みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
本試験(8月25日)まで、あと「108日」。
試験前日まで15週間と3日です。
あなたは、1週間平均で何時間、
正味の勉強時間を費やしていますか?
それに15を掛けると……、
あと何時間かけて合格レベルに持って行ったらよいかが分かりますね!
(テキストをマーカーで塗り絵していたり、眺めているだけの時間はノーカウントですよ。)
さあ、今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう!
【もくじ】
昨日のふりかえり
昨日は、死亡一時金の支給要件のうち、第1号被保険者としての被保険者期間に係る月数を整理しました。
その月数は何か月あればよいのでしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「①死亡日の前日において
②死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る
ア)保険料納付済期間の月数、
イ)保険料4分の1免除期間の月数の4分の1に相当する月数、
ウ)保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び
エ)保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が
③36月以上あること。」
でしたね。
寡婦年金の夫要件との比較もしました。そっちもOKですね?
夜寝る前と、朝起きた時に繰り返しましたか?
記憶のコツは、
コンパクトな情報を常に繰り返すことです!
もちろん、そのまえに、テキストなどの
情報を自分の言葉でコンパクトに凝縮すること
も大事です。
分かりやすい講義を聴いたり、テキストを読むだけの
受け身な勉強では記憶は身につきません。
受験経験があって、択一合格点に届いたことのない方は、
今のやり方で、本試験会場でスラスラ問題を解き、
11月に合格している自分の姿をイメージできますか?
今一度、勉強方法を見直してみてはいかがですか?
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は「脱退一時金の支給」(法附則9条の3の2)を整理します。
さて、僕が持っているクレアール過去問集(2019年度向け)には、
「脱退一時金の支給」の過去問は15肢(類題含めて19肢と選択式が2問)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「脱退一時金の支給」は「3個」の知識で、パーフェクトだとまとめました。
みなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「脱退一時金の支給について、請求の日の属する月の前日までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を3か月及び保険料4分の3免除期間を4か月有する者であって、法所定の要件を満たすものは、その請求をすることができる。」
(平成22年度問2A)
この問題、問われている知識は何でしょう?
では、シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hの疑問形になるように考えましょうね。
………、
「脱退一時金の支給要件は何か?」ですね。
要は、「どんなときに脱退一時金ってもらえんねん?」って話です。
脱線~問題文の読み方~
で、問題文の読み方ですが、「脱退一時金の支給について、」とありますから、もう、まんま支給されるかどうかの場面だと分かりますね。
で、「請求の日の属する月の前日までの(中略)有する者であって、法所定の要件を満たすものは、その請求をすることができる。」とありますから、下線部分が請求することができるための条件を記したものだと分かります。
ということは、この問題文は、「『脱退一時金の支給について、』は、下線部の条件を満たしたときに『その請求をすることができる。』」という造りの文章ですよね?
で、「(下線部の)条件を満たしたときに『その請求をすることができる。』」ということは、「支給要件」の話をしていることになりますし、
かみ砕いて言うと、「どんなときにもらえんねん?」ということになります。
さらに、主語が「脱退一時金の支給について、」ですので、
この問題文で問われていること=論点は、「脱退一時金の支給要件は何か?」という結論になります。
社労士試験で「要件」(=どんなときに?)が問われる場合の文章は、今日の問題のような造りになります。
順番が入れ替わって、「(どんなときに?)+主語+述語(=結論)」の形もあります。
【例:「死亡した者が旧国民年金法の母子福祉年金又は準母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金の支給を受けていたときは、死亡一時金は支給されない。」(H17問6B)下線部が「どんなときに?」の部分で、主語は「死亡一時金」、述語は「支給されない(支給要件を満たさない)。」という造り。】
どうでしょう?
あなたは、問題文から、問いの要求=どんな知識をアウトプットしたらよいか?=論点は何か?が読み取れていますか?(脱線はここまで。)
本試験に持っていく論点知識
話を元に戻しましょう。
「脱退一時金の支給要件は何か?」の答えは?
………、
「①請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る
ア)保険料納付済期間の月数、
イ)保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、
ウ)保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び
エ)保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が
6月以上
②日本国籍を有していない者
③被保険者でない者
④老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない者その他これに準ずるものとして政令で定めるもの
⑤請求時に日本国内に住所を有していない者
⑥障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがない
⑦最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあつては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなつた日)から起算して2年以内に請求」
ですね。
整理の視点
要件の数、多いですね。これをスッキリまとめていきます。
なお、⑤~⑦は、テキストなどには「不支給となる場合」となっていて、支給要件と別項目になっていますが、「不支給となる場合にあてはまらなければ、支給される」ことになるので、表現を裏返して支給要件に含めました。
まず①。昨日整理した死亡一時金と全く同じ考え方で、いくばくかの保険料を納めた月のみを対象とし、納付実績に相当する部分をカウントしていきます。
次に②③⑤⑦。外国籍の方が帰国するにあたって被保険者資格を失ったときの掛け捨て防止が趣旨の制度ですから、当たり前の話ですね。
⑦は「2年」という数字が入っているので、これだけは素直に覚える項目です。
④⑥も、保険料掛け捨て防止の趣旨からすると、当たり前の話です。
どうです?意外とアッサリしていますでしょ?
制度趣旨から紐づけすると、整理しやすくなります。
僕が受験生時代は、7つを完璧に記憶することはしていませんでした。
①は「死亡一時金と全く同じ考え方で、いくばくかの保険料を納めた月のみを対象とし、納付実績に相当する部分をカウント」って覚え方をしていて、条文の表現だと「だいたい、こんな感じになるな。」くらいに思っていました。
②~⑦は「制度趣旨からすると、国籍は要らんし、被保険者なわけないし、日本には住んどらんしなぁ。あ、請求はおらんくなってから2年以内か。それに、受給権発生してたら掛け捨てにはならんし。」って記憶していました。
結構アバウトなんですけれど、テキストに書いてある項目は網羅していますし、
わざわざ難しい言葉を無理やり暗記するよりも、こっちの方が楽に記憶することができて、かつ、問題も解けるレベルの知識が身につくからです。
ただ、覚える項目の個数管理は厳密にやっていました。すなわち、「脱退一時金の支給要件は7つある。一つ目は…、二つ目は…。」みたいにです。
こうしていると、初見の問題でも「あー、要件のうちの〇〇のことを訊いている問題ね。」って、すぐに論点が分かるんです。
だから、解くスピードも速いですし、確実に得点できるようになっていきました。
みなさんは、問題が解けるようになるために、情報をどのように加工していますか?
今日のまとめ
今日は、脱退一時金の支給要件について整理しました。
また、問題文の読み取り方、記憶項目が多いものの整理の仕方もお伝えしました。
あなたは、今日の記事から何を学び、何を実践しますか?
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