日本で2番目にドSな社労士試験対策

このブログは、社労士試験に本気で合格する方を応援するために、主自身が取った効果的な学習法をお伝えするブログです。主に受験経験のある方向けの内容ですが、初学者の方でも1発合格するエッセンスが詰まっています。毎日アップしますので、ご愛読ください。

過去問はこうやって本試験への知識に変える~労働基準法㊵~

みなさん、こんにちは。

 

「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。

 

毎日、ありがとうございます。

 

来年の本試験まであと「302日」!

 

さあ、今日もメインシリーズ

「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう!

 

今日は「全額払いの原則」(労基法第24条)を扱います。

 

僕が持っているクレアール過去問集(平成30年度向け)には、

この全額払いの原則の過去問が19肢載っています。

賃金支払5原則の中で、最も重要な原則がこれです。

(類似出題としてくくったものも含めると22肢)

 

ですが、本試験に持っていく知識が19個あるのではなく、

僕の検討では「3つ」!に集約できるという結論になりました。

 

みなさんは、お持ちの過去問集から、

本試験に持っていく知識は何個、準備していますか?

 

そのうちの1つを見てみましょう。

 

「退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払いの原則の趣旨に反し無効であるとするのが、最高裁判所判例である。」

(平成27年度問4C)

 

では、この選択肢の論点、問われている知識は何でしょう?

シンキングタイム、スタート!

いつものように5W1Hで考えると…、

長い文で、しかも判例からの出題ですが、

ヒントとなるキーワードは設問中にありますよ。

 

 

………、

 

 

「賃金全額払いの趣旨は何か?」ですね。

要は、賃金全額払いの原則は、何のためにあるのか?ということです。

では答えは?

テキストすぐ見るのではなく、思い出しましょうね。

 

 

………、

 

 

「①使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、

 ②労働者に賃金の全額を確実に受領させ、

 ③労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするもの」ですね。

 

ということなので、

使用者が一方的に行うものでなかったり、

労働者の経済生活を脅かすことがなければ、

趣旨に反することはないので、例外的に認められる

という結論になりやすいんです。

 

賃金全額払いの原則の論点は、

判例からの出題が多いところです。

ただ、それらの事案は、

どれも、今日扱った「趣旨は何か?」での具体例です。

 

なので、趣旨に反するような事情があるかないかを拾っていけばいいんです。

 

今日の設問なら、

「労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず」の部分がキーになってきます。

 

「労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示」というのは、

「私、退職金要りません。」ということです。

 

「それ(退職金要りません)が労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず」という部分は、

労働者が真意から退職金要りませんと言っている場面と

それ以外の場合(例えば、労働者が不本意ながら退職金要りませんと言っていたり、使用者から一方的に不支給とする場面)を

いっしょくたにしていますよね。

 

それでいいんだろうか?という判断です。

みなさんでしたら、どのように考えますか?

 

真意から要らないと言っている場面では、生活資金が十分にあり、退職金に拘っていない様子が想像できます。

ならば、退職金を支払わなくても、経済生活を脅かすことのない状態であり、全額払いの趣旨に反しないと言えます。

 

反対に、不本意ながら要らないと言っている場面では、生活資金が十分でないにもかかわらず、脅されたり騙されたから要らないと言っている様子が想像できます。

使用者から一方的に不支給とする場面でも、労働者の生活資金には関係なく出さないとなっている場面が想像できます。

ならば、退職金を支払わないということは、経済生活を脅かすことになり、全額払いの趣旨に反しますよね。

 

ところが、この設問では「自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず」といっしょくたにしているので、結論が不合理ですよね。

 

実際の判例も、「労働者が退職に際しみずから(略)退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、全額払いの原則が意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解するこことはできない。」と述べ、労働者の自由意思に基づく退職金債権の放棄は有効と判断しています。(証拠に基づく事実認定も労働者の自由意思があったと判断し、退職金債権の放棄を有効としています。)

 

他の全額払いの判例も同じように、上の3つの趣旨に反しないかの観点から検討してみると、スッキリ筋が通りますよ。

 

これをめんどくさがって丸暗記に走るのと、

趣旨から考えてどんな事例でも対応できるように準備するのとでは、

あなたにとって、どちらが楽しく勉強できるやり方でしょう?

 

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今日も読んでくださって、ありがとうございます。

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