日本で2番目にドSな社労士受験講師」の僕です。
会場は、あなたが集中して勉強できるところ。
問題演習用の資料は、各回前日金曜日のお昼12時にPDF化したものをメールで送ります。各自で印刷して勉強会を迎えてください。
お住まいにプリンターがない場合は、コンビニのネットプリントサービスをご利用ください。やり方は教えます。
いかがですか?
で、気になる費用ですが、1回あたり¥5,000とします。
また、この日の都合は合わないけれど、勉強会でのノウハウは学びたいという方のお申し込みも歓迎です。この場合、問題送付と録画した動画(限定公開)のURLをお送りして自習用に活用していただきます。
費用設定については迷いました。毎日、このクオリティーの記事を無料公開していて、さらにその上を行くサービスを時間をかけて準備し、提供するのですから、費用をいただくのは当然だと思いました。
令和2年度向けよりも値上げしたのは、参加された方からの「安すぎる! ¥3,000以上の値打ちがある!!」という後押しがあったのと、準備に費やす時間を考えるとこのくらいが妥当かなと思ったからです。
本物の痒いところに手の届く情報って、無料では得られませんからね。その意味でこのブログやYouTube動画は有料級の内容だと自負しています。
「お金を払ってでも学んで合格する!」
「金額以上の学びや気づきを得るんだ!!」
「今年、何が何でも合格する。そのためには恥も外聞もなくやり切る!」
という想いの方だけに来ていただき、学びを得てもらいたいんです。
来年度向けに既に7回実施しましたが、どの方も主体的に学んで「来年必ず受かるんだ!」という熱気がパソコン画面を通じてひしひしと伝わってくる勉強会です。
実際に単発でお申込みされた方は、残りの回はリピート参加されたので、満足度は高いという自信はあります。
なお、支払方法は、指定の銀行口座(申込フォーム内に記載)への事前振込を原則とし、振込み確認ができたことをもって申込み完了といたします。
また、キャンセルについては、各開催日2日前の木曜日のお昼12時までとし、返金は振込手数料を除いた分をお返しします。キャンセル期限を過ぎたものについては一切返金いたしません。なお、キャンセルせずに資料送付&当日の限定動画URLのお知らせを希望される場合には、その通り対応いたします。
なお、申し込み締め切りは22日木曜日23:59とします。
お申し込みはこちらから。
返信用メールアドレスに入力ミスがあると、こちらからの返信ができませんので、くれぐれもお間違いのないよう、ご確認ください。
今は地力をつけるときです。
テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
日々の勉強は「習慣」です。
習慣はモチベーションとは全く関係ありません。
あなたが習慣にしていることって、わざわざモチベーション上げてやってますか?
朝、目を覚まして顔を洗ったり、歯を磨いたりするのに「おーし、今日はめっちゃモチベーション高いから、歯ぁ磨くぞ!」なんてことやってますか?
モチベーションなどというものを持ち出すときってのは、勉強しない言い訳のときだけです。
物事を習慣化するのは技術です。やる気だの意志の強さだのに頼っている限りは、いつまでたっても身に付きません。
まずはやってみることです。
さあ、1日5分でも10分でもいいから勉強し始めましょう。
不安を取り除く特効薬は、1歩を踏み出すことです。
勉強の悩みや不安は、勉強することでしか取り除けません。
最初から完璧な勉強法をとれる人なんていません。
とりあえずやってみて、軌道修正をするんです。
なので、何もせずにその場に立ち尽くしているだけでは何も変わりませんよ。
さあ、1問でもいいから問題を解きましょうか!
このブログでは、今年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、勉強法に関する僕の考えは以下の記事をご覧ください。
来年度向けの勉強を始める前に必ずやるべきこと - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
マインドセットをする - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
毎日のゴールを決める - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
スケジュールを立てる - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
やってはいけない勉強法(前編) - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
やってはいけない勉強法(後編) - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
効率の良い勉強法とは何か? - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は「基礎年金拠出金等」を整理しました。
実施機関たる共済組合等は、基礎年金拠出金をどこに納付しなければならないんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「各実施機関たる共済組合等は、毎年度、当該年度における保険料・拠出金算定対象額の見込額に当該年度における当該実施機関たる共済組合等に係る拠出金按分率の見込値(以下「概算拠出金按分率」という。)を乗じて得た額の基礎年金拠出金(第4項において「概算基礎年金拠出金」という。)を、厚生労働省令の定めるところにより、国民年金の管掌者たる政府に納付しなければならない。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
そして、何度かコメントを寄せてくださった受験生さんから、スマホアプリの「分散学習帳」というのがより便利だと情報提供がありました。
実際に使ってみると、自分でカードを作成して覚えていくアプリですが、ベストな復習タイミングで、カードを毎日表示してくれます。
また、単語を入れて検索もできるので、不確かな記憶があっても、すぐに確認できます。
さらに音声読み上げもしてくれますから、紙のカードとICレコーダーのいいとこどりに加えて、間違えやすい論点をこれでもかというくらい復習できるので、最強の学習アプリなんじゃないかなって思います。
これまでICレコーダーに録音されていた方は、移管作業が伴いますが、今後、論点を探す手間を考えたらこっちの方がトータルで時間短縮につながるんではないでしょうか?
使用説明みたいなところに、勉強上達の3つのコツが載っているのも◎。
教えてくださったシミズさん、ありがとうございます!
記憶のコツは、出来合いの情報を鵜呑みにするのではなく、あなたの言葉で端的な情報に加工することと、それを適切なタイミング(忘れそうなタイミング)で、繰り返すことです。
あなた自身は、どれくらい脳みそに汗をかき、反復演習をしていますか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「費用」のうち「保険料・付加保険料」から「保険料」(国年法87条等)「付加保険料」(国年法87条の2)「保険料の納付義務」(国年法88条)「産前産後の保険料の免除」(国保法88条の2)を整理します。
僕が持っている過去問集(2021年度向け。)では、
「保険料」が7肢(類題含めて8肢、それと選択式が1問)、
「付加保険料」が10肢(類題含めて12肢)、
「保険料の納付義務」が2肢(類題含めて3肢)、
「産前産後の保険料の免除」が1肢、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「保険料」は「4個」の知識、
「付加保険料」は「5個」の知識、
「保険料の納付義務」は「1個」の知識、
「産前産後の保険料の免除」は「1個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「国民年金の保険料は、法律で定められた平成16年度価格の保険料の額(令和3年度に属する月の月分は【 A 】円)に、その年度の保険料改定率を乗じて得た額とされている。
保険料改定率は、平成17年度については1とされ、平成18年度以後については、それぞれの年度の前年度の保険料改定率 × 当該年度の初日の属する年の【 B 】年前の物価変動率 × 当該年度の初日の属する年の4年前の年度の実質賃金変動率(3年前から5年前のものの3年平均)とされている。令和3年度の保険料改定率は【 C 】である。」
(平成19年度選択式)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「国民年金の保険料は、どのように算定されるか?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①保険料の額は、次の表の上欄に掲げる月分についてそれぞれ同表の下欄に定める額に保険料改定率を乗じて得た額(その額に5円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとする。)とする。
平成17年度に属する月の月分 13,580円
平成18年度に属する月の月分 13,860円
平成19年度に属する月の月分 14,140円
平成20年度に属する月の月分 14,420円
平成21年度に属する月の月分 14,700円
平成22年度に属する月の月分 14,980円
平成23年度に属する月の月分 15,260円
平成24年度に属する月の月分 15,540円
平成25年度に属する月の月分 15,820円
平成26年度に属する月の月分 16,100円
平成27年度に属する月の月分 16,380円
平成28年度に属する月の月分 16,660円
平成29年度及び平成30年度に属する月の月分 16,900円
令和元年度以後の年度に属する月の月分 17,000円
②平成17年度における前項の保険料改定率は、1とする。
③①の保険料改定率は、毎年度、当該年度の前年度の保険料改定率に次に掲げる率を乗じて得た率を基準として改定し、当該年度に属する月の月分の保険料について適用する。
一 当該年度の初日の属する年の3年前の年の物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数の比率
二 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の3乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の6年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の6年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年における物価指数の比率」
ですね。
整理の視点
ゲンナリしますね(+o+)。年金額の改定率と並ぶ「理解不能ポイント」です。
ですが、選択式での出題対策を兼ねて読み解いていきましょう。
まず①。毎年の保険料の額は、令和元年以降は以下の式で求めるんだってことを言っていますね。
「¥17,000×保険料改定率」
この計算式に基づいて算出された今年度の保険料額は「¥16,610」な訳です。
ちなみに年度と数字が横書きなのに「上覧」「下欄」という言い方をするのは、法律の条文の記載は本来、縦書きだからです。
なので、数字は漢数字を用いますし、表にしたときの年度は「上覧」、数字は「下欄」の位置関係になります。
テキストとかの記載は、見やすいように横書きやアラビア数字に直しているんですね。
次に②。平成16年の法改正で導入された「保険料水準固定・給付水準自動調整」の仕組みの初年度は、法定額からスタートしますよってことです。
実際に平成17年度の保険料額は¥13,580でした。
③がヤマですね。
言っていることの骨子はこれです。
「保険料改定率は、毎年度、当該年度の前年度の保険料改定率に次に掲げる率を乗じて得た率を基準として改定し、当該年度に属する月の月分の保険料について適用する。」
まだ何を言っているかは簡単です。
毎年の保険料改定率は、「前の年度の保険料改定率」に「論点知識③の一・二に掲げる率」を掛け算した率として変えていくよってことを言っています。
あ~、なるほど、前の年の保険料改定率になんかの数字を掛けあわせたものが新年度の保険料改定率になるんだってことですね。
で、ここからです。
前の年の保険料改定率に掛け合せる何かの数字ってのが、次の2つです。
「当該年度の初日の属する年の3年前の年の物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数の比率」
「イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の3乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の6年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の6年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年における物価指数の比率」
あ”~、一気に吐き気を催してきましたね(>_<)
なのですが、ここで出てきた掛けあわせの2つって、どこかで見覚えがあります。
さて、どこで出てきたものだったでしょう?
はい、思い出して!
………、
「老齢基礎年金の改定率」ですね。
最初の方は「物価変動率」、2つ目の方は「実質賃金変動率」と呼ばれるものでした。
つまり、保険料改定率は前年の保険料改定率に物価変動率と実質賃金変動率を掛け合せて算定していくってことです。
なお、物価変動率と実質賃金変動率を掛けあわせたものを何て呼ぶんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「名目賃金変動率」でしたね。
なので、テキストの記載には、当該年度の保険料改定率は「当該年度の前年の保険料改定率×名目賃金変動率」と書かれているものもあるでしょう。
また、物価変動率は「当該年度の初日の属する年の3年前の年の物価指数」に対する「当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数」の比率をみますから、2年前の物価変動率をデータとして拾うということですね。
他方、実質賃金変動率は「当該年度の初日の属する年の6年前の年」の標準報酬平均額や物価指数と「当該年度の初日の属する年の3年前の年」の標準報酬平均額や物価指数を比べたものを開立(立方根を求めること。)しますから、5~3年度前の平均値をデータとして拾うということですね(条文上は「6年前の年の」という表現をしますが、その1年間分のデータを拾うわけですから、5年前の時点でのデータを表すことになります。)。
なお、年金額の改定率は、名目賃金変動率に可処分所得割合変化率を乗じた「名目手取り賃金変動率」を用います(新規裁定者で、マクロ経済スライドを発動しない場合。)。
これで、訳分からん2大巨頭の用語間のつながりが見えましたね。
この両者の違いは、保険料改定率は毎年の負担としての保険料額を決めるための指標なので、世の中の景気変動に影響される要素のみを考慮すれば足りるのに対し、改定率は生活の糧としての年金額を決めるための指標なので、実際に家計で費やすことのできるパイの大きさを決める指標も考慮する必要があるからです。
話を元に戻してまとめましょう。
毎年の保険料の額は、令和元年度以降は「¥17,000×保険料改定率」で求めます。
これが【 A 】の部分の文章を正答するための知識です。
で、毎年の保険料改定率は「当該年度の前年の保険料改定率×名目賃金変動率(物価変動率×実質賃金変動率)」で求めます。
さっきも見たように、名目賃金変動率は3年前と前々年(2年前)のデータを見比べるのですから、2年前の名目賃金変動率を用います。
また、実質賃金変動率は5~3年度前の平均値のデータを持ってくるので、3~5年前の平均値(間をとって4年前)の値を用います。
ここまでが【 B 】の部分の文章を正答するための知識です。
最後に令和3年度の保険料改定率は、仮にこれを忘れていたとしても、令和3年度の保険料額¥16,610を法定額の¥17,000で割ってやれば求められます。
だって、当該年度の保険料額は、法定額(¥17,000)×保険料改定率で求められるんですから。
計算すると、16610÷17000=0.97705882352………、で、0.977だと分かります。
これで【 C 】が正答できます。
だとしたら、当該年度の保険料改定率を覚えることに越したことはありませんが、毎年の保険料額は必ず覚えて本試験に臨む必要があるということですね。
保険料改定率の論点は、ロジック的にとっつきにくく、また、馴染みにくい用語が多いため、破れかぶれの暗記に走ってしまいがちですが、どうやって算定するかの思考の順番が正しければ、あとは用語の意味が分かれば済む状態になります。
今日の記事を参考に、ご自身でも思考の順番を組み立ててみてください。
おまけ~上級者向け?選択式対策として~
なお、改定率も保険料改定率も毎年度の率を改定するにあたって「物価変動率」と「実質賃金変動率」を用いますが、どの期間のデータを持ってくるのかが違っています。
条文に何て書いてあるかを見てみましょう。
まず、改定率の条文はこうです。
「改定率については、毎年度、第1号に掲げる率(以下「物価変動率」という。)に第2号及び第3号に掲げる率を乗じて得た率(以下「名目手取り賃金変動率」という。)を基準として改定し、当該年度の4月以降の年金たる給付について適用する。
1 当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう。以下同じ。)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率
2 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三3乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の5年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額(厚生年金保険法第43条の2第1項第2号イに規定する標準報酬平均額をいう。以下この号及び第87条第5項第2号イにおいて同じ。)に対する当該年度の前々年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の5年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年における物価指数の比率
3 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率
イ 0.910から当該年度の初日の属する年の3年前の年の9月1日における厚生年金保険法の規定による保険料率(以下「保険料率」という。)の2分の1に相当する率を控除して得た率
ロ 0.910から当該年度の初日の属する年の4年前の年の9月1日における保険料率の2分の1に相当する率を控除して得た率」
次に保険料改定率の条文をもう一度見ると、
「保険料改定率は、毎年度、当該年度の前年度の保険料改定率に次に掲げる率を乗じて得た率を基準として改定し、当該年度に属する月の月分の保険料について適用する。
1 当該年度の初日の属する年の3年前の年の物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数の比率
2 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の6年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年の4月1日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の6年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の3年前の年における物価指数の比率」
瓜二つの条文ですよね。
こうやって並べて比べてみると、年金額も保険料額も法定額にある数字を掛け合せて算出するんだということが一発で分かります。
保険料改定率の方に第3号が無いのは、可処分所得割合変化率を用いないからでした。
で、色を変えた部分を見比べてください。同じ色の文言同士を対応させてあります。
ちなみに、今日の選択式の【 B 】を埋めるのに必要な知識は保険料改定率の条文の「前々年」の部分です。
他のフレーズは全く一緒なのに、数字の部分だけ保険料改定率の方が1年分古いデータを持ってきていますよね?
なぜでしょう? これにはれっきとした理由があります。
国民年金の保険料は、現在は2年分の前納が可能です。
なので、令和4年度分の保険料も前納できますね。実際、既に令和4年度分の保険料額って公表されていて、その額は¥16,590です。
https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000725140.pdf
ということは、令和4年度分の保険料額が算出されているということは、令和4年度の保険料改定率も算出されているということですね。
じゃあです。
保険料改定率も改定率と同じように前年の物価変動率や2~4年度前の実質賃金変動率を用いたとしたらどうなるでしょう?
物価変動率は令和4年度の前々年(令和2年度)と前年(令和3年度)の物価指数を比べることになります………、
って、今現在が令和3年進行中ですから、令和4年度の保険料改定率の算定にあたり、前年の物価指数はまだデータがありません。なので、算定できません。
もう1年前、すなわち令和4年度からみて3年前(令和元年)と前々年(令和2年)のデータはそろっていますから、算定できますね。
物価変動率を1年古いものを使うのですから、それに伴い実質賃金変動率も1年古いものを使うことになりますね。
何で、こんな重箱の隅をつつくようなことを書いたかというと、条文の構造が瓜二つであるにもかかわらず、保険料改定率の方は選択式過去問で問うた実績があるのに対し、改定率の方はまだなく、しかも違いが微妙なうえ、受験生の多くが破れかぶれの丸暗記に走っているため、いざ出題されたとなると「盲点」になりやすいと考えたからです。
ただ、択一が合格レベルの方であれば、択一の勉強の中で「なんかどっかで似たような話があったな~。見比べてみて異同を確認してみよう。」と思考します。
で、よくよく見ると似たような訳の分からない言い回しが出てくる割には数字だけが微妙に違うということに気付きます。
じゃあ、どういうことなんだと考えたり、用語の意味を確認したりしますから、自分の中で「あ~、そういうことねー。」という腹落ちができます。
腹落ちができているので、自然と記憶ポイントも鮮明になり、暗記なんてしなくても覚えることができ、しかもややこしいところを自己解決したという自信も持てます。
印象に残る勉強にもなりますから、記憶がより鮮明になるという利点もあります。
これで本試験で出題されたとしたら、ウキウキしながら問題を解くことができます。
とはいえ、なかなかそこまで達するのはハードですから、せめて、似通った内容が出てきたときは立ち止まって見比べることをし、異同を確認することはしてみてはいかがでしょう?
今日のまとめ
今日は、「保険料」を整理しました。
また、自分でできる(いや~な箇所の)選択式対策についてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言いただけると嬉しいです。
もちろん、質問や要望もOKです。
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内容は、あなたが来年合格するための勉強法のアドバイスやお悩み相談ですね。
費用は掛かりませんが、お1人当たり1回限りといたします。
僕からのアドバイスや、論点知識の内容のレクチャーを継続的に受けたいという方は個別特訓をお申し込みください。
さらに、有料の動画配信は現在、鋭意準備中です。
できればですが、全論点につき、僕だったらどう記憶するかみたいな解説動画を作ろうと思っています(YouTubeにあげたやつの全論点版みたいなイメージです。)。
こちらも乞うご期待。
令和2年度本試験向けに「You Tube動画」アップしてます。
ブログとは別の論点をピックアップしているのと、問題文をどう読み解いたらいいのかについて解説していますんで、チャンネル登録もお願いします。
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