みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
来年の本試験まであと「318日」!
さあ、今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう!
今日は「事業場外のみなし労働時間制」(労基法第38条の2)を扱います。
「坑内労働その他の有害業務における限度時間」(労基法第36条1項ただし書き)は飛ばします。
また「時間外労働の限度に関する基準」も飛ばします(働き方改革関連法案の成立に伴う法改正のため)。
僕が持っているクレアール過去問集(平成30年度向け)には、
この事業場外のみなし労働時間制の過去問が2肢載っています。
(類似出題としてくくったものと選択式も含めると5肢)
そして、本試験に持っていく知識も2個です。
ただし、1つは細かい論点。
みなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識は何個、準備していますか?
そのうちの1つを見てみましょう。
「労働基準法第38条の2の規定によれば、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として所定労働時間労働したものとみなされるが、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働をしたものとみなされる。この場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる。」
(平成18年度問3A)
今日のも長いですね(・.・;)
こういう時こそ、差が付きやすいんで、
昨日の記事のように細かく分けて分析していきましょう。
では、この選択肢の論点、問われている知識は何でしょう?
シンキングタイム、スタート!
いつものように5W1Hで考えると…、
………、
「事業場外のみなし労働時間制の導入要件と効果は何か?」ですね。
では、答えは?
テキストは見ないで、まずは思い出す習慣をつけましょうね。
「導入要件」とは、どんなときに事業場外のみなし労働時間制を導入できるか?
「効果」とは、事業場外のみなし労働時間制を導入するとどうなるの?
ということですよ。
………、
導入要件は、
①労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いとき
②(当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合)労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定
効果は、
①(導入要件①の場合)所定労働時間労働したものとみなす
②(導入要件①②の場合)協定で定める時間を通常必要とされる時間とする
ですね。
要は、この選択肢1つを分析するだけで、
事業場外のみなし労働時間制の要件・効果はパーフェクトになるんです。
ただ、言い回しがカタイといいますか、いかにも法律然としているので、
とっつきについですよね。
要は、導入要件①と効果①は、
従業員さんが、一日のうち、全部か一部の時間帯を外で仕事をしているケースで、
実際に何時間働いているかを使用者が把握できないときは、
事業所が決めた労働時間(通常は8時間でしょうね)働いたものとみなしますよということを言っています。
導入要件②と効果②は、
従業員さんが、一日のうち、全部か一部の時間帯を外で仕事をしているケースで、
実際に何時間働いているかを使用者が把握できない、かつ、
事業所が決めた労働時間を超えて仕事をせざるを得ないような場合は、
労使協定で決めた労働時間働いたものとみなしますよということを言っています。
①のケースは、外回りの営業さんとかで、労働時間を把握できないけど、大体8時間くらいの仕事みたいなケース。
②のケースも、外回りの営業さんとかで、労働時間は把握できないし、働いているのも8時間を超えて、10時間くらいみたいなケースです。
ただ、「労働時間を把握しがたいとき」とっても、携帯電話での通話や、スマホ・タブレットでのlineなどの普及で、実際にはほとんど把握できないことはないと言ってもよいでしょう。
実務では、「それではマズイですよ。」と感じるケースにはお目にかかります。
在宅勤務でのテレワークで導入できなくもないですが、
要件が厳しいですので、どうかなとは思います。
むしろ、クラウドワークスとかを利用した業務委託の方が使い勝手がいいという気もします。
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今日も読んでくださって、ありがとうございます。