みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
今日から、新シリーズ「過去問はこうやって本試験の知識に変える」をお伝えします。
実際の過去問を使って、本試験で同じ論点が出題されたときに
スラスラと問題が解けるようになるための準備を始めていきましょう。
では早速、
「労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。」
(平成28年問1ア)
正しい選択肢です。
まず、この選択肢の「論点」(=どんな知識を問うているか?)は何でしょう?
考えてみてください。
………、
僕であれば、「労基法第1条の意義は何か?」くらいに読み取ります。
みなさんはどうでした?
自分の言葉で、「何を問うているか?」がわかればOKです。
コツは、5W1Hの疑問形にすることです。
「はい」か「いいえ」で答えられる疑問形にすると、
反復練習のときにしんどくなりますよ。
では、この選択肢からどんな内容を知識として汲み取りますか?
あなたでしたら、「労基法第1条の意義は何か?」と問われて、
この選択肢から、何を答えとして読み取りますか?
考えてみてください。
………、
僕であれば、「労基法第1条は、基本理念を宣明したもの。解釈上の基本観念として常に考慮されるべき位置づけのもの。」くらいに読み取ります。
色付けした2か所がキーワード。
後は反復して長期記憶化するためにこのように繰り返します。
「労基法第1条の意義は何か?」
「基本理念。解釈上の基本観念として常に考慮。」
これで、この選択肢の分析は終了。
あとは、文章表現が変えられたとしても、
論点が「労基法第1条の意義は何か?」が問われているのであれば、
「基本理念。解釈上の基本観念として常に考慮。」を足掛かりに
正誤判断をすれば解答できることになります。
ちなみに、今年の本試験でこんな出題がありました。
「労働基準法第1条にいう『人たるに値する生活』には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この『標準家族』の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、『配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの』とされている。」
(平成30年第4問ア)
前半部分の「人たるに値する生活」は、選択、択一両方で過去問がありますが、
「標準家族」なんて言葉は初めて見ました。
前半の論点は「『人たるに値する生活』の人の範囲はどこまでか?
労働者個人or他の人も含む?」といった感じかな。
その論点は過去問では問われたことはありませんから、
現場で推理するしかありません。
僕でしたら、「労働者個人が『人たるに値する生活』していても、
家族がそうでなかったらシャレにならないな。」と発想します。
「だとしたら、『標準家族』も含むと言える。前半は正しいだろう。」
と考えて、〇に近い△にします。
後半の論点は「『標準家族』の範囲はどこまでか?」。
これも過去問での出題はありません。
現場の推理です。
僕でしたら、「労基法第1条は、基本理念を宣明したものだから、
特定の状況を想定せず、一般的、抽象的な場面になるはずだ。
だとしたら、『配偶者、~維持しているもの』なんて限定をかけるのはおかしい。」
と考えて、×に近い△にします。
今年の労基問4は「正しいものの組合せを選べ」なので、
正解肢に(ほぼ)ならないだろうと考えて、保留。
他の選択肢に、バリバリ〇があったので、この選択肢は保留のまま解答を決めます。
いかがでしたか?
過去問をシンプルな形に引き直して繰り返すと、
文章表現が変えられたり、
過去問ではズバリの出題のない「プチ応用問題」でも
正誤判断ができるようになるんです。
明日以降も、実際の過去問を知識化していきますね。
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今日も読んでくださって、ありがとうございます。