みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
本試験(8月25日)まで、あと「94日」。
試験前日まで13週間と3日です。
あなたは、1週間平均で何時間、
正味の勉強時間を費やしていますか?
それに13を掛けると……、
あと何時間かけて合格レベルに持って行ったらよいかが分かりますね!
(テキストをマーカーで塗り絵していたり、眺めているだけの時間はノーカウントですよ。)
さあ、今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう!
【もくじ】
昨日のふりかえり
昨日は、不服申立てについて整理しました。
国民年法上、何について不服申立てができるんでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「①被保険者の資格に関する処分
②給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)
③保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある場合に、
社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
④脱退一時金は、社会保険審査会に対して審査請求できる。」
でしたね。
夜寝る前と、朝起きた時に繰り返しましたか?
記憶のコツは、
コンパクトな情報を常に繰り返すことです!
もちろん、そのまえに、テキストなどの
情報を自分の言葉でコンパクトに凝縮すること
も大事です。
分かりやすい講義を聴いたり、テキストを読むだけの
受け身な勉強では記憶は身につきません。
受験経験があって、択一合格点に届いたことのない方は、
今のやり方で、本試験会場でスラスラ問題を解き、
11月に合格している自分の姿をイメージできますか?
今一度、勉強方法を見直してみてはいかがですか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は「雑則・罰則」(国年法102条等)を整理します。
さて、僕が持っているクレアール過去問集(2019年度向け)には、
「雑則・罰則」は、中見出しで「時効」「調査及び資料の提供等」「全額免除申請の事務手続に関する特例」「学生納付特例の事務手続に関する特例」「保険料納付確認団体」「罰則」に分かれています。
その中で、「時効」は5肢(類題含めて9肢)、
「調査及び資料の提供等」は2肢、
「全額免除申請の事務手続に関する特例」は1肢、
「学生納付特例の事務手続に関する特例」は2肢、
「保険料納付確認団体」は2肢、
「罰則」は3肢(類題含めて4肢)載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「時効」は「時効に関する4つの整理の観点」プラス「1個」(年金時効法の話)の知識、
「調査及び資料の提供等」は「1個」の知識、
「全額免除申請の事務手続に関する特例」は「1個」の知識、
「学生納付特例の事務手続に関する特例」は「2個」の知識、
「保険料納付確認団体」は「2個」の知識、
「罰則」は「1個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
みなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「失踪宣告を受けた者の死亡一時金の請求期間の取扱いについて、死亡とみなされた日の翌日から2年を経過した後に請求がなされたものであっても、失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合には、給付を受ける権利について時効を援用せず、死亡一時金を支給することとされている。」
(平成30年度問2A)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「国民年金法上の時効の起算点はいつの時点で、長さは何年か?」ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識
「①時効は原則として2年と5年だが、例外として労基法上の賃金の請求権は当面3年。
②長期にわたる給付(年金)や額の多いもの(退職手当)が5年。それ以外が2年。
③時効の起算日は権利が発生した日の翌日(令和2年度法改正により明文化。)。」
ですね。
整理の視点
「時効に関する4つの整理の観点」の基本の3つで答えは出せます。
ただ、今日の問題は、少しひねりが入っているので、その点について言及しますね。
国年法上、死亡に関する給付の受給権が発生するのは死亡日です。
また、失踪宣告によって死亡したとみなされるのは、民法に定められる一定の期間(失踪期間という。普通失踪は不在者の生死が明らかでなくなってから7年間。特別失踪は危難が去ってから1年間)が経過した時点です。
失踪宣告の申立ては、失踪期間を満たしていないとできないので、時系列では、失踪→失踪期間の経過→失踪宣告の申立て→失踪宣告の審判の確定日となります。
で、死亡したものとみなされるのは「失踪期間を経過した時点」ですから、失踪宣告の審判の確定日までの期間が2年以上にわたる場合が出てくるのです。
このとき、上記①~③を形式的にあてはめてしまうと、死亡に関する給付が受給できなくなる場合が出てきてしまいます。(特に死亡一時金)
それをどないすんねん?ってことで、通達があって、この問題はそれをまんま出してきたのですが、
「そんな通達なんて知るか!(゜o゜)!」
ですよ。
ただ、ここで躍起になって、模試とか答練とか、予備校オリジナルの問題から未出題の通達や判例を暗記するなんてのは、はっきり言って時間の無駄です。
だって、出るか出ないかわかんない幽霊を追っかけるようなもんですよ。
基本知識に自信がないから、より多くを取りこんで安心しようとしているんでしょうね。
で、僕なら今日の問題を本試験会場で見たら、こう思考します。
「んん?なんじゃこりゃ?見たことない(自分の過去問知識にはない)話だなぁ。
あー、確かに『死亡とみなされた日の翌日から2年を経過した後に(死亡一時金の)請求』をしても時効で消えてんなぁ。
でもそれって、死亡とみなされた日~失踪宣告の申立て~失踪宣告の審判の確定日の間って2年じゃ済まないときがあって、原則通りに扱ったらちょっとかわいそうだな。
死亡一時金ってのは、保険料の掛け捨て防止が制度趣旨だから、なるべく受給できるようにするには、問題文にあるとおりに『失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合』であるならば、時効を援用しないって扱いもありだよな。
だとしたら、積極的には☓にはできんなー。ま、〇に近い△だな。」
ってなって、ひとまず解答肢からは保留して、他の選択肢との絡みで解答肢を決めます。
「正しいものを選べ。」という問題で、他の4つが間違いなく自信を持って☓とできたときは、これを解答肢にしますし、もし仮に他にバリバリ〇の選択肢があればこれは解答肢にはしません。
要は、基本事項をまず思い出す。そして趣旨に立ち戻って推理を働かす。その結論が妥当であれば、とりあえず〇に近い△や×に近い▲にして、解答からは保留することをやっていました。
本試験の問題には、必ず未出の論点や通達が出題されます。
ただ、それにこだわるのではなく、他の選択肢との兼ね合いで解答が出せられればいいのですから、無理やり決着をつけるようなことはしません。
もちろん、今日の問題で示したような道筋は必ず付けて、ある程度の判断は必ずします。
決して何の根拠もなく「何となく〇」とか「×っぽい」とか「過去問で〇だったような気がする。」なんてことは一切やっていませんでした。
みなさんは、どこまで過去問を深堀して、事前準備をしていますか?
あ、ちなみに今日の問題は、既に過去問ですから、知識の一端に加えますよ。
③の起算日のところに枝葉みたいにくっつけますね。
「死亡一時金は、保険料の掛け捨て防止が制度趣旨だから、失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合であるならば、時効を援用せず支給する。」くらいにコンパクトにして覚えますね。
ただ、去年出たばかりの知識なので、今年また出るとは思えませんから、さらっとな感じでの記憶ですね。
もし出題されたとしても、一度趣旨に立ち返って思考して正解筋を辿っていますので、自信を持って解答しますね。
今日のまとめ
今日は、時効について整理しました。
また、本試験の問題で未出の論点や通達を解くときの思考法についてもお伝えしました。
あなたは、今日の記事から何を学び、何を実践しますか?
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