日本で2番目にドSな社労士試験対策

このブログは、社労士試験に本気で合格する方を応援するために、主自身が取った効果的な学習法をお伝えするブログです。主に受験経験のある方向けの内容ですが、初学者の方でも1発合格するエッセンスが詰まっています。毎日アップしますので、ご愛読ください。

番外編:選択式対策①

みなさん、またまたこんにちは。

 

「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。

 

番外編も読んでくださって、ありがとうございます。

 

で、この話題はいつか書こう書こうと思っていたことです。

 

ババン、「選択式対策」

 

せっかく、択一で合格点を取れているのに、選択式で基準点未達を出したばっかりに、もう1年勉強するなんて辛すぎます。

 

僕自身、2回目3回目の受験で痛い目を見ていますので、その気持ちはよぉ~くわかります。

 

なので、実際の選択式過去問を題材に、知識ではどうにもならない「びっくり問題」を僕なら現場でどのように解くかという思考の課程を再現することで、事前準備が可能な部分の話をしていきますね。

 

で、扱う問題はこれです。(平成30年度国年選択式)

 

1 国民年金法施行規則第18条の規定によると、厚生労働大臣は、【 A 】住民基本台帳法の規定による老齢基礎年金の受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うものとされ、機構保存本人確認情報の提供を受けるために必要と認める場合は、【 B 】を求めることができるとされている。
2 国民年金法109条の2第1項に規定する指定全額免除申請事務取扱者は、同項に規定する全額免除申請に係る事務のほか、【 C 】要件該当被保険者等の委託を受けて、【 C 】申請を行うことができる。
3 昭和16年4月2日以後生まれの者が、老齢基礎年金の支給繰下げの申請をした場合、老齢基礎年金の額に増額率を乗じて得た額が加算されるが、その増額率は【 D 】に当該年金の受給権を【 E 】を乗じて得た率をいう。」

 

選択肢

①4分の3免除、半額免除及び4分の1免除
②100分の11           ③100分の12
④1000分の5            ⑤1000分の7
⑥各支払期月の前月に         ⑦各支払期月の前々月に
⑧学生納付特例
⑨市町村長(特別区にあっては、区長とする。)に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告
⑩市町村長(特別区にあっては、区長とする。)の同意
⑪取得した日から起算して当該年金の支給の繰下げの申出をした日の前日までの年数(1未満の端数が生じたときは切り捨て、当該年数が5を超えるときは5とする。)
⑫取得した日から起算して当該年金の支給繰下げの申出をした日までの年数(1未満の端数が生じたときは切り捨て、当該年数が5を超えるときは5とする。)
⑬取得した日の属する月から当該年金の支給繰下げの申出をした日の属する月の前月までの月数(当該月数が60を超えるときは、60)
⑭取得した日の属する月から当該年金の支給繰下げの申出をした日の属する月までの月数(当該月数が60を超えるときは、60)
⑮追納              ⑯納付猶予
⑰毎月              ⑱毎年
⑲老齢基礎年金の受給権者に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告
⑳老齢基礎年金の受給権者の同意

 

では、僕だったらどんな感じで解くか。

まず【 A 】。本編で書いたように択一の過去問がありますから、語群を見ずに記憶として「毎月」が思い出されて、「⑰毎月」を選んで1点ゲット!

 

次に【 B 】。過去問知識にないのでまずはスルー。ひょっとしたら講義を聴いて知識があってすぐに解答肢を選べた方もいるかもしれませんが、僕は即答できませんでした。

 

【 C 】。これもスルー。知りません。

 

【 D 】【 E 】は過去問知識なので、「⑤1000分の7」「⑬取得した日の属する月から当該年金の支給繰下げの申出をした日の属する月の前月までの月数(当該月数が60を超えるときは、60)」はすぐに入ります。ここで、確実に3点確保ですね。

ただ、受験さんの中には⑤と⑬を逆に入れてしまい2点失点された方もいらっしゃいました。

う~ん、もったいないですね。語群の中から選んだものを入れて読んで確認することを怠ったか、確認はしたけれども緊張のあまりチェック漏れがあったかなんでしょうね。

前者の場合は、選択式の過去問演習や模試・答練で実際にやってみて訓練して身に付ける以外に方法はありません。

このとき、漫然とチェックをするのではなく、作業マニュアルを作るくらいのことをした方がいいかもしれませんし、「必ず心の中で音読する。」とか「実際に入れた語句を問題冊子に書き込む」くらいに徹底して訓練することで、ミスからの失点は防げますよ。

また、緊張のあまりミスをするというのももったいない話です。

本試験で緊張するのは当たり前です。プロスポーツ選手だって、俳優さんだって、誰であれ本番は緊張します。むしろ緊張が無かったらミスをします。

けれど、その緊張下であってもパフォーマンスを発揮することが合格に必要なことなので、メンタルコントロールする方法、例えば、本番中であっても深呼吸をするとか、5秒だけ瞑想してみるとかして、いったん不要な緊張から自分を解放してあげる術を身に付けるのと同時に、作業マニュアルの徹底が不可欠でしょうね。

本問なら、「その増額率は【⑬取得した日の属する月から当該年金の支給繰下げの申出をした日の属する月の前月までの月数】に当該年金の受給権を【⑤1000分の7】を乗じて得た率をいう。」って文章は明らかに日本語としておかしいですよね。見やすくするためにカッコは省いていますよ。

それもこれも、こうやって文字情報としてみているからで、頭ん中だけで確認するのはチェックの確実性としては不確かだとは思いませんか?

めんどくさがって手抜きをして、もう1年勉強せにゃぁならんとなったら、泣くに泣けないですよ!

ほんのちょっとの手間かけで失点を防げるのであれば、やってみる価値は大いにありませんか?

それと、⑤と⑬以外の語句を選んだのであれば、あなたは基礎力不足です。選択式のテクニックを磨く以前に、択一の過去問から本試験に持っていく知識を正確に仕上げてください。

 

で、スルーした【 B 】。

解答の候補になるのは、

⑨市町村長(特別区にあっては、区長とする。)に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告

⑩市町村長(特別区にあっては、区長とする。)の同意

⑲老齢基礎年金の受給権者に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告

⑳老齢基礎年金の受給権者の同意

の4つです。必ず語群のグルーピングから始めましょう。

このとき、⑩と⑳は絶対に入りません。

なぜかというと⑩又は⑳を入れた文章が日本語の文章としておかしいからです。

実際に入れてみましょう。

「(略)厚生労働大臣は、(略)、機構保存本人確認情報の提供を受けるために必要と認める場合は、【⑩市町村長の同意】を求めることができるとされている。」ってなりますね。見やすくするためにカッコは省きましたよ。

どうです?「何についての同意」なのかがさっぱりわからない文章ですよね。⑳を入れても同じです。

で、残った⑨と⑲ですが、市町村長と老齢基礎年金の受給権者のどっちにマイナンバーを知らせてもらうかの違いですよね。

ここで、あなたの「常識」が問われてきますよ。

マイナンバーが導入されたとき、めっちゃ情報漏えいを防ぐための対策って騒がれましたよね。

だとすると、そう簡単に本人以外からマイナンバーの提供を受けるなんてことはおかしいんじゃないでしょうか?

なので、⑨は消去で、残った⑲を解答にします。(これが正答。)

 

ラスト【 C 】。

語群をグルーピングすると、

①4分の3免除、半額免除及び4分の1免除

⑧学生納付特例

⑮追納

⑯納付猶予

が、解答の候補です。

実際に入れてみて日本語の文章的におかしいかどうかの判断ができないので、ある程度の知識がないと厳しい問題ですね。

ただ、グルーピングした語群をみたときに、「⑧学生納付特例」は真っ先に消去です。なぜなら、学生納付特例の申請は「学生納付特例事務法人」が行うものだからです。「学生納付特例事務法人」という単語が出てこなかったとしても、「大学が代わりに手続してくれる制度があったなぁ。」くらいの過去問知識がないとマズイですよ。

次に「⑮追納」。これも消去です。だって、追納って、申請によって行うものではありませんから。これも、過去問を解いたときに「追納ってこういうもの。」くらいの前提知識をつけておけば、簡単に切れますね。

で、残った「①4分の3免除、半額免除及び4分の1免除」と「⑯納付猶予」。直前に「同項に規定する全額免除申請に係る事務のほか、」とありますので、①を入れたくなるのですが、ちょっと待て!主語が「指定全額免除申請事務取扱者は、」となっていますよね。

多段階免除制度の申請代行も行うのであれば「指定全額免除申請事務取扱者」でなければおかしいんです。だって、多段階免除制度は保険料の全額を免除する制度ではありませんから。

残った「⑯納付猶予」。厳密に言うと全額免除ではありませんが、保険料の全額につき納付を猶予する制度ですから、広い意味で全額免除だと言えなくもない。

それに、択一過去問で一回だけ指定全額免除申請事務取扱者が出題されたとき(平成29年度問4D)に、どんな制度か?くらいのチェックはしておいて、「全額免除申請を促す制度」くらいの前提知識があれば、納付猶予も同視してもOKくらいの判断ができます。

なので、⑯が解答でこれが正解。

 

どうでしたか?

過去問レベルで基準点をとれる問題ではありますが、落とし穴が用意されていて、知識だけではどうにもならない箇所ってありましたよね。

まとめると、

①まずは語群を見ないで思い出す。ピッタリのものか、ほぼ近いものがあったらそれが解答。

②選んだ語句は、本文に文字情報として入れ直してから日本語の文章として成り立っているかを確認するため、語句を入れた状態のものを必ず読む。心の中で音読する。

③知識がでてこないものやあやふやなときは、語群をグルーピングして、消去法で解答を決める。このとき、フィーリングでは絶対に決めない。消去する根拠を明確にする。また、既知の過去問知識や問題文中のヒントになる語句を必ず見つけ出す。

 

みなさんは、初見の選択式問題を解くときの事前準備はどのようにしていますか?

 

知識ばっかり入れようとしても、勉強範囲が無駄に広がるだけですし、必ず、予想問題にすら引っかかっていないテーマからの出題がありますので、「合格を運任せにしない」ための対策は必要ですよ。

 

で、その事前準備をするために適した素材は、選択式の過去問です。

あなたは、選択式過去問の問題を本試験以外の機会に、本試験と同じように解いたことがありますか?

やったことがないならば、今のうちに取り組んでみてください。模試や答練では経験できない、本試験疑似体験ができますから。

予想問題集や選択式のトレーニング問題といった類のものは、知識で問題を解かそうとするものばかりです。

知識ではどうにもならない本試験の問題を知識以外の能力を総動員して解くための訓練にはなりませんよ。

決してやってはいけないということではありませんが、選択式の解き方対策ができた後の肩慣らしくらいでしょうね。それだけの時間的余裕があればの話です。

 

普段の記事よりも長くなっちゃいましたが、ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

 

読んだ感想とか要望をコメントいただけると、嬉しいですなぁ。

 

この記事は以上です。

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